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fire [英語]

出講先の大学図書館には世界の主要新聞や雑誌が配架されています。
デジタル全盛の時代ですが、紙版の洋雑誌や英語新聞などを
めくると、現地の生活がそのまま伝わってきます。
たとえばイギリスのTHE TIMESをめくると、スーパーやデパート、
旅行会社の広告などが並びます。「今、イギリスはこれが
はやっているのかな」と想像しながら読むのは楽しいものです。

私は英語以外の言語はほとんどわかりませんが、それでも
フランスやドイツの雑誌をめくると、写真から何となく想像は
できます。以前、ドイツの女性向け雑誌を眺めていたところ、
編み物の記事が出ていたのは興味深かったですね。
ファストファッションに代表されるようなお手頃価格で
いつでも購入できるような時代に、あえて手作りというのが
斬新でした。

最近のお気に入り雑誌はTHE NEW YORKERです。
これは老舗の定期刊行物で、1925年創刊です。
日本ではその2年前の1923年に関東大震災がありました。
昭和の始まりは1926年です。

「ニューヨーカー」の2018年7月23日号を読んでいたところ、
ある広告が目に留まりました。そこには"END FAMILY FIRE"と
あります。写真に写っているのは小学校高学年と思しき男の子。
薄暗い物置かガレージのようなところにたたずんでいます。
family fireとありましたので、「なるほどね、住宅火災は
どの国でも深刻よね」と私は思いました。しかも写真の下には
"8 kids a day are accidentally killed or injured by
FAMILY FIRE"とあります。

ところが、さらに読み進めたところ、これは火災ではないことに
気づかされました。

"FAMILY FIRE is a shooting involving an improperly
stored gun, often found in the home."とあるのです。
fireとは「火事」ではなく、「銃」のことだったのですね。

アメリカでは銃を持つ自由が憲法でうたわれています。
銃乱射事件などが多発する一方、銃を強制的に押収という
状況にはなっていません。なぜならアメリカの憲法では、
銃を持つ権利を冒してはならない、とあるからです。

この広告は、銃による事故を防ぐためにも、
正しく保管することを啓蒙するものです。

多くのことを考えさせられるものでした。
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