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ノートの底力、おそるべし [仕事]

このところ私の中では「大学ノート」がブームになっています。
コクヨのキャンパスノートです。中学生のころはよく
使っていましたが、その後ルーズリーフを試してみたり、
少し大きいサイズのものを使うようになったりと
ノート遍歴も紆余曲折を経ながら現在に至っています。
ただ、日記だけはキャンパスノートを使い続けてきました。

ちなみに放送通訳現場で私は裏紙をメモ用にあてていました。
再放送のドキュメンタリー番組などの場合、
一度視聴して本番に備えるという、いわゆる「半生同通」で対応できます。
その際、裏紙にどんどんメモをしていったのです。
本番中に数字などのメモを取る際にも、やはり裏紙です。

一日の業務が終わると、そのメモ用紙は私にとって「復習用メモ」と
なります。自宅に持ち帰り、殴り書きしたメモを判読しながら
その日のニュースをおさらいしたり、不明単語を改めて調べたり
していたのです。

不明単語に関しては、自宅にある「ジーニアス英和辞典」(紙版)を
引いています。調べた単語に下線を引く、新語であれば辞書の余白に
書き込むという具合です。そうすることで忘れないように心がけて
きました。

ただ、先日ふと思い立ったのです。

「もっと記録を残そう」と。

仕事で使ったメモは紙辞書にマーキングをした時点で
今まではすべて捨てていました。モノが増えるのを厭うという
自分の性格からです。けれども、せっかくニュースの通訳を
しているのです。これらをきちんと残しておけば、それだけで
自分だけの世界史ノート(というと非常に大げさですが)が
できるのではないかと思い立ちました。

そこで出番となったのがキャンパスノートです。

使い方はいたってシンプル。放送通訳現場にこのノート1冊を持参し、
半生同通用のメモも事前準備のリサーチ項目も本番中のメモもすべて
ここに書き込むことにしたのです。要は「情報は一冊のノートにすべてまとめる」
という考え方です。そういえば、このようなタイトルの書籍が
ありましたよね。

実際始めてみてまだ二日目なのですが、すでに大量の単語や
メモでノートは埋まりつつあります。しかもノートの良いところは
「これだけ書いた=勉強した」という達成感をいだけることです。
ノートのページが埋まっていくことが、実はモチベーションに
なるのですね。ページをめくり返すたびに、「そうそう、あのタイミングで
この単語が出てきたっけ」と記憶をたどることもできます。

紙ノートは、こうしてペラペラとめくり直すことができます。
自分の筆跡が自分を応援してくれる。そんな感じを私は抱きます。

それだけにノートの底力、おそるべしです。
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コラム更新のお知らせ [各種連載]

「通訳者のひよこたちへ」第352回がアップされました。
タイトルは『わかりやすく伝えるには』、
書籍紹介では「中銀カプセルタワービル 銀座の白い箱舟」
(中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト編著、青月社、2015年)を
取り上げております。

http://www.hicareer.jp/inter/hiyoko/352.html

どうぞよろしくお願いいたします。

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映画「ロンドン、人生始めます」 [英語]

2017年に製作された映画「ロンドン、人生始めます」を観てきました。
主演はダイアン・キートン。原題は"Hampstead"です。
その名の通りロンドン北部のハムステッドを舞台にした作品です。
ホームレスの男性が資産家になったというリアル・ストーリーを元にした
ロマンティックコメディ。ロンドン好きの人にはmust seeの映画です。

詳しくは映画そのものや公式HPをご覧いただきたいのですが、
今回観賞してみて楽しめたのは、イギリス流のユーモアが
セリフの中にあったことでした。どうしても字幕にしてしまうと
文字数は限られてしまいます。けれどもイギリスに暮らしていたり
イギリス通の方が観れば「あ、あの話ね!」と合点することが
あったのですね。

たとえば「アプリコットみたいにしわくちゃになっちゃう」といった
字幕のところでは、「スーパーのWaitroseに売っているような
アプリコット」と英語では言っていました。
Waitroseは高級スーパーなのですが・・・。

他にも裁判のシーンで法廷内が騒然としたとき、字幕では
「バラエティー番組ではないのだから」といった訳でしたが、
英語では「これはBritain's Got Talentじゃないんだから」という感じでした。
これは勝ち抜き戦の公開オーディション番組です。

映画の場合、ニュースと比べて口語表現も多く、とてもすべては
聞き取れません。それでもどこかで馴染みのある表現が出てくると
本当にうれしくなります。
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CNN English Express インタビュー掲載のお知らせ [各種連載]





「CNN English Express」2018年6月号にインタビューが掲載されました。
p11 「Step Forward」という欄です。お時間がございましたら
ご一読いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

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マインドマップ試行錯誤中 [仕事]

数か月前にマインドマップの本を読んで以来、日常的にも
取り入れています。特に重宝するのは読書記録です。また、
授業で板書する際にも使っていますね。もっとも私の場合、
マインドマップ本で紹介されているようなカラフルなものではありません。
単色でシンプルに描いています。自分バージョンが確立できたらと思います。

