SSブログ

置いていく [日々の暮らし]


先日読んだ枡野俊明さんの本にとても印象的な
文がありました。枡野さんは曹洞宗の住職で
庭園デザイナーという異色の経歴の持ち主でもあります。

書籍の中に書かれていたのは、気持ちの切り替えについてでした。

たとえば日々の生活を営んでいると、イヤなことに
遭遇しますよね。でも枡野さん曰く、その感情を
常に「置いていく」ことが大事なのだそうです。
つまり、その場で心がかき乱されたとしても、
その場に「置いていく」、つまり、「自分の心の中に
保持した状態にしないこと」がカギを握るというのです。

今は外出の自粛があるため、なかなか気分転換が
難しいかもしれません。でも、もし仮に家の中で
家人とけんかをしてしまったとか、SNSで傷ついたとか
いうのであれば、ほんの少しだけ家の周りを
お散歩するだけでも気持ちをチェンジすることが
できると思います。その際に、イヤな感情を味わった場所に
その思いを「置いていく」、そして新たな所に
身をあえて置くことで気分を変えていくことはできます。

もう一つ、枡野さんの文章で心に響いたのは、
お釈迦様のことば「足るを知る」でした。
「いまあるもので十分」という考え方です。
人間の欲というのは際限なく広がってしまう。
だからこそ「足りないこと」を楽しむぐらいの方が
良いのだと枡野さんは述べています。

お金や健康、仕事や人間関係など、人は何か
不安に思ったり、足りないと思ったりしてしまうと
とてつもなく心細くなりますよね。
でも「今あるもの」に目を向けてみれば、
十分生きていられるという見方もできます。

コロナは私たちに心の面で挑戦状を突き付けて
来ている感じがします。無理し過ぎず、悲観し過ぎず、
今この瞬間を大切にしながら生きていきたいと思います。

(「人生は凸凹だからおもしろい」枡野俊明著、
光文社新書、2020年)
コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。