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きっかけをくれる紙新聞 [日々の暮らし]

紙版の日経新聞を自宅で定期購読し始めてからずいぶん年月が経ちました。
実家にいたころは両親が「朝日新聞の朝刊+日経新聞の夕刊」を
とっていたのですね。変則的なとり方で。けれどもなぜか
そのスタイルを父と母は気に入っていたようです。

日経新聞は最近、電子版に力を入れています。
購読者数も確か電子版・紙版がほぼ同じはずです。
これだけインターネット社会、スマートフォンの普及があるゆえ、
その流れも自然なのでしょうね。

一方の私はスマホを持っていませんので、今もあらゆることで
紙版を好みます。新聞しかり、地図しかり、時刻表しかりです。

紙新聞では気になる記事を切り抜き、スクラップをすることもあります。
興味を抱いた記事がたまっていくと、「Myスクラップブック」が
出来てきます。私の方法は明治大学・齋藤孝先生がお勧めする
シンプルな方法です。ノートの左に記事を貼り、右側にあらすじと
感想をメモ書きするだけ。自分なりのコメントを書く習慣をつけると、
それが質問力に結び付くのだそうです。確かにツッコミを入れて読むと、
新聞記事と自分との対話になります。楽しい作業です。

一方、ネットの記事の場合は自分がクリックして初めて読むことができます。
対照的に紙新聞の場合、パラパラとめくりながら思いがけない記事と出会えます。
私は理系分野に疎いのですが、偶然目にしたサイエンス記事に
引き込まれることもしばしです。それがきっかけとなり、関連本を借り、
どんどん興味の対象が広がるのが楽しいのですね。

ちなみにそのようにして読んだ本があまりにも楽しくて
著者の方にメールをお送りしたこともあります。その結果、
ご丁寧なお返事をいただき感激することが何度もありました。
わざわざ一読者のために時間を割いて返信してくださる著者の方には
感謝あるのみです。いただいたお返事を読み返すたびに、私も
頑張ろうという気持ちになります。

そのような具合で、一つの新聞記事がきっかけとなり、
「今」の自分に励みとなるような展開が続いてくるのですよね。
幸せなことと思います。
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最後通知 [英語]

先日羽田空港の国際線ターミナルへ行った際、
出発案内のスクリーンを何気なく見ていました。
最近は日本語、英語、中国語、韓国語で表示されます。

数秒ごとに変わるそのスクリーンを見ていると、
目に入ってきたのが「最后通知」。中国語で、
final boardingのことです。

ん?最後通知?

この単語が出てくると、つい「最後通牒→ultimatum」と
頭の中で私は通訳してしまいます。と言いますのも、放送通訳者に
なりたてのころ、このultimatumという単語がわからず、
難儀したからです。

最後通牒というのは外交用語です。平和的な交渉を打ち切り、
相手が要求を受け入れなければこちらは自由な行動をとる
という意味です。通常は24時間ないし48時間の期限を付けます。

ところで最後通牒の「通牒(つうちょう)」に出てくる「牒」は、
「公文書」という意味なのですね。この漢字を分解すると
「片」と「葉」の意味から成り立っています。
片は木という漢字の右側がデフォルメしてできたものです。
こうして最後通牒という言葉になったのですね。興味深いです。

一方のultimatumはラテン語のultimatum(最終の)が語源です。
英語のultimateと同じ語源になります。
「最後通牒を突き付ける」はlay down an ultimatum、
「最後通牒を突き返す」はpush back an ultimatum
と言います。

飛行場の出発案内画面を前に、手持ちの電子辞書で遊んだひとときでした。

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ユニ・チャーム高原豪久社長のことば [仕事]

日経新聞の夕刊に「私のリーダー論」というコラムがあります。
4月26日木曜日はユニ・チャームの高原豪久社長のことばでした。
印象的だった文章を抜粋します。

「私は、人を育てるなんてできないというのが持論です。
育つのは本人なんですから。」

「『普通の教師は教える。良い教師は諭す。最高の教師は心に灯をつける』
と言いますが、リーダーとして大事なのは、2番目と3番目。
つまり『気づかせる』ことじゃないでしょうか」

