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香り [日々の暮らし]

放送通訳現場でささやかながら意識していることがあります。
それは「なるべくたくさん類語表現で通訳すること」です。

たとえばニュース本文でsayという語が出てきたとしましょう。
日本語訳は「言う、語る、述べる、話す」などありますよね。
こうした感じでできるだけ多様な表現を使いたいと
思うのです。よって、何度か同じ語を使ってしまうと、
同時通訳をしながらも内心「うーん、もっとバリエーションは
無いのかなあ。なぜ思いつかない、自分!?」とツッコミを
入れてしまいます。いえ、これは単純に私個人のこだわりなのですが。

このような気持ちが日頃からあるのでしょう。
辞書で類語を引くのは本当に好きで、電子辞書の
類語辞典はよく使っています。英語の類語辞典はもちろん、
日本語の類語辞典もお気に入りですね。
普段は授業や通訳準備・勉強で慌ただしいのですが、
それでも出来る限り、類語にあたるようにしています。

ちなみに「におい、香り」は英語でもたくさんあります。
ジーニアス英和辞典を引くと、以下のような分類となっていました:

odor 強いにおい
scent かすかなにおい
fragrance 香水などの豊かな快いにおい
aroma 芳しいにおい
stench 強烈でいやなにおい
smell 修飾語のない時はしばしば「悪臭」の意味

微妙な違いが何とも興味深いですよね。

香りといえば昨年秋にロンドンを旅行した際、地元の
ドラッグストアで懐かしいコロンのボトルを見つけました。
中学時代に現地で暮らしていたころ、仲の良かった女の子が、
その香りが好きで身につけていたのです。その子はおしゃれで
美意識が高く、とても素敵な子でした。

その年頃の子どもたちというのは、ちょっとした持ち物や
考え方で、同じ年齢でもとても大人びて見えるのですよね。
このコロンも大人向けのものですが、彼女は使いこなして
いましたし、彼女のいる場所にはその香りが漂っていました。

その日、私はこのコロンを迷わず買い求めました。
そして、懐かしいフレグランスを今、味わっています。
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