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コラム更新のお知らせ [各種連載]

「通訳者のひよこたちへ」第319回がアップされました。
タイトルは『もう一つの手段がある』です。

http://www.hicareer.jp/inter/hiyoko/319.html

「今週の一冊」では「『憧れ』の思想」(執行草舟著、PHP研究所、2017年)を紹介しております。

どうぞよろしくお願いいたします。
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呼び出し電話 [日々の暮らし]

今では想像もつかないかもしれませんが、私が
学生の頃はまだ「呼び出し電話」なるものがありました。
携帯電話は普及しておらず、もちろんインターネットも
なかった時代です。当時の履歴書には自分の住所と
電話番号を書く欄に「呼出」という文字も印刷されていましたね。
呼び出し電話のアパートに暮らす人は、ここに丸を付けて
下宿先の電話番号を記入していました。

大学生の頃、アルバイトを通じて仲良くなった友達は
下宿に暮らしており、呼び出し電話でした。
大家さんのご自宅の電話を使わせていただいていたのです。
下宿のルールでは、電話利用が夜9時まででした。

ある日のこと、どうしても連絡をせねばならなかったため、
9時少し過ぎにかけたところ、大家さんに私は
叱られてしまいました。ルールを破ってしまったからです。
「ほんの数分なのに」と内心思ったものの、
約束は約束です。社会のルールは守らねばならないと
感じました。

電話と言えばもう一つ思い出すことがあります。
LSEの修士課程にいたときです。

当時私は学部生・大学院生が住む大きな寮に暮らしていました。
数百人はいたと思います。私の部屋は長い廊下に面しており、
40人ぐらいがその廊下沿いに住んでいました。
電話はその廊下の端にあり、「かかってきた電話のみ」受ける
ことができるタイプでした。40人に一台ですので、
長電話を誰かがしてしまえば、ずっとお話し中になってしまいます。

当時の私にとっての連絡手段はこの電話を使うか、直接会うか、
手紙を送るかでした。もちろん、ファクスもありません。
ですので、どうしても電話で話したいのであれば、
こちらから公衆電話を使って相手にかけるか、
あるいは先方からかけてもらう場合は「○月○日の○○時に
電話してくれれば待機して出るから」とあらかじめ約束する必要が
あったのです。

今のようにいつでもどこでも連絡をとれる時代からすると
想像がつきませんよね。でも当時はこれで何とかなっていたのです。
むしろ、「では今度の月曜日8時に電話するから」と
お互いに決めておき、約束通り電話をかけてもらって話す
というのは、厳しい大学院時代の私にとっては嬉しいひとときでも
ありました。

今日の通信技術の発達を考えると、本当に便利な時代に
なったと思います。けれども不自由さもこうして振り返ってみると
心温まる思い出としてよみがえってきます。
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