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自制と楽観 [日々の暮らし]

コロナの正体が今一つつかめなかった昨年は、
緊急事態宣言が発令した際にも人々はほとんど
外出していませんでした。私は仕事柄、都内のスタジオに
行く必要があったため、公共交通機関を使っていましたが、
乗客はまばら。ある日など、車両に乗っていたのは私一人
だけということもありました。

道路を走る車も少なく、人も家にこもっていたのは
明らかでした。「緊急事態宣言」ということば自体が
とてつもなく大きな重みを有するように感じられ、
ただ事ではないと皆が思っていたのでしょう。

あれから1年強。
少しずつ人々は「それでも生活はできる」という感覚に
なったからなのか、宣言も名ばかりのような気がします。
私が暮らす街では午前中に1回、市の防災無線が流れ、
市長のお声が聞こえてきます。毎日異なるメッセージだと
思うのですが、いかんせん、連日となるとだんだん
慣れてしまっている自分がいます。数年前の秋に大型台風が
関東地方を襲った際には豪雨で防災無線がほとんど
聞き取れず、何とか耳を澄まして聞き取ろうとしたものでした。
それとは随分かけ離れてしまった気がします。

何事も「慣れ」が来ると、当初の感覚が薄らいで
しまうのでしょうね。私の場合、新卒で入った会社が
エアラインで、社内研修の際にビジネスクラスで本社に
飛んだことがあります。最初は大興奮でしたが、
次第に慣れてしまったのです。通訳者デビューしてからは、
生まれて初めて乗るグリーン車に感激したものですが、
やがてそれも身近なものになりました。

では「慣れ」で慢心しないためにはどうすべきでしょうか?

これはもう、自分で自分を律するのが一番だと私は
感じています。「ビジネスクラスやグリーン車をいつもいつも
使える身分でいられるとは限らない」ということです。
通訳業においては、「昔は必ず事前に資料をいただけたけど、
時代の流れとともに会社側のコンプライアンスも
厳しくなっている。ゆえに事前の資料無しがデフォルトという
日が来るかもしれない」と思うことも同様です。

一方、コロナで先が見えないとしても、「これが
未来永劫続くわけではない」ととらえて、気持ちを
前向きにすることもできます。

自戒や自制を心がける。
楽観的にとらえる。

生きていく上で大切なことと感じます。
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