SSブログ

アンケートと熟年離婚 [日々の暮らし]

デパートやスーパーなどの入り口付近には「お客様アンケート」が
設置されていることがあります。お店によっては、
そうした意見に店長が一つ一つ回答し、それが
掲示されており、私はときどきそうしたコメントを見ることがあります。

中には建設的な意見もあり、なるほど、このようにして
お店というのはどんどん良くなっていくのだろうなと
思わせるものもあります。消費者と店舗がいわば
協力して、より魅力的なお店にしていくのですよね。
素晴らしいことだと思います。

けれどもその一方で、どう見てもお客様の方に
無理があるなあという意見もあります。
その人個人の嗜好に過ぎなかったり、単に虫の居所が
悪くて怒り任せにストレス発散をアンケート用紙にぶつけていた
と思しきものも見られます。匿名である分、
余計ことばが乱暴になっているようにも見受けられます。

店頭アンケートだけでなく、ネット上のコメントも同様です。
書籍の口コミを見てみると、大絶賛の意見がある反面、
どう考えてもその著者に個人的な恨みがあるとしか
思えないようなきつい文言が掲載されていることも
あります。こちらもやはり匿名あるいはハンドルネームですので、
そうなってしまうのでしょう。

私は職業柄、首や肩のコリがひどいため、ときどき
マッサージ店へ行きます。リラクゼーションサロン
なども今は口コミサイトがありますよね。そうしたものを
見ていると複雑な気持ちになります。と言いますのも、

「スタッフがずっと話しかけてきて嫌だった。
本当は静かにしていたかったのに」

「BGMがうるさかった」

「部屋が寒かった」

などのコメントが書かれていることがあるからです。

おそらく書いた本人にしてみれば、「私は内心こう思っている。
だから察してほしい。察したらしかるべきアクションをとって
ほしい」ということなのかもしれません。あるいは
「せめて私の意向がどうか、確認してほしい」ということも
あり得ます。

けれども私から見れば、こうした小さな不満は、
「その場で」「その人に直接」「即座に」言うことこそが
最大の解決法だと思うのですね。後でコメントとして
文字にするときつい印象だけが文字面からは
醸し出されてしまいます。けれどもその場で言うのであれば、
相手もいることですので、ちょっと気配りさえすれば
角が立たずに伝えられると思うのです。

「今日は静かに施術を受けたいので、よろしいですか?」

「眠りたいのでBGMの音量を少し下げていただくことはできますか?」

「少し寒いのでもう一枚タオルをかけていただけますか?」

このような具合です。

こうした一手間を惜しむ一方で、後になってから
コメントだけが口コミサイトに書かれたとしても、
もはや時すでに遅しだと思うのです。

当の本人(この場合はお店)は何も気づかず、いきなり後で言われるというのは、
まるで不満をずっと隠しておきながら、いきなり
離婚を切り出す熟年離婚の光景のようにさえ思えます。
コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。