SSブログ

ヤンソンス一周忌 [日々の暮らし]


深く深く敬愛してきた指揮者のマリス・ヤンソンス氏が
亡くなってから1年が経ちました。2019年11月30日に
持病の心臓病で亡くなられたのでした。

ヤンソンス氏について私は色々なところで思いを
書いてきました。それぐらい、私にとっては
人生に大きな影響を与えてくださったマエストロでした。

音楽の解釈はもちろんのこと、タクトの振りの美しさ、
謙虚さ、仕事への真摯な取り組み、誠実さなど
一人の音楽家として、人間として素晴らしい方でした。

私にとっての憧れであり、人として目指すべき人格者で
ありました。

氏の訃報が入った一年前、多くの人たちが私同様の
思いを抱き、色々なところで悲しみを綴っているのを目にしました。
それだけヤンソンス氏は、それぞれの人の人生に
大きな影響を与えてくださったのだと思います。

楽団員を信じ、愛し、音楽を尊重し、聴衆のために
ベストを尽くす。

氏は76歳という若さで亡くなられましたが、
その姿から私を含めたファンは多くのことを学び、
受け継いでいこうという気持ちになっていると思います。

私自身の人生で、このような出会いがあったことに
感謝しています。
コメント(0) 

覚悟を決めるということ [日々の暮らし]

通訳デビューして間もないころ、前日になって
どうしても不安になり、「この案件は受けたくない」
と思ってしまったことがあります。
夜中にエージェントへ電話をかけ、
「私の実力では無理です。おろさせてください」と
伝えるべく、受話器を握りしめていました。
今とは違い、携帯電話もない時代でしたので、
結局、オフィスは誰もおらず・・・。
翌日、トボトボと現場へ向かったのですね。

でも、いざ到着したら、「もうこれは覚悟して
やるしかない」と思い至りました。
お引き受けしたからには最善を尽くすしかない。
逃げるわけにはいかないのです。

幸いにして、自分の予習が何とか功を奏して
無事一日を終えることができました。
あのとき、無責任にも断っていたら、
あっという間に通訳業界から葬り去られていたことでしょう。

人は生きている間、色々な場面で決断を迫られます。
AかBかと単純な選択肢から答えを選べれば
楽ですよね。でもいつもそうとはならないのが、
これまた人生の大変な部分でもあります。

でも、今、目の前に与えられている「現状」に
向かうのは、他でもない「自分自身」なのです。

となれば、もう覚悟を決めるしかありません。
腹をくくる。「自分は真正面からこれに取り組む」と決意する。

それしかないのですよね。

逃げてしまえば、いつまでたっても亡霊のように
追いかけられてしまいます。ならば正々堂々と
逃げも隠れもせず、対峙するのみだと私は考えます。

逃げることは、実は簡単です。
あれこれと自分なりの理由や言い訳を考えて
逃避することはできます。むしろ人は、そうした
合理的言い訳を作り出す天才です。そして自己正当化を
して逃げ続けてしまいます。本人にしてみれば、
いとも立派な合理的理由かもしれませんが、
それを続ける限り、解決はますます遠のいてしまうでしょう。
先へは進めないのです。

だからこそ、覚悟が必要なのだと思います。

とあるブログで「覚悟を決めた瞬間から強くなれる」と読みました。

その通りだと思います。
コメント(0) 

岡崎選手のことば [日々の暮らし]


日経新聞に不定期で連載されている日本代表・
岡崎慎司選手のコラムが好きで、欠かさず読んでいます。
先日のタイトルは「負傷 自分の体と対話」でした。
イングランドのレスターで活躍したのは
もはや数年前。現在はスペインのウエスカで
プレーをしています。

今回の文章は、自分自身のケガと、チーム内における
コミュニケーションについてでした。英語で伝えては
みるものの、なかなかメディカルスタッフや
チームに伝わらなかったというエピソードが
綴られています。

一方、私がとても心を打たれたのは以下の文でした:

「僕は何かが起きてから、それに向き合い、
どうするかを考える『リアクションの人生』を
歩んできた。」

なぜこのことばに惹かれたかと言いますと、私自身が
物事において先読みばかりをしてしまう人生を
歩んできたからです。言うならば、
「リアクションの人生」とは正反対の「勝手に予言の人生」を
進んできたのですね。

