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リテンション [日々の暮らし]

通訳能力として求められるものの一つにリテンションがあります。
これは記憶保持のことです。通訳業の場合、聞いた内容を
頭の中で維持しつつ、それを目的言語に直さねばなりません。
よってリテンション力を鍛えることは業務上必須と言えます。

世の中には「一度聞いただけで強烈に記憶できる」という
タイプの方がいます。数字を何年経っても忘れない、
人の名前と顔を一度で覚える、という具合です。
以前の教え子で、長い英文を一回聞いただけで
詳細まで頭の中にリテンションすることができ、
正確に訳出する方がいました。本当に素晴らしいと思います。

一方の私はと言いますと、記憶力にはあまり自信がありません。
教壇に立つ仕事をしているというのに、教え子の
名前と顔がなかなか一致せず、毎学期、あれこれ工夫をしつつ
現在にいたっています。

教員デビューをしたころなど、それこそヒドイ状況だったのですが、
自分なりに試行錯誤をしてきた結果、昔ほどの
苦手意識はなくなってきました。

特に私にとって効果的なのが、学期初めに行う
アイスブレーカー活動です。私のクラスでは自己紹介を
していただいています。その時に出た小話などを
頭の中に焼き付けるようにしているのです。また、
聞いたことはなるべく細かくメモしています。

本来であればメモなどしなくても記憶できることが理想です。
けれども人間の記憶力・リテンション能力には
限界があります。よって、無理せずこまめにメモするのが
私にとっては最善策のようです。

ちなみに先日のこと。犬の散歩中の知人と街中でばったり
会いました。わんちゃんの名前を聞いたのですが、そのままでは
忘れてしまいそうです。こうした日常生活も訓練の場と思い、
「へえ、マックスちゃんって言うんだ。かわいいねえ」
「じゃね、マックスちゃん、バイバイ!」
という具合で連呼してみました。

この日はすぐにメモを取れなかったため、次は
ひたすら「連想ゲーム」。
「マックス→CNNに出てくるキャスターのマックス・フォスター」
という感じで、組み合わせて記憶するようにしました。

苦肉の策になったり、こじつけの覚え方になったりと
いうことも、ここはご愛嬌。自分が覚えやすい方法で
記憶するのが一番です。
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