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無数の道 [日々の暮らし]

緊急事態宣言が続いていたとき、私にとって外部との接点の一つが
毎日自宅に届く紙の新聞でした。確かに今の時代、
新聞は電子版でも十分見られます。
日経新聞の場合、紙の新聞レイアウトと同じように
見ることができます。本当に便利な時代になりました。

それでもなお私が紙にこだわるのは、紙の持つ温かみであったり、
ページをめくる音であったり、気に入った記事を切り抜く
ビリビリ音であったり、という部分が大きいと思います。
視覚・触覚・聴覚などを総動員しているのでしょうね。
最近の新聞はインキの匂いはしなくなりましたので、嗅覚は除外。
食べたりすることはありませんので、味覚は論外、ですが・・・!

さて、こうした自宅待機期間中に集めたのが新聞に掲載されていた
各種名言でした。著名人のインタビュー記事等です。
そこで今日から数回に分けて、感銘を受けたことばを
ご紹介していきます。

本日ご紹介するのは、日経新聞5月21日のページから。
夏の甲子園が中止になったというニュースです。
そこに寄稿されていたのが、田村城記者の文章でした。
出場選手たちにとって、甲子園というのは「山のてっぺん」で
あったと綴り、その後、次のように続けています。

「(甲子園出場の選手たちは)そのヤマを喪失したが、
目をこらせばほかにも無数の道がある。いまはわからないその価値に、
気づくときがきっとくる。そう諭すのが大人の役目だろう。」

地区大会も全国大会も中止となってしまった今、
目標を喪失して茫然自失となった10代の若者たちは
少なくありません。長年練習を続けてきてようやく、という
思いが誰にもあるはずです。コロナという不可抗力とはいえ、
納得のいかない部分もあるでしょう。

だからこそ、大人がどのようにそうした子どもたちの心情を
把握し、接し、導いていくのか。
無数の道があるということを、大人自身の社会経験から
どのようにして伝えていくのか。

大人の責任が問われていると感じました。

(日本経済新聞2020年5月21日「夏の甲子園 中止決定」)
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