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お多福美人講座 [日々の暮らし]

毎月地下鉄の駅構内で手に入れている冊子「メトロポリターナ」。
7月号も読みごたえ大でした。

沿線のイベント情報やグルメの紹介はもちろんのこと、
連載コラムやCD、書籍、映画についての記述もあり、
情報誌として中身が濃いと思います。

中でも私のお気に入りは、元新橋芸者の千代里さんが
続けておられる「お多福美人講座」という連載。
すでに56回目となっています。

今月のタイトルは「必ずいいことにつながっている」でした。

千代里さんは実は「ピンチはチャンス」ということばが
苦手なのだそうです。ご自身がピンチをチャンスに
変えられないがゆえに焦ってしまうからとのこと。
なるほどなあ、と思いました。

確かに「ピンチはチャンス」というのは頭では私も
理解できます。でもピンチの真っただ中にいると、
そこで息をするだけでもそれこそいっぱいいっぱいだったり
するのですよね。千代里さんも「この状況のどこに
チャンスがあるんだ」と腹が立ってしまう、と綴っていました。

でも、以下の文章が綴られています:

「『今はわからなくても、必ずこの出来事は
最高に幸せなことにつながっている』
と考えるようにしています。」

さらに、

「先が見えなくて何から手をつけていいかわからないときは、
とにかく今目の前にあるものを大切にする。
そして、苦しく感じる今このときも、
この先の幸せにつながっていると信じて
生きていきたいものです。」

と締めくくっています。

何となく先行き不透明な昨今だからこそ、
励まされる文章ですよね。

(「メトロポリターナ」2020年7月号、産経新聞社発行)
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NHK「ニュースで英語術」掲載のお知らせ [日々の暮らし]

2020年7月15日放送分の翻訳・解説を担当いたしました。
タイトルは「ブラジル大統領 新型コロナに感染」です。

https://www.nhk.or.jp/gogaku/news/2007/15.html

どうぞよろしくお願いいたします。

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図書館の本 [日々の暮らし]

数年前に断捨離をした際、手持ちの本をずいぶん処分しました。
書棚がパンパンになってきたからです。
結局、残したのは自分を支えてくれたごくわずかの本のみ。
あとは潔く手離したのでした。
たまに振り返って「あれ?処分してしまったっけ?」と
懐かしくなることもありますが、過去は過去。
手元を離れて古書店へと行ったわけですので、
「今、どこかでその本が誰かを支えている」と思えれば
気持ちも晴れてきます。

そのようなわけで、最近はもっぱら図書館を利用しており、
自分で本を買うことは少なくなりました。
図書館に在庫がなく、自分自身が強烈に読みたいと思ったときだけ、
注文をしています。

さて、その図書館本。私は地元図書館と出講先の
大学図書館を利用しています。あいにく大学はコロナで
オンライン授業になったため、キャンパスには
基本的に行かなくなりました。最近になって、
ようやく図書館の限定開放がなされるようになり、
ありがたく思っているところです。

一方、地元図書館のメリットは、家の近くにあること、
リクエストを受け付けていることです。
ベストセラーでない限り、かなり早く取り寄せてもらえます。

ただ、私の場合、リクエストをした段階で忘れてしまう
ことが多いのですね。

いざ引き取った際に、「ハテ、なぜ私はこの本をリクエスト
したのかしら?」と思うこともしばしです。

でもそうした本をパラパラと斜め読みしていて、
印象的な文章に出会えると、本当に嬉しくなります。

たとえば先日借りたのは「言葉の力」(PHP研究所編、
PHP研究所発行、2012年)です。著名人のエッセイが
まとめて載っている一冊です。励まされる一文に
随分出会うことができました。

中でも印象的だったのが、作詞家・阿木耀子さん。
タイトルは「ひらめきを信じる」でした。
その中でこう述べています:

「人生でまだ包装紙に包んだままのもの、
封を切らないままのもの・・・。
そんなしまい込んだ気持ちや感覚は、
どんどん開けてみる。
人生は、長いようで短いでしょう。」(p41)

作詞家の阿木さんらしく、「包装紙」という
ことばで表現してあるのがステキですよね。

人生の折り返し地点を過ぎた今、私自身が
生き方を模索していることもあり、
とても心に響きました。
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「通訳者のひよこたちへ」更新のお知らせ [掲載]

