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「好きなこと」をどうする? [日々の暮らし]

過日ご紹介した東京メトロのフリーペーパー「メトロポリターナ」。
私が欠かさず読んでいるのが元新橋芸者・
千代里さんのコラムです。現在はエッセイストとして活躍
される千代里さんが生き方指南をして下さる文章は、
読み手に多くのパワーを与えてくれます。

今月のタイトルは「『好きなこと』にたちはだかる壁」。

人は誰もが「好きなこと」を持っているにも関わらず、
つい他人の目が気になったり、何となく恥ずかしくて
その「好き」という感情を封じ込めてしまうのですよね。

千代里さんは次のように述べています:

「『好きなのにあきらめたこと』を見てつらくなる、
好きなことを極めた人と自分の差に落ち込む」

なるほどなあと思いました。特に「極めた人と自分の差」
については自分が一番よくわかっています。
本当は自分もやりたかったのに、出来なかった
という思いは、自分にとっても辛いものであり、
不甲斐なくなってしまいます。

さらに、「極めた人」がきらきらと輝いて見えて、
自分の遅れが痛感されてしまう。
自分の行動の無さに悲しくなってしまうのですよね。

千代里さんはさらに続けます:

「自分が何が好きなのか考えることさえ
自分に許していないこともあって、ほかの人が
『私はこれが好き』と言うのを聞くこと自体がしんどい」

自分の身近な人が、意を決して「私はこれが好き。
だからこの道に進む」と断言すればするほど、
「自分を許していない人」にとっては焦りの原因と
なるのでしょう。そのようなとき、焦っている当人は
つい、前進しつつある人に悪気はないにしても
「それは止めた方が良いよ」「世間一般ではそうじゃないと思う」など、
相手を傷つける言葉を言ったりしてしまうのですよね。

千代里さんは解決策として、

「もう一度、『好きなことと縁を結び直す』」

ということを提案しています。

ささやかでも良い、出来る範囲で構わないから、
少しずつ縁を結ぶ大切さを唱えています。

「自分を苦しめてしまう」のは案外他でもない「自分」なのかも
しれません。であればなおのこと、自分を許すことが
次の一歩につながるのでしょうね。

(「お多福美人講座」『メトロポリターナ』2020年9月号 Vol.211
産経新聞社発行)
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