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優先順位 [仕事]

通訳デビューした際、業界の掟として言われたのが
「最初に受けた仕事はキャンセルしないこと」
というものでした。たとえ後になって、より魅力的な
仕事がオファーされたとしても、ということです。

確かに通訳者とて人間ですし、ましてやフリーで仕事を
していれば、生活を営む必要があります。
家賃や光熱費、子どもの学費、食費などなど、
生きていく上でお金の問題は避けて通れません。
そうなると余計、「最初の仕事より、こっちの方が
ペイも良いし、魅力的よね・・・」と思ってしまうのも
うなずけます。

けれども仕事というのは信頼関係で成り立っています。
最初に来た仕事がたとえ条件面で劣っていたとしても、
受けたものは受けた業務として、誠意をもって取り組むべき
なのですよね。万が一、最初の仕事をキャンセルして
後から来た方を選んでしまった場合、その場では満足
できるかもしれませんが、いかんせん、狭い業界ですので、
そうした勤務態度はどこかで巡り巡って発覚してしまうでしょう。

考えてみれば、こういうことは仕事に限らず、
日常生活でも当てはまるのですよね。
実は私も先日体験しました。当初のお約束をした後に
別のお誘いがあったのです。そちらは何十年ぶりという
オンライン同窓会でした。とても惹かれたのですが、
最初のお約束を反故にしてしまうのも忍びないですし、
私自身楽しみにしていたことでもありました。
よって、同窓会はまた日を改めてできると考え、
当初の約束はそのまま大切にしておきました。

ちなみにマナー関連の本を読むと、結婚式と葬儀が重なった場合、
葬儀を優先すべしとあります。これは故人との
お別れは一度きりであるからだそうです。
「生きていればまた会える」というのであれば
後日会うことはできるのですものね。

https://syukatsulabo.jp/funeral/article/9251

指導している大学で私は書籍紹介の活動を学生たちに
してもらっているのですが、マナー関連の本を
丁寧に読んでくれる学生が増えており、心強く思います。
こうした知識を吸収して社会に出ることは
大切だと思います(何分、私はそれをせぬまま社会人になり、
大いに恥ずかしい思いをしましたので・・・!)。
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