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生き物のチカラ(その①) [日々の暮らし]

小学2年のときにオランダのアムステルダムに引っ越しました。
時期は9月。日本の地元小学校で1学期を終えて
夏のラジオ体操にはしっかり参加。9月に入ってすぐに母と二人で
飛行機に乗り、アムスへ向かいました。父はすでに
半年前から現地で単身赴任をしていたのです。

初めて手にするパスポート。初めて乗る飛行機。
今のように海外旅行がメインでない時代でしたので、
オランダ行きの日航機はガラガラでした。
乗客よりも乗員数の方が多かったですね。

オランダは埋め立て地からなる国で、どこを見渡しても
まっ平です。日本はまだ残暑の厳しい日々でしたが、
一方のオランダはと言えば、レンブラントの絵に出てくるような、暗い雲が
空を埋め尽くしていました。そのような場所で新生活が
始まったのですね。

父は仕事で激務。母は異国の地で慣れない生活が続き、
体調を崩してしまいました。私は幸いなことに、
日本人の多いインターナショナル・スクールに編入しましたので、
日本の小学校の延長のような日々でした。
アメリカ人の先生から"No Japanese!”と
頻繁に言われては、「日本語禁止」が言い渡されて
いましたね(児童というのは、1秒するとすぐお約束を
破るものでしたが)。

日中や放課後はそれでも友達がいましたので
楽しく過ごしていたのですが、やはり自宅は私にとって
弱冠さみしいものでした。母が寝込んでいることが多く、
7歳の私にとっては、何となく気持ちも上がらなかったのです。

そのような日々を送る中、日本人の友人宅で生まれて初めて
ハムスターなる小動物を見ました。愛くるしいネズミちゃんの
ような生き物に私はすっかり魅了されたのです。

兄妹がいない私にとって、ペットは私の妹や弟になってくれる。

そう考えた私は両親に飼いたいと頼みました。
そして「自分で面倒を見ること」を条件に、晴れて
ハムスターがやってきたのでした。

(明日に続く)
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