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想像力、どう使う? [日々の暮らし]


気が付けば今年も残り40日ほどとなりました。
コロナで開けてコロナで暮れる一年でした。
大変な思いをされた方、心理的に辛い日々を過ごされた方など、
本当に誰もが色々と感じるところの多い12か月だったことでしょう。
私自身、今年は例年以上にさまざまなことを考えた年でした。
コロナがなければ、きっとここまで自分の人生と
自分の深層心理に向き合うことはなかったと思います。

先日読んだ曹洞宗建功寺住職・枡野俊明さんのことばが
とても印象的でした:

「変化は人に戸惑いや不安をもたらします。」

そうなのですよね。今まで普通に通勤・通学をして
職場へ行き、一日を過ごす。余暇では美術館や
コンサート、運動を楽しむ。そういったことがすべて
制限のかかった状態になってしまったのです。
それが人々の心に迷いをもたらすのは大いに頷けます。

ではそうしたもやもやした気持ちになったとき、
どうすべきでしょうか?枡野氏は次のように述べています:

「禅では『即今、当処、自己』という言い方をします。
たった今、自分がいる場所で、自分ができることを
精一杯やっていくことが大切だという意味です。
過去にとらわれたり、未来に頓着したりするから、
今がおろそかになるのです。」

人間というのは、「今、この瞬間」に息をして
生きています。私の場合であれば、呼吸をしながら
キーボードにこの文章を打ち込んでいるのが「今」
ということになります。

それなのに、過去のことをあれこれ考えたり悔やんだり、
はたまたまだ起きてもいない未来について空想しては
胸が締め付けられたりしてしまうことがあります。
そんな時の自分の呼吸は浅かったり、また、私の場合は
どうも呼吸自体を止めてしまっていたりするのですよね。

これでは体に良いはずがありません。

「人は乗り越えられる試練しか与えられないものだと
思います。」と締めくくる枡野さん。

今が辛くなるのは、ひとえに「自分の頭の中の
想像力」だと私は感じています。せっかくの想像力です。
もっと幸せなイマジネーションに使いたいですよね。

(「人間発見」 日本経済新聞2020年11月16日月曜日夕刊)
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