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「通訳者のひよこたちへ」更新のお知らせ [掲載]

「通訳者のひよこたちへ」第452回がアップされました。
タイトルは「香り」、
書籍紹介は「ビジュアル パンデミック・マップ」
(サンドラ・ヘンペル著、日経ナショナルジオグラフィック社、2020年)
を取り上げています。

https://www.hicareer.jp/inter/hiyoko/18445.html

お時間がございましたらご一読いただければ幸いです。

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締め切り [仕事]

20代に出会った本に私の人生は随分支えられてきたと
思っています。とりわけ衝撃を受けたのが乳がんで40代にして
亡くなられたジャーナリスト・千葉敦子さんの本でした。

千葉さんは1970年・80年代にあえて病にかかっている中、
拠点をニューヨークに移されました。そして母語ではない
英語で日本のことを記事にして生活しておられたのです。
非常にエネルギッシュで、「今、この瞬間」を大切に
生きておられました。

特に千葉さんが重視していたのが「時間」への意識でした。
自分の余命を意識していたこともあるのでしょう。
人生には限りがあるからこそ、シビアに
とらえておられたのだと思います。

日々の生活もできるだけ効率を考え、
仕事においても当時、まだ出始めたばかりのワープロを
わざわざ知人経由で入手し、使い方を徹底的にマスターされました。
手書きの原稿からワープロ原稿へと切り替えた記者は
おそらく千葉さんが初期の頃ではないでしょうか。

そうした時間への意識を私は千葉さんの本から大いに
影響を受けたのでした。また、秒単位で通訳をしていることもあり、
時間への意識はかなりある方なのかもしれません。

特に自分がフリーランスになってから心がけているのは、

「締め切りを必ず守ること」

この1点です。

私の場合、通訳以外に執筆のご依頼を頂くことが
あるのですが、先方の締め切り(納品日)だけは
必ず守るようにしています。できれば前日や当日ではなく、
1週間ぐらい前に提出できればベストというのが私自身の
考えです。

ただ、この習慣が身につくには、やはり意識改革が必要でした。
と言いますのも、振り返ってみれば私自身、小学校の夏休みの
宿題をギリギリ8月の終わりまで手を付けずということが
あったのですね。

でも仕事でそれをやってしまえば信用に関わります。
特にフリーの場合、信頼を構築するまでには非常に
年月がかかります。けれどもたった一度のことで、
あっという間に信頼を失い、二度と仕事が来なくなるという
恐れもあるわけです。

よって、原稿執筆の場合は、

「完ぺきな内容の原稿を提出したいから、ギリギリまで
執筆しないでおく」

というのは、正しくないと私は思うのですね。

7割ほどの完成率でも良いから、とにかく早めに納品する。
そしてどうしても後になって自分が訂正したくなったら、
修正のお願いをすれば良いのです。もし1週間前に
提出してあれば、そうした軌道修正もできます。

一番やってはいけないのは、締め切りを破ること。
これは先方だけでなく、その先におられる多くの方々への
迷惑となってしまいます。

幸い私は子どもの頃から母に「手紙が来たらとにかく早く
返事を書きなさい」と口を酸っぱくして言われて育ちました。
そうしたこともあり、原稿依頼に関しては、できれば
お願いされてすぐにでも提出したい派です。

社会人として締め切りは必ず守る。

千葉敦子さんの本に若いころ出会えて幸せに思っています。
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