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揺り戻しは必ずある [日々の暮らし]

何か新しいことをしようと決意を抱いた時というのは、
ワクワクしますよね。未知のことへの不安がある一方、
それを追いかけていけば、自分の人生が開けるかも
しれない、という期待があります。
自分で自分の人生を切り開き、自分の気持ちに
正直に生きていく、というのは、大変なことも
あるでしょうけれども、その先には大きな希望の光が
あります。

私がフリーランスの通訳者になったときというのが、
まさにそのような感じでした。

大好きな英語の仕事に携わりたい。

自分の好奇心を満たして、それを何らかの形で
世の中のお役に立つことをしたい。

そんな気持ちでいっぱいでした。

ただ、私がデビューした当時というのは、まだ
「不安定なフリーの仕事なんて」という雰囲気も
ありました。しかも当時は今の日本とは異なり、
まだ日本の経済も安定していたのです。
正社員になって働くというのが良しとされていました。

よって、私がフリーで働くと宣言したとき、
反応はいろいろとありました。

まず、私をよく知る友人は、

「そっかー、早苗ちゃん、決断したんだね、
頑張ってね!大変だと思うけど、大丈夫だよ、うん」と
無条件でエールを送ってくれました。
友人の場合は、良い意味でも悪い意味でも
私の人生の全責任を負うわけではありませんので、
客観的に「頑張ってね!」と言うことができるのですよね。
でも、私にしてみれば、この絶妙な距離感で
応援してもらえたのはありがたかったです。

一方、別の反応もありました。

「ええっ?安定した正社員になるんじゃなくて、
そんな不安定な職種を選ぶの?大丈夫?
せっかくフルタイムの仕事もあるご時世なのに、
それで良いの?年金とか保険とか福利厚生とか、
フリーだと無いんでしょ?」

と、こんな具合。

真顔でこういう風に言われ、正直、不安には
なりました。「うーん、確かに言われた通りかも。
いつまでも元気で仕事ができるとは限らないしね。
病気になったら大変だし・・・。やっぱり
フリーは無謀かなあ」と思ってしまったのですね。

でも、冷静になって結論は出ました。

それは「通訳者としてフリーベースで仕事を
していくのが、自分の性格に一番合っている。
自分が幸せに思っていれば、それが良い仕事ぶりに
つながるのだし、それがお客様のためになる」
という考えでした。

あの時のあのように言われてしまった、というのは、私にとっての
「揺り戻し」でした。自分の気持ちが固まっては
いたのですが、再度、不安な気持ちにさせられた、
すなわち、揺り戻されてしまったのですよね。

後になって振り返ってみると、あの発言をした方自身、
あの当時、幸せな状況下ではありませんでした。
それゆえに「身近な存在である早苗ちゃんが新たな
人生を目指して歩みだそうとしていること」が、
受け入れられなかったのでしょう。
極端な言い方をすれば、「早苗ちゃんだけ先に
幸せになろうと歩き出して、ズルイ」という思いが
あったのかもしれません。

「揺り戻し」というのは、意外なところから、
意外な人が自分に向けておこなってくることが
あります。身近な人が揺り戻しをしてくれば、
なおのこと、自分自身の心がかき乱されることでしょう。

でも、自分の人生は自分次第。

自分が決めて、自分で全責任を負うわけですし、
その自分の決意が幸せにつながれば、
その幸せを今度は自分が他者に分かち合うことができます。

私はそういう人生を選びたいと思っています。
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