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槇原敬之さんのことば [日々の暮らし]

日常生活を送る中で、ふと何かを思い出すことがあります。
たとえば歌の一節であったり、昔見た絵画であったりという具合です。
先日思い起こしたのは、「どんなときも。」という歌。
90年代にヒットしたメロディで、歌っているのは槇原敬之さんです。

槇原さんは90年代終わりに薬物関連事件で逮捕されたことがあります。
大スターであった最中でしたので、マスコミによるバッシングも
激しいものでした。保釈こそされたものの、金銭トラブルにも
見舞われ、絶望的な状況に置かれました。

槇原さんのインタビューが「逆風満帆」という本に
掲載されています。

辛い最中、槇原さんに心を寄せたのが、音楽家の
矢野顕子さんでした。ニューヨークからわざわざ
手紙を送ってきたのだそうです。その文面には
槇原さんを思いやることばが綴られていました。
そのことを槇原さんはこう述懐しています。

「思っていれば、血がつながっていなくても心が通じるんだ、
と教えてくれたのが矢野さんでした。貴いものは、
時空を超えてやって来て、僕がしなくちゃいけないことを
するように導いてくれる」

これを機に槇原さんは創作活動を再開し、SMAPの
あの大ヒット曲「世界に一つだけの花」を生み出したのでした。

「一生懸命生きていれば、音楽じゃないことをやっていても
生きていけるという確信が持てるようになった。
自分のことが一番じゃなくて、人のことが一番だって
生きている人は、誰も悪いようにはしない。
人が悪いようにしても神様が放っておかないよ、という
心の強さを得て、本当に楽になりましたね」

このようにも述べています。

辛くてもあきらめない。
反省すべき点は徹底的に省みる。

人の一言がきっかけで、人生は大いに変わるのだと
気付かされた文章でした。

(「逆風満帆」朝日新聞be編集部編、明治書院、2006年)
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