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タイのFM番組に出演しました [掲載]

タイのGood Morning ASEANに本日出演いたしました。

今月は「ブルーインパルスの展示飛行」と「暗渠マニア」
というトピックについてレポートしました。

https://ja-jp.facebook.com/GoodMorningASEAN/

33:00あたりからのインタビューです。
お時間がありましたらお聞きいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
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再現性 [日々の暮らし]

先日、日経新聞のスポーツ担当・武智幸徳記者の文章を読んでいたところ、
初めて目にする単語に出会いました。「再現性」ということばです。
記事を読むと、どうやらこれはチームメンバーが攻略ルートなどを
共有し、「テキパキとボールも人も動く姿」からなる
方法のようです(違っていたらごめんなさい)。
おそらく特定のフォーマットを作ることによって、
試合中のそれぞれのシーンで対応することなのかなと想像しています。

ただ、武智記者はこの「再現性」ということばが頻繁に
使われることに抵抗感があるようです。以下、引用です。

「スポーツというライブエンターテインメントの本質は
一回限りの命にある。一度として同じことは起きないから
飽きずにスタジアムに足を運ぶ、中継画面の前に座る。
その不確実性の中で、水際だったプレーを見せる選手に
我々は心からの拍手と喝采を送る。それは繰り返し再現されるものより、
めったに再現されないものを見せてくれたことへの感謝に思える。」

スポーツと通訳の世界は相当かけ離れてはいるのですが、
私はこの文章から、同時通訳における「瞬間」もこれに
かなり近いのではという印象を受けました。

同時通訳の世界というのは、私たちが耳にする文章が
その都度すべて異なります。「毎回同じ文言で挨拶をする」とか
「定型文章を通訳する」という場合以外は、毎回文章は異なります。
音楽のように、昔の作曲家が残した楽譜があるわけでもありません。

たとえば最近の例で言うならば、CNNの放送通訳現場が挙げられます。
要人発言のクリップがニュースで何度も取り上げられるとしましょう。
ニュースはたいてい数時間の間に同じものが繰り返し放送されます。けれども
私の場合、毎回同じ訳文にはならないのですね。語尾が少し
異なっていたり、選ぶことばが変わっていたりという感じです。
なぜそうなるのかはわかりません。心の中で「先ほどの時よりも
もっと洗練された訳文を作りたい」という思いがあるのかもしれません。
あるいはその一方で、同時通訳をしている瞬間に、ふと集中力が
途切れてしまい、苦し紛れで生み出したことばを口にしていることもあり得ます。

サッカーの試合などとは全く違う世界ではあるのですが、
「ライブ」という意味で何となく親近感を抱いています。

(「無観客 明日への一歩」『アナザービュー』武智幸徳
日本経済新聞2020年5月29日金曜日朝刊)
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