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資生堂CEO・魚谷雅彦氏のことば [日々の暮らし]


日経新聞の夕刊に出ている「あすへの話題」。
毎週月曜日は資生堂社長兼CEOの魚谷雅彦氏です。
以前私はニュースで魚谷氏を拝見したことがあるのですが、
とてもハキハキと朗らかな方であられたのが印象的でした。

魚谷氏は同志社大学文学部を卒業後、消費財メーカー、
飲料メーカーなどを経て2014年に資生堂の社長に
就任されています。華やかな経歴に見えますが、
たくさんの失敗をなさったと10月26日のコラムでは
綴っておられました。

「失敗」というのは、「失う」「敗れる」とあり、
気が滅入るような漢字が並びますよね。私自身も
色々とこれまで失敗をしてきました。

失敗というのは、そのさなかにいるときが一番大変です。
なぜなら先が見えない思いにかられるからです。

「このまま改善しなかったらどうしよう?」
「私はずっとこんな状況下で生きていくのかしら?」

と悲観的になります。

ただ、人生というのは面白いもので、その出来事から
時間がたてばたつほど、「まあ、そういう失敗もあったなあ」と
振り返ることができます。「時が解決する」わけです。

通訳という仕事は、たった今述べた単語をもはや
過去のものにして、次に聞こえてくる単語を訳すことを
繰り返します。つまり、数秒前のことはあっという間に
過去になってしまうのですね。訳出できなかったと
悔やんでいては目の前の単語が訳せなくなります。
気持ちを集中させて、「今」に向き合うのみなのです。

この作業を長年続けてきたお陰なのかもしれません。私の場合、
過去の失敗や辛いことを時の流れと共に
風化させられる体質になっていったように思います。
たとえ誰かとの関わりで大変な思いをしたとしても、
「許して忘れる」という感覚です。過去にとらわれていても
前に進めない、という思いがあります。

魚谷氏は次のように述べています。

「一度しかない人生。『失敗・挫折』も
気の持ちようで良い機会に変わる。
まさに『道は開ける』だ。」

過去を思い返したり、未来を思い煩うことは
「執着」に自分を明け渡しているように思います。
魚谷氏の述べるように、失敗や挫折を恐れずに
生きていきたいと感じています。

(日本経済新聞夕刊2020年10月26日月曜日)
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