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効率の見直し [日々の暮らし]

子どもたちが小さいころは仕事と家のことで手いっぱい。
とにかく効率をめざして時間を捻出することが
最優先でした。

けれども、そうした時期というのは一生続くわけではないのですよね。
子どもたちが大きくなるにつれて楽になる部分も出てきました
(もちろん、それと同時に別の難しさも出てくるのが
子育てではあるのですが)。

私の場合、掃除のしやすさ、家の中でのモノの見つけやすさ、
簡単に調理しやすいことなど、時短につながることが
ずっとトップ・プライオリティでした。よって、確かに
時間は生み出せたのですが、どこかキツキツの日々でも
あったのですよね。

一方、実家にたまに帰ると、母が庭の寄せ植えを
変えていたり、リフォームをしていたり、新しい洋服や
化粧品などを楽しんだりする様子がうかがえました。
そうした雰囲気を帰省ごとに触れるにつれて、
生活における「うるおい」というのは大事なのだろうなと
感じるようになったのです。

「限られた空間だから、モノは増やさない」

「お気に入りのモノを厳選して、あとは処分する」

という、これまでの自分の生き方もそれはそれで好きです。
でも、少しここでスローダウンするのも良いのだろうなと思い
始めたのですね。

たとえば、

「まだ使える家電ではあるけれど、保証期間も
過ぎていることだし、新しいタイプに変えてみようかな」

「確かに赤いトップスはあるにはあるけれど、
このデザインも素敵だから、買ってみようかな」

という具合に、変化やバリエーションがあっても良いのでは
と思うようになったのです。

私の周りを見渡してみると、そのような感じで
生活をエンジョイしている方々がいます。
そうした素敵な人たちから、うるおいを感じながら
生きることを、遅まきながら(?)学んでいるところです。

作家の門井慶喜氏は次のように述べています:

「床の間でもニッチでもよいですが、モノを飾れる場所を
つくることをお勧めします。といっても他人に見せるための
空間ではなく、自己満足のための場所です。
飾るモノは雑貨でも、絵葉書でも、美しい装丁の本でもいい。
気分に合わせて飾るモノを替え、眺めていると、
自分のことがよりいっそう好きになれるでしょう。」

最近私は家の中に切り花を飾るようにしています。
花に癒され、そうした花をテーブルに置ける余裕を
抱けるようになった自分が好きになったような気がしています。

(「作家・門井慶喜氏インタビュー」
日本経済新聞2020年7月22日水曜日別刷り)
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