「通訳者のひよこたちへ」第451回がアップされました。
タイトルは「シチリアーノ」、
書籍紹介は「わらういきもの」
(近藤雄生著、松坂崇久監修、エクスナレッジ、2017年)を取り上げています。

https://www.hicareer.jp/inter/hiyoko/18427.html

お時間がございましたらご一読いただければ幸いです。

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姿勢のこと [日々の暮らし]

通訳の仕事を始めてから意識していることがあります。
「姿勢」です。

放送通訳や国際会議ではマイクがあるのですが、
商談通訳や通訳ガイド現場では基本的に地声です。
私の場合、ついつい気合が入ってしまうと
不必要なまでに体に力が入り、こわばってしまいます。
それが疲れにつながってしまうのですね。

しかも今はコロナで授業がオンラインになり、
画面を凝視しながら声を出すことを続けています。
自分では知らないうちに疲労となってしまうようです。

声を出す仕事に携わる者にとって、姿勢はとても大切です。
なぜなら、猫背になってしまうと上半身が開きません。
すると声の届く範囲も限定的になります。
ですので、常に背筋をまっすぐにして、姿勢を良くして
声を出すことが堂々とした話し方につながり、
それが自信へもつながる、というのが私の考えです。

精神科医・大野裕先生は、背筋について次のように述べています:

「姿勢によって気分が変わる」
「前かがみになると気持ちが沈み込みやすくなる」

確かにそうですよね。姿勢が悪くなって下ばかり見てしまうと、
よけい気分も落ち込むような感じがします。

「できるだけ背中を伸ばして笑顔で生活することが、
こころの健康に役に立つ。」

コロナで先行きが不透明であるからこそ、
背中を伸ばし、前向きに生きていくことが大事だなあと
私も感じています。

(「こころの健康学」認知行動療法研修開発センター 大野裕
日本経済新聞2020年6月29日月曜日朝刊)
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つい気になってしまう [日々の暮らし]

ことばを生業としているためなのか、ついつい言葉関連の
ことになると、気になってしまいます。

たとえば鉄道路線の名前。

埼京線は「埼玉」と「東京」が組み合わさっていますよね。
埼玉の一文字目「埼」と東京の二文字目「京」がついたもの。

でも京浜東北線は東「京」と横「浜」で、どちらも2文字目。

京阪電鉄は「京」都と大「阪」。

東横線は「東」京と「横」浜。

八高線は「八」王子と「高」崎。

法則性があるような、ないような。

一方、日常生活の中に出てくる言葉も気になり、
つい調べてしまいます。

たとえば「コスメ」は英語のcosmeticsから来ていますが、
cosmetics自体はもともとギリシャ語でkosmetikos(上手に整理した)
という意味です。さらにこのkosmetikosの語源はkosmos(秩序)の
ことであり、これは「宇宙」のcosmosでもあるのですよね。
うーん、興味深い。

ちなみにwire(ワイヤー)の語源はラテン語のviriaeで
「ブレスレット」のこと。wireには「針金、鉄条網、電報」という
意味のほかに、動詞では「盗聴装置を付ける」などという
意味もあります。放送通訳のニュースで初めてwiretap(盗聴をする)
という語が出てきたときは、意味が分からず、難儀したことが
ありました。ずいぶん前のことです。

さて、今日は週初めの月曜日。今週も頑張ります。
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ナツの楽しみ [日々の暮らし]

梅雨が始まり、もう少しで真夏到来、という時期になると
毎年楽しみにしているものがあります。
それは出版社が無料で出している夏の文庫ガイドです。

今、私の手元にあるのは次の3種類です:

「新潮文庫の100冊」
「カドフェス2020 夏おすすめ本」
「ナツイチ2020 夏の一冊 集英社文庫」

いずれも各出版社が文庫シリーズの中から
推薦する本を冊子にまとめているのですね。

最初にこのようなガイド冊子を出したのは新潮文庫と
記憶しています。今はキュンタというキャラクターが
描かれていますが、かつてはYonda?というセリフ付きの
パンダでした。ずいぶん前にプレゼント懸賞に応募したところ、
このパンダを描いた旅行ポーチが抽選で当たり、
ボロボロになるまで使ったことを覚えています。

冊子をめくると、小説からミステリー、SF、古典など
多様な本が紹介されていることがわかります。
昔からの本もあれば、最近の作家たちの作品もあります。

年を経るごとに個人的に感じるのは、私自身が知る
作家の名前がどんどん少なくなってきた、という点です。
かつては国語便覧などで目にした文豪の作品が多かったものでした。
けれども時代は流れていくのですよね。