先読みももちろん必要なときはあります。

でも、普段から体力を温存して、いざ、事が
生じた時点で必死になって考えれば良い。
そういう人生を自分に許したっていいのだ、と
遅まきながら思い始めています。

岡ちゃんゴロクに感謝です。

(日経新聞2020年11月25日水曜日夕刊)
コメント(0) 

「すぐ使える英語表現」更新のお知らせ [掲載]


第236回は teeter (危うい立場にいる)というフレーズです。

https://www.hicareer.jp/inter/housou/19710.html

どうぞよろしくお願いいたします。


コメント(0) 

集中できない?ならいっそのこと [仕事]

大統領選挙やコロナなど、今年はとにかくニュースも
盛りだくさんであっという間に11月も下旬になりました。
その一方で、仕事以外でも何かと慌ただしく、
「時間がいくらあっても足りない~~~」
「睡眠時間、削っても終わらない~~~~」
という日々が続いていたのですね。

気が張っている時はそれでも睡眠を削って何とか
こなせていました。早起きして原稿を書いたり、
授業準備をしたり、自分の勉強や読書をしたりと、
めいっぱい有意義に時間を活用できていたのです。

でも人は機械ではありませんので、いつか必ず、
・・・ここはうんと強調しますが・・・
「必ず」疲労は出てきます。いえ、機械でさえ
エレベーターやエスカレーターなども
メンテナンスをするわけですので、ましてや
人間が休みなしで馬車馬のように走り続けるわけには
いかないのですよね。

アタマではわかっているのに、「まだ行けるかも」
「前もそれで乗り切ったのだし」「だから大丈夫」
という具合に、自分で自分を過信するところに
大きな落とし穴がありました。

私の場合、そのようにして驀進した結果、
突然スタミナ切れとなることが少なくありません。
すると、さあ、大変。考え方は悲観的になるわ、
すべてを投げ出したくなるわで収集が付かなくなります。

ちなみに新宿NSビルには世界最大の振り子時計があるそう
ですが(見たことはありません)、私はどうも
振り子が極端から極端へと動くタイプなのでしょう。

でも最近、とある考えを頂いたことで、気持ちが
うんと楽になりました。

それは「あー、集中力が途切れちゃって
仕事できない~」という状況に私が陥ったときのこと。
そのとき、こう言われたのですね。

「じゃ、あまり頭を考えなくて済む○○を
その時間にやってみたら?一日のうちの
15分とか30分をそれに充ててみたら?」

というものでした。ちなみに「○○」の部分は、
私が今までずっと手付かずでズルズルと後ろ倒しに
していた、とあるリサーチ課題でした。

この一言は本当に目からうろこでした。
というのも「やらねばならないこと」ではあったものの、
つい後回しにしていたことだったのですね。

集中力が途切れて生産的なことができないなら、
いっそのこと、その課題に取り組めばよいのです。
リサーチですので、ネットや本を読むだけで済みます。

私一人では決して得られなかった新たな着眼点。
本当に嬉しく思ったのでした。感謝!!
コメント(0) 

NHK「ニュースで英語術」掲載のお知らせ [掲載]


2020年11月26日放送分の翻訳・解説を担当いたしました。
タイトルは「香港 民主派議員15人が辞表提出」です。

https://www.nhk.or.jp/gogaku/news/2011/26.html

どうぞよろしくお願いいたします。

コメント(0) 

空回りしないために [日々の暮らし]

通訳という仕事柄、色々と準備をした状態で当日の
仕事に臨むのが良し、と考えて私は仕事をしてきました。
「このテーマであればこういう準備をする。
こうした資料を読んでおく」という具合に
あれこれ想定シナリオを考えておくのですね。
通訳の仕事では何が飛び出すかわかりません。
よって、色々と考えておいた方が、いざ
その場になったときに慌てずに済むわけです。

ただ、これを物事全てにおいて当てはめようとして
うまく行かなかったことがあります。

たとえば、仕事以外の場で物事を考えなければ
いけないケースです。

何か打開策を見出さなければいけない状況に
陥った場合、「こうした方が良いかな?」
「それともこっちの手段の方が助かるかな?」
などと考えることがありますよね。

プランA、プランB、それでもうまく行かなければ
プランC、とうい具合に色々と想定してみる。
そしてそれぞれの想定に応じてとるべき行動を
考えてみる、という具合です。

