バーから人生訓 [日々の暮らし]
先日図書館で「バーテンダーの流儀」という本を借りました。
著者は城アラキさん、集英社新書、2020年発行です。
その中で興味深い文章がいくつかありましたので
ご紹介しますね。いずれもバーにまつわることなのですが、
立派な人生訓として私は受け止めました。
*「ユーモアとは、『にもかかわらず』笑うこと」(p52)
→これは死生学の研究家アルフォンス・デーケン先生の
ことばです。デーケン先生はドイツの出身で、
人と死について研究しておられる一方、ユーモアたっぷりの
先生でした。私は大学卒業後、デーケン先生の講座を
聴講したことがあります。シリアスな話題なのに、
クラスはいつも笑いであふれていたことを思い出しました。
著者の城さんは、たとえ気に入らないバーに入ったとしても、
「にもかかわらず笑う」ことが「人生を豊かに生きるための心がけ」
と記しています。なるほど~。辛いことがあっても、
「にもかかわらず」笑い飛ばした方が、気持ちも楽になりそうですよね。
*サービス業において「でも」「しかし」「だって」はNG。
なぜなら「言い訳とは常に過去に対する弁明だからだ。
サービス業に求められているのは、トラブルの原因=過去を
探ることではなく、まず、今現在の客の怒りに対処すること」(p112)
→自分が悩みの渦中にいると、自分の心の中で
あーでもない、こーでもないと私などつい考えてしまいます。
Aという考えが出るかと思いきや、すぐに「でもBという考えもあるし・・・」と
逆接で否定してしまうのですね。
でもこれは「過去への弁明」に過ぎないのですよね。
自分の今の怒りや不満・悲しみを直視したら、
あとは次に何をすべきか、じっくり考えた方が生産的だと改めて
感じました。
*「叱る」の「叱」にある「七」は「切」の原字。
鋭い刃でさっと切ることなのだそうです。これに「口」を
付けると「叱」の字になります。叱り方について城氏は、
「切るかのように端的に短く素早く注意すること(中略)
感情抜きに叱るには、失敗の理由を論理的に核心をついて
説明できねばならぬ」(p113)
→「叱る」というのは本当に難しいと私は思います。
感情的になるのはみっともないですし、その一方で、
冷ややかに、でも長々と叱っているのでは、叱られる側も
うんざりしてしまいます。要はget to the pointを
素早くして本人に気づいてもらい、成長してもらうことなのですよね。
*「優秀な人間、挫折を経験していない者は、自分の考えに
固執して、時に身動きが取れなくなる。(中略)
優秀だから頭では分かる。でも心が納得しない。
現実を受け入れられない。だから駄々っ子のように
グズグズとその場で足踏みをして、傷をますます深くする。」(p176)
→城氏は会社に入る新人についてこのように記しています。
単に優秀さだけで入社し、正論で上司を論破しても
それは聞き入れられない、という文脈で出てきた一文です。
挫折というのは本人にとっては辛いものですがl、
挫折ゼロのまま来てしまった場合、周囲を考えずに
正論オンリーで通してしまいがち、とありました。
*「恩送り」(p196)
→上司から可愛がってもらったら、今度は自分が部下を
可愛がる番です。そう言えば先日の「半沢直樹」でも
「恩返し」という語が出てきましたよね。
***
バーに関する一冊でしたが、色々と考えさせられる文章に
出会えてよかったです。何事も共通する部分があるのですよね。
著者は城アラキさん、集英社新書、2020年発行です。
その中で興味深い文章がいくつかありましたので
ご紹介しますね。いずれもバーにまつわることなのですが、
立派な人生訓として私は受け止めました。
*「ユーモアとは、『にもかかわらず』笑うこと」(p52)
→これは死生学の研究家アルフォンス・デーケン先生の
ことばです。デーケン先生はドイツの出身で、
人と死について研究しておられる一方、ユーモアたっぷりの
先生でした。私は大学卒業後、デーケン先生の講座を
聴講したことがあります。シリアスな話題なのに、
クラスはいつも笑いであふれていたことを思い出しました。
著者の城さんは、たとえ気に入らないバーに入ったとしても、
「にもかかわらず笑う」ことが「人生を豊かに生きるための心がけ」
と記しています。なるほど~。辛いことがあっても、
「にもかかわらず」笑い飛ばした方が、気持ちも楽になりそうですよね。
*サービス業において「でも」「しかし」「だって」はNG。
なぜなら「言い訳とは常に過去に対する弁明だからだ。
サービス業に求められているのは、トラブルの原因=過去を
探ることではなく、まず、今現在の客の怒りに対処すること」(p112)
→自分が悩みの渦中にいると、自分の心の中で
あーでもない、こーでもないと私などつい考えてしまいます。
Aという考えが出るかと思いきや、すぐに「でもBという考えもあるし・・・」と
逆接で否定してしまうのですね。
でもこれは「過去への弁明」に過ぎないのですよね。
自分の今の怒りや不満・悲しみを直視したら、
あとは次に何をすべきか、じっくり考えた方が生産的だと改めて
感じました。
*「叱る」の「叱」にある「七」は「切」の原字。
鋭い刃でさっと切ることなのだそうです。これに「口」を
付けると「叱」の字になります。叱り方について城氏は、
「切るかのように端的に短く素早く注意すること(中略)
感情抜きに叱るには、失敗の理由を論理的に核心をついて
説明できねばならぬ」(p113)
→「叱る」というのは本当に難しいと私は思います。
感情的になるのはみっともないですし、その一方で、
冷ややかに、でも長々と叱っているのでは、叱られる側も
うんざりしてしまいます。要はget to the pointを
素早くして本人に気づいてもらい、成長してもらうことなのですよね。
*「優秀な人間、挫折を経験していない者は、自分の考えに
固執して、時に身動きが取れなくなる。(中略)
優秀だから頭では分かる。でも心が納得しない。
現実を受け入れられない。だから駄々っ子のように
グズグズとその場で足踏みをして、傷をますます深くする。」(p176)
→城氏は会社に入る新人についてこのように記しています。
単に優秀さだけで入社し、正論で上司を論破しても
それは聞き入れられない、という文脈で出てきた一文です。
挫折というのは本人にとっては辛いものですがl、
挫折ゼロのまま来てしまった場合、周囲を考えずに
正論オンリーで通してしまいがち、とありました。
*「恩送り」(p196)
→上司から可愛がってもらったら、今度は自分が部下を
可愛がる番です。そう言えば先日の「半沢直樹」でも
「恩返し」という語が出てきましたよね。
***
バーに関する一冊でしたが、色々と考えさせられる文章に
出会えてよかったです。何事も共通する部分があるのですよね。
2020-10-01 00:00
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