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「新書まつり」 [仕事]

過去数年間、私は指導している場において「新書まつり」
という活動を取り入れてきました。これは明治大学の
齋藤孝先生の指導法からヒントを得たものです。

内容は、毎週1回、学生たちに本を読んできてもらい、
それについて授業で30秒間の日本語スピーチを
させる、というもの。「新書」とあるのは、
講談社現代新書や岩波新書などの「学生にとって
読みやすい分量の本を読んでもらう」という狙いがあるためです。

この活動を取り入れた当初は新書に限定していたのですが、
近年は種類は問わず、マンガでも写真集でも絵本でもOKに
しています。また、リアル本でも電子書籍でも可、ということにしました。

授業後は私に数百字のレポートに内容をまとめて
提出してもらい、この活動は終了です。

このアクティビティで私が学生たちに伝えて
いることがあります。それは、

1.すべて大真面目に読まなくて良い。むしろ、
ざっと読み流すことを自分に許してほしい。
そうすることで「読書」に対するハードルを下げてほしい

2.つまらない本であればそれはそれで構わない。
30秒スピーチで、どこが退屈だったかを伝えるのでも良い

3.この活動を機にどんどん本を読んでほしい。
グループ内の他学生の興味分野にも関心を抱いてほしい

この3点です。

こうして数年、この活動を続けてきたのですが、
実は私にとっての最大の愉しみというのは、
学生たちが提出してくれる読書レポートなのですね。

どの学生も若い感性で自分の取り上げた本について
綴ってくれるのです。瑞々しい文章で実に読みごたえがあり、
これをチェックしてフィードバックする作業は私にとり、
本当に幸せなひとときです。しかも最近は学生たちが
締切より大幅前倒しで提出してくれるようになり、
嬉しい限りです。

おそらく私が大学で教えていなければ、こうして若い人たちの
観点を知ることはできなかったでしょう。
ですので、学生たちには本当に感謝しています。

ちなみに私が担当するのは通訳やメディア英語の授業です。
新書まつりはあくまでもウォームアップの活動なのですが、
「他学生の関心分野からヒントを得るのも
知識や教養を広める上で大事であり、それは通訳をする上でも
非常にためになること」と私はとらえています。

この活動はこれからも続けるつもりです。
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