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プレッシャーの共通点 [日々の暮らし]

毎回楽しみにしているプロトレイルランナー、鏑木毅さんの
コラム。日経新聞の夕刊に連載されています。
3月31日のタイトルは「プレッシャーと向き合う」でした。

通訳者の本番マインドと非常によく似ていると個人的に
感じましたので、引用します。

*「最初のうちは、『今年こそは・・・』と奮い立っている
心が、やがて奥底で『とにかく早く終わってほしい』と
願うようになる。」

→私の場合、難易度の高い通訳を受けた時や、
業務条件が長時間などの場合、このような緊張感に
見舞われます。リピートの仕事の場合、鏑木さん同様、
「前回よりもより良い通訳をしよう」と思うのですね。
でも日にちが近づくにつれて「早く終わってほしい」と
思うのが本音です。

*「『来月(来週)の今頃は全て結果が出ているのだ』と
思うだけで心臓が縮むような緊張に襲われ、
消えてしまいたくなる。」

→この心境もとてもよくわかります。本番前の
数週間あるいは数日前というのは、こんな感じです。

一方、鏑木さんは本番一週間を切ると、逆に
覚悟が決まり、本番を楽しもうというマインドになる
のだそうです。

「苦しさも含めて自分だけしか味わえない貴重な経験
だから、せっかくならそれを楽しもう」

こう述べておられます。私がこの心境に到達するのは、
本番のまさに直前、つまり、マイクスイッチをオンに
する瞬間です。

鏑木さんは、かつてマラソンの瀬古利彦選手から
とあるエピソードを聞いたそうです。それは
瀬古さんが現役の頃、ご本人の思いを遥かに
上回る世間からの期待の高さについてでした。

芸術家やスポーツ選手などは、こうした状況に
常にさらされているのだと思います。
通訳者と世界は異なるのですが、個人的には
非常に共感できる部分がありました。

(「今日も走ろう」日経新聞夕刊
2021年3月31日)

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