でも、これこそせっかくのチャンス。

新しい作家や作品に触れて、世界を広げてみたいとも
思っています。

新潮文庫: https://100satsu.com/

角川文庫: https://kadobun.jp/special/kadofes/

集英社文庫: http://bunko.shueisha.co.jp/natsuichi/

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キャリアと柔軟性 [仕事]

今年はコロナウイルスの影響で様々なことが異例の事態と
なっています。指導している大学でも、4年生の学生たちが
就職活動に励んでいますが、オンラインの面接であったり、
あるいは実際に都内などへ出向いての面接になったりなど、
色々と大変そうです。通常であれば、インターンがあり、
OB/OG訪問があり、エントリーをして試験や面接といった
流れのはずでしょう。手探りの時期がみなさん続いているような
印象です。

私自身を振り返ってみると、今の仕事に至るまでは
随分と紆余曲折と偶然があったと感じます。若いころは、
「これをやりたい!」と思っていたことが必ずしも
実現できたわけではありませんでした。

たとえば最初に入った外資系航空会社で私が一番
手がけたかったのは広報の仕事でした。幼いころから
文章を書くのが好き。機内誌はどのエアラインを利用しても
必ずチェックするというぐらい、マニア的な部分が
あったのですね。ですので、配属先は絶対にPR部門に
してほしいと密かに願っていました。

けれども、物事そうストレートに行くわけではありません。
配属先は別の部署でしたし、希望を周囲に伝えてはいたものの、
人事は若手社員の一声で変わるほど単純でもありません。
結局私はその会社を2年弱で辞めてしまい、次の
人生へと歩んでいったのでした。

それ以降も、自分の熱意と要望だけで来たわけではなく、
むしろ、「たまたま」挨拶に出向いたら仕事をオファーされたとか、
偶然、話の流れで大きなプロジェクトに関わるようになったなど、
たくさんの幸運に恵まれたのだと感じています。

目標を定めて長期・中期・短期目標を作っていき、
その通りに日々の生活を営む、という考え方もあるでしょう。
でも、そうならなくても、細く長く、気持ちをしっかりと
持っていけば人生何とかなるのかなと思います。
私の場合、「英語」「書く」「ジャーナリズムの世界」という
気持ちはずっとロウソクの小さな炎のような感じで
燃やし続けてきました。

「次世代を担う特に若い方にお伝えしたいことがある。
キャリアは『柔軟で良いんだよ』ということだ。」

これは資生堂社長兼CEOの魚谷雅彦氏が日経新聞で
書いておられた一文です。

キャリアは柔軟で良い。

私もそう感じています。

(日経新聞2020年7月6日 月曜日夕刊)
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「すぐ使える英語表現」更新のお知らせ [掲載]

第227回は hold water(筋が通る)というフレーズです。

https://www.hicareer.jp/inter/housou/18297.html

どうぞよろしくお願いいたします。

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目をつむってみる [仕事]

同時通訳をする際、どこに視点を合わせるかは
通訳者によりけりだと思います。ヘッドホンから
聞こえてくる音に集中するため、あえて目をつむっている
通訳者もいますし、話者を凝視して通訳をするという場合もあります。

私の場合は圧倒的に後者です。

それは「話者の目線、身振り手振り、表情」など
あらゆることが私にとっては「話者のイイタイコト」の
ヒントになっているからです。

よって、セミナー通訳の場合は、必ず話者が見える位置に
テーブルとイスをセッティングして頂いています。
また、スライドを映し出す場合は、スクリーンも
見えるような角度であることが肝心です。こうすることで、
話者の表情とスクリーンの情報すべてを一気に見ることが
可能となります。さらに理想を言うのであれば、聴衆の
表情が見えれば助かります。私の通訳を聴きながら
頷いていたり、あるいはハテナマークの表情をしていたりという
ノンバーバルメッセージで、自分の通訳の出来不出来が
わかるからなのですね。

一方、放送通訳でも表情は私にとって大いなる助けと
なります。よって、個人的に緊張するのは表情の見えない
電話インタビューです。また、回線不良で画面の表情と
音声にズレがあるときも難儀しますね。

ところで冒頭で書いた「目をつむって」に関連した話題を少々。

先日、朝の散歩に出かけた際、普段立ち寄る神社で
フシギな(?)体験をしました。目をたまたまつむった瞬間、
神社の中の木々の揺れる音が、まるで広大な森林の中にいるような
感じで聞こえてきたのです。たまたまその日は朝から
風が強かったに過ぎないのですが、とても幻想的な気分に
浸ることができました。
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