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テキスト発売のお知らせ [各種連載]

翻訳と解説に携わっております「NHKニュースで英会話」、
最新号(2017年10月号)が発売されました。
お時間がありましたらご覧いただければ幸いです。
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解釈の違い [英語]

ここ数週間、ラフマニノフの交響曲第2番をよく聞いています。
この曲に初めて触れたのはロンドンで留学していたころ。
修士試験も終わり、論文も提出し終えて一息ついていた時でした。
「これで大手を振って休みを満喫できる!」と思い、
ロンドンのオックスフォード・ストリートから少し北にそれたところにある
CDショップへ出かけたのでした。

店内で流れていた美しいメロディに聞き惚れていると、
視界の片隅にNOW PLAYINGのプレートが見えました。
カウンターの上にそのCDが置いてあったのです。
近づいて見たところ、曲名はラフマニノフの交響曲第2番。
演奏はBBCウェールズ・ナショナル管弦楽団、
指揮は尾高忠明さんでした。

私は指揮者のマリス・ヤンソンスさんが大好きで、
ラフマニノフの2番も持っています。最近はこのCDを
メインに聞いているのですが、ふと、他の指揮者の解釈も
気になり、早速You Tubeで探してみました。

検索すると、実にたくさんアップされていましたね。
オーケストラも様々、指揮者名も色々と出てきます。
聞いてみると、同じ曲なのにまったく異なる印象を
受けることもわかりました。私はヤンソンスの速度に
慣れていた分、他の指揮者ではのんびり過ぎるという
印象を抱いたものもありましたし、楽器の強弱も
異なります。「わ~、ここでティンパニの音がこれほど
鳴るとは!」という発見もあったのです。

曲の解釈というのは、もちろんスコア通りの
演奏こそするものの、指揮者によって誤差は
出てくるのですよね。これは通訳や翻訳も同様です。
音楽であれば、作曲家が伝えたいことを最大限くみ取るのが
指揮者であり、オーケストラでしょう。
通訳者も、話者のメッセージを把握して、最大限、
目的言語に置き換えるのがその使命ということになります。

通訳者によって訳語に微妙な差が現れるのと同様、
音楽の解釈もしかりなのだと改めて感じたのでした。
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