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雨の日 [日々の暮らし]

BBCの放送通訳者になったとき、上司から言われたことがあります。
それは天気予報の通訳に関してでした。
英語でたとえfine weatherと言っていたとしても、
「良い天気」と訳さないように、というのです。
「良い、悪い」というのは主観的な言葉です。
通訳者としてそこでそのような言葉を使ってしまうと、
「晴れ=良い」「雨=悪い」という印象を与えてしまいます。
ゆえにfine weatherは単純に「晴天」と訳せばよいのだと
知ったのでした。

とはいえ、朝目が覚めてカーテンを開けるや、外が
曇っていたり早朝から激しい雨、となると気分が滅入る
というのもわかります。「これでは電車が遅れるかも」
「ストッキングに泥ハネが付いてしまう(←私です)」など、
ついついネガティブなことが思いついてしまうからです。
ただでさえ荷物が多い仕事であるのに、さらに傘を
持たねばならないというのも、何となく億劫です。
激しい雨であれば折り畳み傘より長傘の方がベターなのですが、
帰宅時に晴れ上がったとなれば、長傘はかえって荷物です。

ゆえに「雨」というのは何となく敬遠されるのでしょうね。

けれども最近私は雨が好きになりました。

まずは「雨音」。あの音は雨のとき以外、作り出すことは
できません。自然の生み出す音です。
地面に跳ね返る雨粒の音、屋根の上に落ちる音などは、
そのときしか聴くことができないのですよね。

通訳や授業の準備を抱えている日に雨だと、さらに私は
嬉しくなります。と言いますのも、晴天の日に自宅に
引きこもってひたすら準備をしていると、「こんなに
晴れているのに一歩もまだ外に出てない!」と焦るからです。
春や秋、お花の美しい季節に「玄関の扉すら開けずに
夕方になってしまった」というのは私の場合、結構
「損しちゃった」気分になります。

けれども雨天日であれば、「これぞ予習デー!正々堂々と
勉強できる」と気分が上がるのです(変?)。

そう言えば子どもたちが小さいころに読み聞かせた絵本の中で、
雨の日は親子でケーキを作るという描写がありました。
雨だからこそ楽しめることがあると思います。
雨だからこそ勉強や読書が私にとっては一番楽しい過ごし方になっています。
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