「重要なのは、社員自身が学びたい、成長したいという意志を持つこと。」

人の上に立つという観点から上記のことばを見ると、
これはリーダーや社長などに限らず、教師にも当てはまるのですよね。
学習者にいかにして「勉強したい」「伸びたい」と思ってもらうか。
それが指導の現場で試されているのだと思います。

(2018年4月26日木曜日夕刊)
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bless you [英語]

くしゃみをすると英語圏ではbless youと言われますよね。
私がこの言葉に初めて遭遇したのは小学校4年生のときでした。
イギリスの現地校でのことです。

最初耳にしたときはbless youとは聞き取れませんでした。
むしろくしゃみの音に近い擬音語だと思ったほどです。
「レッシュー?そういう音で表すのかな」と思いました。

bless youはGod bless youの略です。
くしゃみをすると魂が抜けてしまうため、それを防ぐ意味で
使われているのだそうです。神のご加護を、ということですね。
ちなみにくしゃみ時のフレーズはドイツ語ではGesundheit(健康)、
イタリア語ではSalute(お大事に)と言います。

一方、「はくしょん」の擬音語は英語でatchooです。
atishoo、achoo、ahchoo、atichooなどとも綴ります。
イギリス時代にatishooと言われ、「ん?ティッシュ?」と
聞き取れました。なお、日本語の「はくしょん」は感動詞です。

ところで「あくび」をしたときの声掛けはあるのでしょうか?
色々とネットで探したのですが、今一つ見つかりません。
少なくとも日本ではあくび時に声掛けはしませんが、
もしかしたら他の文化圏では存在するかもしれませんね。

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「世界へ発信!英語術」担当しました [各種連載]

NHKラジオで放送している「世界へ発信!英語術」。
4月25日水曜日の「日中ハイレベル経済対話」の翻訳と解説を
担当しました。

https://www.nhk.or.jp/snsenglish/news/n180425.html

お時間がございましたらご一読いただければ幸いです。
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ペーパータオル [英語]

先日読んだ本の中で、プレゼンテーションに関する記述がありました。
紹介されていたのはTED talkに登壇したJoe Smithさんの
"How to use one paper towel"です。

https://www.youtube.com/watch?v=2FMBSblpcrc

すでに数年前のものですので、ご存知の方もいらっしゃるでしょう。
どのようにしてペーパタオルの無駄遣いをせずに済むか、
4分ほどの簡潔な話でまとめられています。
翻訳版はこちらです:

https://www.ted.com/talks/joe_smith_how_to_use_a_paper_towel/transcript?language=ja

私もこれまで恥ずかしながらペーパータオルを2枚ほど使っていました。
けれどもこの動画を見て以来、Joeさんの方法を真似しています。
ビデオにある通り、本当に1枚だけで手を乾かすことができるのですね。

内容はさることながら、Joeさんの間(ま)の取り方、
聴衆の惹きつけ方、文章の構造など、プレゼンテーションとして
非常に参考になります。プレゼンに関する本を読んでいて
偶然この動画を知りえたのはとてもラッキーでした。

ご覧になっていらっしゃらない方は、ぜひ。

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地名マジック [日々の暮らし]

先日「ノアゼット・プレス」というフリーペーパーを入手しました。
これはフランスで発行されている日本語ミニコミ誌です。
すでに50号まで出ています。

私が手に入れた2018年3月号には興味深いエッセイがありました。
書評を交えた文章だったのですが、その中に地名がもたらす
マジックについて書かれていたのです。

たとえば「パリの〇〇」と書名に入れるだけで、
オシャレ感がアップしますよね。「パリのこの二文字を表紙に
入れるだけで、通常より売れることになるし、
花の都とよく言われるこの都市の特集は、
花が枯れてしまって尚、人の関心を引き続けています」
とそのエッセイストは綴っています。

うーん、確かにそうですよねえ。
たとえば食材も「北海道」なら乳製品、
「高知」ならマグロ、「千葉」ならピーナッツ、
「ニュージーランド」ならキウイという具合に、
地名だけで連想できるものがたくさんあります。

