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作家・精神科医 帚木蓬生さんのことば [日々の暮らし]

日経新聞夕刊の2ページ目でお気に入りのセクションがあります。
「ニュースなこの日」というコラムです。
その日の新聞発行日と同時期の過去にどのような出来事が
あったのかを振り返る内容です。10月29日夕刊の
本稿では「鈴鹿でF1初開催 日本中でブームに」という
タイトルが出ていました。日本でF1が初めて開かれたのは
1987年10月30日だったのですね。まさにバブル真っ盛りの時代です。

さて、今日ご紹介するのは、このコラムの左隣に
掲載されていた「人間発見」というインタビュー記事です。
こちらは1週間かけて、各界で活躍している方を
取り上げています。10月最終週は作家で精神科医の
帚木蓬生(ははきぎほうせい)さんです。帚木さんは
医療小説や歴史小説の作家としても著名です。

現在71歳の帚木さんは、メンタルクリニックの開業医として
平日は診察にあたりつつ、作家活動をされています。
執筆時間は午前4時から6時まで。毎日原稿用紙4枚を書く
というノルマを課しておられるそうです。また、執筆用の
リサーチは週末に行っているとも書かれていました。

インタビューの中で印象的だったのは、次の文章でした。

「自分しか書かない、自分にしか書けないものを」

帚木さんはこう思いながら執筆を続けておられるそうです。

この言葉の重みを私は改めて感じました。
と言いますのも、せっかくこの世に生まれたのである以上、
自分にしかできない仕事というものを探し求め、
それに取り組み、社会のために尽くすことが
生きがいになるのでは、と私は信じているからです。

自分と同じ仕事をする人はもちろん存在します。
自分よりも上手にできる人も然りです。

けれども、「自分にしかできないことがきっとあるはず」と
気持ちを強くし、そのために自己研鑽し続けることが
自分の原動力になるのではないか。

そのように私は考えています。

(「書き続け、診続ける」① 作家・精神科医 帚木蓬生さん
『人間発見』日本経済新聞2018年10月29日月曜日夕刊)
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