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スペイン風邪 [日々の暮らし]

目下、スペイン風邪に興味があり、あれこれと調べています。
今朝はBBC短波放送のWitness Historyという番組で取り上げられた
The "Spanish" fluの回を聞きました。わずか9分でしたが、
証言満載で聴きごたえ大。

https://www.bbc.co.uk/programmes/w3csywyw

その他のウイルス性疾患に関するエピソードも:

https://www.bbc.co.uk/programmes/p086vdwx

日本におけるマスク配布や給付金、現在の感染者数ももちろん気になります。

でも歴史から学べることをもっと吸収したいです。
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旋律から生まれた反省 [仕事]

睡眠不足や疲労などが蓄積すると、私の場合、てきめんに
集中力が落ちます。放送通訳の本番ではそれなりに
アドレナリンが出るので何とか乗り切れます。ただし、
「身体が元気なときであれば、もっと冴えた訳語が出たはず」
「もう少し話者の気持ちになって訳したかった」など、反省は尽きません。

先日のこと。自宅で原稿執筆をしていました。
十分に寝た後でしたので、はかどるはずでした。けれども
なぜかその日は気合が入らなかったのです。そこで
「元気が出る音楽」、特に私の場合はジムのレッスンで聴く曲を
動画サイトで探し出し、それを聞きながら書き続けようとしました。

しかしその日はスイッチが入りませんでした。
いつもであれば短時間で終わる原稿がなかなか完成しなかったのです。

普段なら十分リチャージできる音楽なのに、エンジンがかからない。
さあ、どうしよう?

そこで思い出したのが、BBCニュースのカウントダウン音楽でした。
BBCにはBBCワールドや国内向けチャンネル、24時間ニュースチャンネル、
さらに地方局もあります。いずれも基本のメロディは同じなのですが、
少しずつそれぞれにバリエーションがついています。

動画サイトを探したところ、ありました。

BBCでかつて働いていたころ、毎日耳にしていた懐かしのメロディです。
旋律自体は短調なのですが、暗すぎず、それでいて
緊張感の漂う曲です。プロのミュージシャンが手掛けたもので、
今やこのメロディを聞けば、BBCであることがわかるぐらい
認知されています。

こうして探し出したBBCイントロ音楽。1時間以上に引き延ばして
いる動画がありましたので、そちらを再生し、再び原稿執筆に
戻りました。

そのとき、なぜか私は涙が出そうになったのです。

単にBBCで勤務していた時代が懐かしかったから、というだけではありません。

現在、世界は新型コロナウイルスが深刻な様相を呈しています。
今この瞬間もBBCの記者やスタッフたちは総力を挙げて
公正中立な報道をすべく尽力しているのです。
まさに命がけです。

98年に私がBBCで働き始めたころは、ユーゴ紛争のまっ最中でした。
新しい職場でまだ右も左もわからなかった私も、いきなり
紛争関連ニュースの同時通訳に投入されました。

現地から送られる映像はどれも悲惨です。戦争のむごさ、
人間のおろかさが映し出されています。BBCの記者たちは、自らの命が
いつ狙われるかさえわからない中、こうして視聴者のために
レポートを届けているのです。このことに私は強烈な衝撃を受けました。
まだデビュー当時ではありましたが、「記者が命がけで作った
レポートを何としても通訳する」と私は感じたのでした。

あれから20年。
BBCニュースのイントロ音楽を久しぶりに耳にした私は、
あのときの自分の気持ちを思い出したのです。

そして猛省しました。

コロナが大流行しているとはいえ、それでも私は在宅でできる
原稿執筆という仕事に恵まれている。
世の中には、感染リスクのある中、今日も職場へ電車で
通っている人たちがいる。
医療の最前線で、コロナの治療に当たっている人たちがいる。

なのに私は何を甘えたことを言っているのだろう?

自分の仕事というのは、「世界のどこかを支えている」はずです。
そう信じて、気持ちを入れ替えて、原稿を書こう。

ヘッドホンから流れる曲を聴きながら、強く感じたのでした。
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