さて、そのマインドマップ。先日の放送通訳現場でふと思い立ち、
書いてみました。通訳メモとしてです。

その日のシフトで私が担当したのはスポーツニュース。
単体の番組で15分ものです。幸い本番の数時間前にスポーツニュースが
放送されていましたので、そちらをコンピュータの録画済み動画から
引っ張り出し、事前予習することにしました。

準備時間が限られている放送通訳現場。どのように備えるかで
いつも自分なりに悩みます。と言いますのも、スポーツの場合、
メモ取りよりも画面に集中して内容を頭に叩き込むべきか、
それともメモを取ることに励むべきか迷ってしまうのです。

とりわけスポーツの場合、選手名やチーム名、監督の名前や
スコアなど、様々なことが飛び出します。そう考えると、
「画面集中型」よりも「とにかく聞こえたことをメモする」方が
理にかなっているようにも思えます。ただ、メモに気を取られてしまうと
今度は画面を見ることがおろそかになり、試合の流れがわからなくなります。
うーん・・・

そこで件のマインドマップ。その日私が試したのは
画面を見つつメモを取り、キーワードからどんどん線を引っ張って
マインドマップ風に仕上げるという方法でした。
ちょうどサッカーの試合についてでしたので、
「チャンピオンズリーグ」と紙の中央に書き出し、チーム名や監督名など
どんどん派生させて書いてみました。

ところが、いざ本番で同じニュースが出てきたときのこと。
そのメモを見つつ訳し始めたのですが、自分のメモが紙の中央から
あちらこちらへ派生して書かれており、通訳に集中できませんでした。
残念!

この日の教訓。それは「通訳メモの場合、紙の左上から右下に向かって
時系列順に書き連ねることが大原則である」ということです。
そのことを改めて認識できただけでも、「マインドマップで通訳メモ大不調事件」は
私にとって有意義だったと思っています。
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sink one's teeth into [英語]

米軍向けAFNを聞いていると、面白い英語表現がたくさん出てきます。
先日耳にしたのはsink one's teeth intoでした。
基地内のレストランに関する話題です。

DJが使った表現は"... burritos which I sink my teeth into"です。
メキシコ料理のブリトーを「がぶりと食いつく」という意味です。

文字通りにsink one's teeth intoを訳せば、「歯を沈み込ませる」
といった感じでしょうか。なかなかリアルな表現で興味深く思いました。

なお、辞書でこのフレーズを調べると、食事だけでなく、
何かに「没頭する、真剣に取り組む」という語義も出ています。
たとえばsink one's teeth into the new plan(新しい計画に取り組む)
という具合です。

ところで先日担当したCBS Evening Newsではフロリダ州で発生した
sinkholeが取り上げられていました。もともと住宅地でなかった
脆弱な土地を開発したことから、地面が陥没してしまったそうです。
直径数十メートルのものもあります。

ご参考までにナショナルジオグラフィック日本版です:

http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/022000077/

この動画にそれこそ「没頭」なさいませんよう・・・。
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英文解釈よりも知識を [英語]

私は大学時代に都市社会学を専攻していました。
東京の下町が研究エリアでした。
「再開発のため立ち退きさせられた長屋住民が、
新しい高層マンションでどのような心理状況になるか」というのが
ゼミテーマです。仲間と手分けしてアンケートを作成し、
現地リサーチをしたり分析したりしました。
まだ今のようにワードやエクセルなどない時代です。

ゼミのクラスでは英語の専門書を分担して読み解く作業を行いました。
もともと英語は好きでしたが、社会学の知識は素人同然。
そのような中、Oxford University PressやRoutledgeのような
専門出版社が出す文献を22歳の学生たちが解読して発表するのです。
なかなかチャレンジングでした。

私の場合、そもそもの都市社会学に関する日本語の背景知識はなく、
日本語で書かれた文献も読んでいない状態でした。
英語力「だけ」で構文の解析こそできましたが、そこ止まりです。
「主語がこれで、動詞がここ。that以下はこの単語を修飾している。
・・・ということは、こういう和訳かなあ」ととらえ、
それをそのままゼミで発表していましたね。
クラスメートも同じように苦戦。教授がコピー・配布して
くださった文献の抜粋には、辞書で調べた単語の意味が書き込まれ、
文章の途中は読みやすくするためのカッコなどがびっしりと
記入されていました。

20代後半でLSEへ留学したときも、専門文献の講読は同じ手法をとりました。
ところが何しろイギリスの院は毎週大量の必読文献が示されます。
昔の私のような読み方では到底追いつかないのです。
そのときに痛感したのが「英文解釈の精密さよりも、
もとの内容を日本語で知っていることの大切さ」でした。

