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おまじない? [仕事]


通訳の仕事というのは、毎回請け負う案件の内容が異なります。
放送通訳であればニュースですが、会議通訳の場合は
「今日はIT通訳」「明日は医学会議」「来週は教育関連」
という具合に、様々なテーマに接するのですよね。
よって、その都度猛勉強をすることになります。

私の場合、得意分野は日ごろから接している世界のニュース
です。アメリカ大統領選挙は定期的にやってきますし、
事故や災害、内戦などのニュースも、悲しいことですが
頻繁に報道されます。経済やスポーツ、芸能関連の話題も
飛び込んできます。

一方、国際会議のように「一つのテーマを踏み込んで扱う」
という場合は、表面的な勉強だけでは太刀打ちできません。
聴衆も専門家が多いですので、いい加減な訳出を
すればすぐにバレてしまうのですよね。よって、予習も
手を抜くことはできないのです。

業務の依頼を受けた際、自分にとって関心の高い分野であれば、
予習にも力が入ります。勉強への意欲も高く、すぐにでも
取り掛かれるのですね。一方、「難易度が高そう」「自分の
苦手分野」という場合、なかなかギアが入りません。
「早く予習をせねば」と思いつつ、時間ばかり経過してしまい、
直前になって焦るというのは、避けたいシナリオでもあります。

デビュー当初はエンジンがかからず、ギリギリまで
後回しにしてしまい、当日苦い経験をして激しく後悔、
ということをしていました。そこから得た教訓、それは
「とにもかくにも早く取り掛かる」というものでした。

具体的には、

*いきなりウィキペディアを見ても情報が大量であれば、
子ども向け百科事典やサイトにあたってみる

*初心者向け動画があれば、それを視聴する

*「自分はこの分野の門外漢。だからこそ学んでいる」と言い聞かせる

このようにしています。

特に難易度が高い場合、「どうして私はこんな基礎的な
こともわからないのだろう」「お受けして本当に良かったのかしら」
という具合に、自分イジメになりかねないのですよね。
このようなことにグダグダとエネルギーを費やすぐらいなら
さっさと白旗を掲げて基礎から勉強するしかありません。

というわけで、最近は「私は超初心者です」と認めた上で、

「へええええ、おもしろい!!」

「うわっ、そうなんだ!知らなかった!!」

「こんなに楽しい世界があったなんて!この案件を
受けなければ知りえなかったわよね~」

と、「あえて言葉にして」います。おまじないなのかも
しれませんが、自分で声に出して自分の耳からそれを聞くと、
何だか嬉しくなってきます。
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