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どの本を読むか [日々の暮らし]


本というのは色々なジャンルがあり、自分にとって
幸せになれるような一冊に出合えると、本当に
嬉しくなりますよね。私は幸いなことにこれまで
本を通じて3人の著者を知ることができました。
以前もブログなどで書いたことがあるのですが、
精神科医の神谷美恵子先生、ジャーナリストの千葉敦子さん、
慈善活動家の佐藤初女先生です。いずれも故人です。

どのようにすれば憧れの著者に出合えるか。
これはやはり数をこなすのが一番だと思います。
私も乱読をしていくうちに出合えたので、
本当に運が良かったと思っています。今でも
心にモヤモヤが生じた時など、3者の本を
読み返しています。

一方、以前、おもしろい発見をしたことがあります。

そのころ私はちょっとした悩みのさなかにいました。
体力が落ち、何事にも意欲が出ないという時期だったのですね。

たまたま新聞の書評で勧められていた某著者の
闘病記が評判だとあったので、買って読み始めました。
「大変な経験をされた方が書かれたのだから、きっと
これを読めば私も元気が出るだろう」と。

ところが、これが全く裏目に出てしまいました。

いえ、著者に非はまったくありません。その文章は
とても清々しく、自らの病の苦しみや考え方、そして
克服などが赤裸々に綴られており、読み手にとっては
励みになるような一冊だったのです。

けれども、当時の私は軽い鬱状態だったのですね。
一方、本書に出ていたのは「辛いときこそ笑おう」
「元気が出ないときほど、自分を勇気づけることばを
あえて口にしよう」といった文言が沢山ありました。

それがかえって私には重かったのです。

大変だから手に取った本ではあります。
でも、気持ちがズドーンと落ち込んでいる時は、
笑うことすらしんどく、勇気が出るようなことばすら
口から出てこないこともあるのですよね。

何とかその本を最後まで読んで自分を鼓舞しようと思ったのですが、
どんどん辛くなってしまい、途中からは飛ばし読みでした。
目に入って来るのは、当時の自分には無理な「ライフハック」
ばかりに見えてしまいました。

けれども、その後に読んだ別の本が私を支えて
くれました。そこには、

「何もしないで良い。寝て休むのがベスト」

という趣旨のことが出ていたのですね。
この一文で本当に救われました。

本の活字というのは、夢や希望、エネルギーを読者に
与えてくれます。でも、医師が処方箋を書いたり、
症状に応じてサプリを選んだりするのと同様、
自分にとって一番ベストと思える本を
自分で選べばよいのですよね。

そのことに気づかされた出来事でした。
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