LSEでは組織論や動機付け理論、行動学なども学びました。
あのとき「マズローの欲求5段階説」などを日本語で知識として
持っていれば、あれほど文献解釈で苦労しなかったことでしょう。
知識をストックしていたら、もっと院生同士の議論にも積極的に
参加できたと思います。今から思うと、貴重なディスカッションのチャンスを
有効に活用できず、もったいなかったです。

以来、とにもかくにも「まずは母語で知識吸収」が私にとっての
golden ruleになっています。
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大学生の読書時間 [日々の暮らし]

数か月前に発表された第53回学生生活実態調査の結果を改めて見てみました。
中でも注目したのが以下の項目です:

(1)書籍費は2年連続減少。2017年の一か月の書籍費は平均で1340円。
ちなみに最高値は1983年の4280円。

(2)1日の読書時間は平均で23.6分。これは3年連続の減少。
1日の読書時間が「0」の割合は53.1%。
ただし、同志社大学の研究によれば、スマホ利用時間の増加が
読書時間の減少に直接的な影響があるとは言い切れない。
むしろ高校までの読書週間が全体的に下がっているのが理由と考えられる。

(3)授業時間を除く予習・復習・論文などの勉強時間は1日平均49.6分。
前年から減少しており、文系は3年連続の減少。

私はこれを非常に興味深く読みました。アンケートですので、
これを持って「今どきの大学生」とひとまとめにすることはできません。
ただ、全般的な流れとして示唆していることは大きいと思います。

なお、私の授業(大学・通訳学校)では新書をたくさん読むことを
推奨しています。一字一句読む必要はなく、とにかく本そのものに
親しむことが目的です。新書は活字も大きく、持ち運びも簡単。
トピックも多岐にわたります。新書を一つのきっかけとして、
学びの楽しさを知ってほしいと願うばかりです。
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事実+ネガティブコメント [日々の暮らし]

私がこれまで読んできた本の著者で今でも尊敬し続けている方が
います。ジャーナリストの千葉敦子さんです。
千葉さんは国内で教育を受けたにも関わらず、
自力で英語力を高め、海外のメディア向けに日本のことを
発信していました。1970年代のことです。
若くして乳がんにかかり、それでもニューヨークへ渡り、
亡くなるまで取材を続けて40代でこの世を去りました。

千葉さんの本の中で印象的だった箇所はたくさんあります。
中でも強烈だったのは、ニューヨークへ来た日本人男性とのやりとりです。
当時はセクハラといった考えが日本に普及しておらず、
依然として男尊女卑の社会でした。女性イコール美人が
もてはやされていたのです。

とある女性の話題になったときのこと。その男性は
「彼女は仕事はできるけれど、器量はよくない」と口にしたそうです。
アメリカの男女同権社会を生きる千葉さんにとって、
このような発言は許すことができませんでした。
しかも、そうしたセリフを他の日本人男性から聞かされることが
何度もあったと言います。「席を蹴って帰るべきだったか?
それとも面と向かって喧嘩をすべきだったか?」と
思うくらい、心の中は怒り心頭でした。

考え抜いた結果、千葉さんはこう切り返すことにしたそうです。

「あなたは器量よくていらっしゃること。」

こうでも言わない限り、当時の日本人男性にはなかなか通じなかったと
千葉さんは綴っています。

時代が進み、今でこそそうした発言は受け入れられないという風潮が
見られるようになりました。けれどもこのエピソードに限らず、
物事に対して「事実+ネガティブコメント」をしてしまうことが
人には多いような気がします。私自身、特にくたびれているときなど
そうなりがちです。

気持ちがついマイナスモードになりかけるたびに、
千葉さんの文章を思い出しています。
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カラーコーディネート [英語]

昨日のブログで色のことを書きました。
今日もその続きです。

どのようなカラーコーディネートをするか。
ファッションで一番参考になるのは、雑誌でしょう。
最新号をめくるだけで、今一番流行しているカラーの
組み合わせを知ることができます。

一方、自分の手持ちの服の色やアイテムをカギに
グーグルでコーディネートを調べることもできます。
画像検索で絞り込みをすれば、そうした組み合わせの
参考写真がたくさん出てくるのですよね。手元に雑誌の
最新号がなくても、ヒントはネット上に豊富にあるのです。
ありがたいですよね。

もう一つ、最近私がカラーコーディネートで参考にしているのが
「パッケージデザイン」。そう、あらゆる商品の意匠です。
たとえば歯磨きチューブのデザインを見てみると、
さわやかな色の組み合わせが描かれているのがわかります。
こうしたカラーコーディネートで自分のファッションを
考えてみるのも楽しい作業です。

ちなみにcoordinateはcoordinationからの逆成です。
co-(一緒に)+ordinate(きちんと並べる)から来ています。
ordinateとは「縦座標」「異質なものを等位的に並べる」
という意味もあります。ordinateはもともとラテン語です。
in an orderly mannerという意味なのですね。
一方、ordination自体はキリスト教の「聖職叙任」のことです。
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