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本に癒される [日々の暮らし]


2021年は何かとバタバタしてしまい、読書や芸術への
ふれあいが実に二の次になっていました。仕事などが
忙しかったので、優先順位が低くなったのですね。
でも、そのせいで随分精神的に枯渇してしまいました。
大いに反省しましたね。

昨日、授業後に久しぶりに時間が空いたこともあり、
大学図書館へ。コロナでしばらく研究個室が使えなかったの
ですが、また利用可となりました。そこで
お昼過ぎから数時間籠ったのでした。

家から持参した新聞を始め、大学構内でもらった
ミュージアムのチラシを読み、要返却本の本にも
目を通すなど、ひたすら活字と戯れました。
「あ~、私に欠如していたのは、この大好きな活字との
ひとときだったんだなあ」としみじみ。
書籍の世界にどっぷりと浸かっていれば、
ややこしいことや気が重くなるようなことなど忘れられるのです。

私が敬愛する精神科医の故・神谷美恵子先生は、若い頃
結核にかかりました。その時の母君の反応は、
「うちはそんな家系じゃないよ」という忌み嫌うことば。
当時、結核は不治の病で世間から忌避されていたのです。

先生は一人軽井沢へ療養へ出かけ、世の中から隔離されて
治療に専念されます。人との接触はほぼ無く、食事は
世話人の方が小窓の外に置いてくれるというものでした。
先生は、「カラスの鳴き声が人の話し声に聞こえた」と言うほど、
寂しく過ごされたそうです。

けれども、古今東西の古典を大量に読み、
古典を原書で読むためにギリシャ語や
ラテン語なども独学で学ばれたそうです。
そのようにして本の世界に没頭したおかげで、
結核は治った、と綴っておられます。

苦しみにのまれる代わりに、人を別世界へと連れていってくれる本。
私も昨日、書籍から大いに生きる力を得たのでした。
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