航空機の機長などは、想定外の状況に
直面した際、マニュアルを見ながら対処していきます。
訓練の際にも地上においてそうしたシミュレーションを
しながら非常事態に備えていきます。

では、機材の不具合が生じて非常事態になることまで
機長は考えてマニュアルを作っているのでしょうか?
そうではありませんよね。
そうしたマニュアルを作成するのは、それを
専門とする技術者なのですよね。膨大なマニュアルを
作成して常備しておく。そしていざというときに
機長はそれに従いながら対処するわけです。

一方の私はと言うと、たくさんのプランを想定しすぎて
クタクタになるという事態に陥っていました。
つまり、「まだ起きてもいない未来のことをあれこれ
想像して疲労困憊になる」ということを自分に
してしまっていたのですね。

これでは身が持ちません。

想像し過ぎて疲れてしまうと、いざ、非常事態に
なったときにまともな判断ができなくなります。

それこそ「機長が細かい電気系統や機材のことまで
ぜーんぶ把握して最悪事態を想像してくたびれてしまい、
いざ非常事態になったらまともに操縦桿を握れなくなった」
では困ります。

だからこそ、「未来についてあれこれ想像しないこと」は
自身の心身を守る上で大切なのです。

心と体を整えておく。いざ、何かが生じたらそのとき
精一杯考えれば良いのです。

空回りし続けていた私にこのような気づきを
与えてくれた人に、今、深く感謝しています。
コメント(0) 

生き物のチカラ [日々の暮らし]


随分前の事。小さな鉢に入ったサボテンを2ついただきました。
可愛いデザインの鉢に入っており、部屋のアクセントになる
かわいいサボテンでした。

・・・が!!

水をやり過ぎたのか、両方とも枯らしてしまったのです。
残念・・・。

普通サボテンを枯らすことなどめったにあり得ない
わけですので、周囲からはずいぶんからかわれ
(呆れられ)ましたね。

以後、自分の中では「ガーデニングやお花育てには
全く向かない体質」というレッテルが貼られていたのです。

けれどもコロナになり、自粛期間が続く中、
ハーブを育てることを始めました。
たまたま購入したオリーブオイルのボトルに
バジルの種がオマケでついていたのです。

プランターと土を買ってきて蒔いたところ、
ちゃんと芽が出てきました。そして収穫もでき、
おいしいバジルソースを作るまでに至ったのです。
私にとっては大きな進歩でした。

数週間前には新たな鉢を買い、チューリップの
球根を植えてみました。これが花開くころ、
世の中は、あるいは自分はどのような状況なのかなと
考えながら水をやっています。ワクワクします。

一方、先日から始めたのが「お花の定期便」というサービス。
これは月額一定料金を払うことで、郵便ポストに
小さな花束を送っていただける、というものです。
数か月前からスーパーで切り花を買うように
なったのですが、もう少しバリエーションが欲しいと
思っていた所、偶然ネットで見つけたサービスでした。

届くのは手のひらにのる小さな花束ですが、
奇麗な色の花に緑の葉物も添えてあり、
実に鮮やか。見ているだけで元気が出ます。
毎日お水を取り替え、根元を少し切りながら
なるべく長く鑑賞できるように愛でているところです。

考えてみれば、ペット同様、花も生き物なのですよね。
「命」から元気を頂いています。
コメント(0) 

コメントありがとうございます [日々の暮らし]

いつも拙ブログをお読みくださりありがとうございます。

米国大統領選挙をきっかけにこのブログを探してくださった方。
また、日頃からお読みくださっている方。

皆様からのコメントは本当に励みになっています。

特にレギュラーでお心温まるコメントを書いてくださる
読者さん(あえてお名前は伏せさせてくださいね)。
お書き下さる文章や名言、リンクやヒントなどはとても私の心に
響いています。

ブログというバーチャルな世界ではありますが、
このようにして私を励まし、私に勇気を下さる皆様には
感謝の気持ちでいっぱいです。

ありがとうございます。

柴原 早苗
コメント(0) 

「通訳者のひよこたちへ」更新のお知らせ [掲載]


「通訳者のひよこたちへ」第469回がアップされました。
タイトルは「本当の勇気とは」、
書籍紹介は「交渉学が君たちの人生を変える」(印南一路著、
大和書房、2018年)を取り上げています。

https://www.hicareer.jp/inter/hiyoko/19692.html

お時間がございましたらご一読いただければ幸いです。

コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。