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産地 [日々の暮らし]


先日スーパーで珍しいものを見つけました。
「オランダ産ミニトマト」です。かつて
アムステルダムに暮らしていた私にとって、
チーズやチョコレート、あるいはチューリップ以外の
ものを身近なところで発見できたのは嬉しい瞬間でした。

過日観ていた「ドラゴン桜2」で、カボチャがなぜ
色々な所から輸入されているのかが取り上げられていました。
私は昔から食材やモノの原産国名を見るのが好きで、
パッケージをひっくり返しては眺めています。

たとえば衣料品は以前であればMade in Chinaが圧倒的に
多い状況でした。しかし現地における人件費高騰により、
最近はベトナムやバングラデシュ産のものも増えています。
バングラデシュは世界最貧国の一つと言われており、
縫製工場の労働環境は劣悪で、児童労働もあります。
工場の防火施設などは未整備であるため、火災が発生しやすく、
建築基準法違反で施工された建物が崩壊して
命が奪われるなど、悲惨な事故が多発しています。

一方、バナナやオクラと言えば「フィリピン」の国名を
目にしますが、フィリピンも決してすべて安泰というわけでは
ありません。南部のミンダナオ島では武装勢力による抵抗活動が
依然として続いています。治安も不安定です。

固形石鹸のパッケージを見ると「マレーシア」とあります。
原材料はパーム油。これも児童労働や賃金不払いなどの
問題を抱えつつ、世界に輸出されています。

メキシコ産のカボチャ。メキシコと言えば、麻薬組織が暗躍し、
殺人事件が多発。議会選挙に出馬すれば、候補者が何人も
消されてしまうという状況です。「警察よりも麻薬組織の方が
頼りになる」と口にする市民がいるほど、大変な事態です。

かつて南アフリカでアパルトヘイトが続いていたころ、日本は
現地からの輸入をしていませんでした。南アにはワインを始め、
豊かな食材があります。アパルトヘイトが終了して初めて、
Made in South Africaと書かれたものを見受けられるようになったのです。

私達の身近には、様々なモノがあります。ありがたく享受すると
同時に、その背後にあるそれぞれの国についても思いをはせたいと
思っています。
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