他にも「枕詞プラス地名」で納得できるものもありますよね。
「紳士の国イギリス」「礼儀正しい日本人」
「オシャレなイタリア人」という感じです。
もっとも、こうしたフレーズはマスコミなどが
言い続けてきた感があります。ゆえに
そう思い込んでいる部分が私たちにはあるのではないでしょうか。

ときどき私が頭の中で試すのは、こうした枕詞と地名を
バラバラにしてシャッフルし、入れ替えてみること。
今までのイメージとは異なってきます。結構楽しめます。

(「ノアゼット・プレス」2018年3月号 50号、
ノアゼット東京オフィス発行)
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旧三河島の下水処理施設 [日々の暮らし]

昨日は水道に関することを書きました。今日もその続きです。

御茶ノ水の東京都水道歴史館でいただいたパンフレットの中に、
旧三河島汚水処分場に関するものがありました。
隅田川の中流に位置する旧下水処理施設です。
現在は国が指定する重要文化財となっています。

建物の正式名称は「旧三河島汚水処分場喞筒場(ポンプじょう)」です。
辞書で「喞筒」を引くと「しょくとう」という読み仮名が付いています。
水や空気を送る筒のことです。

初めて見ることばなので、さらに興味がわきました。
そこで漢字辞典を見たところ、次のことがわかりました。

喞(ショク・ソク)
1.なく。すだく。小さい声が集まってうるさいこと。
2.そそぐ。水をつぎ込む。
口へんの右側は「即」で、その音を取っています。

一方、ポンプはオランダ語のpompから来ていますが、
かつては「竜吐水(りゅうどすい)」の意味で「水竜器」と言ったそうです。
英語のpumpの語源はドイツ語のPumpeと同じ。
ヨーロッパ語圏というのは似た単語が多いのですね。

ところで旧三河島の施設は見学可能です。
写真を見ると古い赤レンガの建物が広がっていることがわかります。
運用開始は大正11年(1922年)で、平成11年まで稼働していたそうです。
今の時期は敷地内のつつじが見事に咲いており、つつじ観賞会も
開催されているとのことです。

https://www.city.arakawa.tokyo.jp/kanko/kankojoho/spot/arakawachiiki/mizusaiseisenta.html

http://www.gesui.metro.tokyo.jp/living/tour/guide/s-mikawa/
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コラム更新のお知らせ [各種連載]

「通訳者のひよこたちへ」第351回がアップされました。
タイトルは『「支える」ということ』、書籍紹介では
「中国語通訳トレーニング講座―逐次通訳から同時通訳まで」
(神崎多實子、待場裕子著、東方書店、2016年)

http://www.hicareer.jp/inter/hiyoko/351.html

「放送通訳者直伝!すぐ使える英語表現」
第177回はchicken feedというフレーズです。

http://www.hicareer.jp/english/housou/177.html

どうぞよろしくお願いいたします。
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東京都水道歴史館 [日々の暮らし]

先日、御茶ノ水の近くにある東京都水道歴史館に行きました。
玉川上水や江戸上水、今日の水の仕組みに至るまで、
幅広く学べる施設です。入館料は無料。たいていの博物館は
毎週月曜日に休館ですが、こちらは毎月第4月曜日と年末年始のみが
お休みです。

色々と興味深い展示があったのですが、私が一番惹かれたのは、
近代の水道でした。明治から大正にかけての時期です。

館内のパネル展示には中島鋭治博士が紹介されていました。
中島博士は東京帝国大学で教授を務めていましたが、
欧米に留学中に東京市で水道を建設するということで呼び戻されています。
そしてできたのが淀橋浄水工場などでした。運用が始まったのは1898年、
廃止されたのは1965年です。その跡地にできたのが、新宿副都心です。

当時は中島博士の他にもお雇い外国人が日本の近代水道に尽力
しています。今のように往来が盛んでなかったころ、
わざわざお国から離れて文化もことばも違う日本で暮らした外国人が
いかに苦労したかがしのばれます。あまり歴史の教科書に詳しく出ることは
ありませんが、そのような日本国内外の人々のおかげで
今の私たちの暮らしがあるのですよね。ありがたいことだと思います。

水道歴史館では色々なイベントも行っています。
ご興味のある方はぜひ。

http://www.suidorekishi.jp/index.html
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