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時間 [日々の暮らし]

仕事準備にどうしても時間がかかってしまうため、
いかにして効率的に日々の生活を営めるかは私にとり、
大きなテーマでした。きっかけとなったのはジャーナリストの
千葉敦子さんの本です。フリーで活躍する千葉さんは、
一日24時間をどう過ごすかについて書籍で説明して
おられました。大学時代に読んだ際、とても衝撃を受けたことを
覚えています。

以来、「時短術」や「効率」「手帳術」などは私にとって
関心テーマとなり、モノを減らしてスッキリした暮らしを
していくのも、「探し物が減る時間=時短」という感じで
つながっていったのでした。もっとの私の場合、
今振り返ってみると、ミニマリスト的な生活というよりも、
片付け自体が幼少期から好きだったのかもしれません。
大好きな音楽をラジオで聴きながら整理整頓することは、
当時通っていたイギリスの学校の大変さから逃れる
「現実逃避」でもあったのです。

さて、先日の日経新聞・朝刊の「春秋」に時間に関する
記述がありました。「春秋」は朝日新聞でいうところの
「天声人語」のようなものであり、執筆者名は記載されていません。
おそらくベテランの記者の方がお書きになっているのだと思います。

6月10日の「春秋」ではエンデの「モモ」が紹介
されていました。私はまだ残念ながら読んだことがないのですが、
数年前に卒業していった教え子が書籍紹介の授業内活動で
熱心に勧めてくれたことを思い出します。

「春秋」によれば、エンデは次のように述べたそうです:

「時間とは生活そのもの。そして人間の生きる生活は
その人の心の中にある」

この一文を読み、私は改めて今までの効率三昧について
考えさせられています。もちろん、この仕事をしている以上、
限られた時間で予習をすることは大事だと感じます。
けれども、一度しかない人生ですので、もっと
心の中の声に耳を傾けて、目の前の生活を味わいたいとも
思い始めているのです。

(「春秋」日本経済新聞2020年6月10日朝刊)
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