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ついつい [仕事]


職業柄、「ことば」には敏感に反応してしまいます。
たとえば洋画を観ている際、作品に集中したいのに
つい字幕に目が行ってしまい、「うーん、すごい名訳!」と
唸ることもあれば、「いや、私なら○○と訳したいなあ」と
類似表現を考えることも少なくありません。

自動販売機で飲み物を買う時も、英語で書かれた商品名を
訳したり(「上司」"Sixteen Tea"「王立牛乳紅茶」等々)、
街中にある店名もこれまた訳したりしています。
自分の中では立派な(?)通訳訓練です。

ところで最近気になるのは、スマホやパソコンに
出てくる日本語です。今でこそ慣れましたが、スマホで
初めてアプリをダウンロードした時のこと。
「無料アプリ」なのに、「支払いを処理中」と
表示されて慌てたことがあります。

・・・気になったので今調べたところ、海外の方で
同様の不安を抱いた人を発見!

https://discussions.apple.com/thread/250533894

単なる日本語訳の問題ではないようです。

一方、先日とある海外ニュースキャスターについて
プロフィールを調べたところ、日本語のサイトがヒットしました。
でもよーく読んでみると、自動翻訳された状態の
HPだったようです。そのサイトにはキャスターの
経歴以外のことも出ていたのですが、驚いたのが
「身長」の後に出ていた次の単語:

「重量」

・・・いえ、これはどう考えても

「体重」

でしょう!
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勘を頼りに [仕事]


通訳の仕事をする上で、特に大事にしているのは
「タイミング」と「長さ」です。

タイミングとは、逐次通訳の場合、話者が話を
区切った時点ですかさず入るということ。
文章の終わりや話者が息継ぎをしたときなどに
パッと入り込むことができれば、非常に
リズムよく通訳ができるのですよね。

逆に、タイミングを逸してしまうと話者は
延々と話してしまい、こちらはメモの量が膨大となり、
いざメモを見ながら逐次通訳で再現しようとしても、
最初に聞いた方は忘れてしまう、ということに。
私にとってはキョーフです。

一方、長さにおいて私が意識しているのは、
話者が話した長さと同じぐらいにまとめることです。
話者が1分話したのであれば、通訳も1分、
話者が30秒ならこちらも30秒にすることで、
長すぎず短すぎずを心がけているのですね。

そのようなことから、日常生活でもなるべく
時間の長さを体で覚えるように工夫しています。
具体的にはタイマーをかけて仕事をしたり、
台所仕事でも「ティーバッグを2分間抽出している時間」の
長さを意識しながら他の作業をしたり、という具合です。

ちなみに先日やってみたのは、「電車に乗ってから
今だいたい何分ぐらい経ったか?」を
当ててみること。「さっき腕時計を見たのが
10:40だから、そろそろ10:55かな?」
という具合に勘を頼りに想像してみるのですね。
当たったときは結構嬉しくなります。

・・・いえ、ただそれだけのことなのですが。
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あと少し? [仕事]


家で仕事をする際、なるべく負担に感じないような
工夫が必要だなと思いながら取り組んでいます。
あまりにもやるべき作業が多すぎてしまうと、
それだけで着手することすら億劫になってしまうのですよね。

私の場合、タイマーをかけて「5分だけ集中する」
「10分間でメールを返信する」など、
なるべくメリハリをつけるようにはしています。

一方、複数日に渡って準備をするような業務も
あります。たとえば授業の教材研究や
通訳準備などの類です。

そうした業務の場合、やろうと思えばそれこそ
エンドレスに作業はあるのですよね。どちらも
調べ始めたらきりが無いからです。

そのマインドになってしまうと、私の場合は
結構厄介です。と言いますのも、「まだこんなにある」
「あれもやらなきゃ、これも取り組まねば」
という風になってしまうからです。

そこで最近は考え方を変えてみました。

それは、「こんなにたくさん残っている」と
思う代わりに、

「あと少し」

ととらえるようにしたのですね。

目の前の作業量はあまり変わらないのですが、
それでも「あと少し」というアプローチで
いると、何となく取り組みやすいような気持ちになります。

・・・完全におまじないなのかもしれませんが・・・!
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あえて書く [仕事]


放送通訳現場では、連日同一の内容のニュースが
放送されることがあります。ニュースというのは、
続報が入ってくるからです。たとえば大統領選挙の場合、
選挙運動から始まり、候補者の討論会、投票日、
開票結果、勝利宣言そして就任式、新政権の誕生
という具合にすべてつながっているのですよね。

毎日同じテーマのニュースに携わっていることから、
そのテーマの単語はほぼ連日、それこそ「連呼」
していることになります。最近であれば
「新型コロナウイルス」「変異種」「アストラゼネカ」
「ファイザー」「血栓症」という具合に、何度も
口にしています。

毎日繰り返していれば、確かに英語を聞いた瞬間に
訳語がすぐ出てくるわけですが、だからと言って、
私の場合は無防備でいることは避けています。

具体的には、「頻出単語や既知単語もメモをしておく」
ということを心がけているのです。

たとえば先日アメリカでは、アフリカ系アメリカ人の男性が
白人女性警察官に撃たれて死亡したという事件が
起きました。男性の名前はドーンテ・ライトさん。
何度もニュースで名前が出てきています。

それでも当日シフトに入る前には、
出てくるであろう固有名詞や英単語、日本語訳を
ノートに書きました。

これまで何度も出てきているattorney generalは
「司法長官」という訳語を知ってはいるものの、
なぜか何度もメモしていることが、ノートを
振り返ってみるとわかります。よほど私にとっては
ニガテなのだと思います。

他にもhandgun(拳銃)、taser(テーザー)など、
基礎的な単語やそのままカタカナにできるもので
あっても、あえて記しています。

ある意味ではライナスの毛布のごとく、書くことで
より安心できるのかもしれません。
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元気をもらう [仕事]


新年度が始まりました。私が出講している大学は、
今年度は原則として対面授業ですが、大人数のクラスは
引き続き課題配信型という形式になっています。幸い
私の講座は人数が少ないため、対面となりました。

2年ぶりに大学の教室で教えてみて改めて思ったこと。
それは、実際にその場で学ぶ上での刺激がとても大きい
という点です。

大学校舎の存在の重みとでも言うのでしょうか。
机と椅子、ホワイトボードやPCなどがあるのを
見るだけで、勉強したいという意欲に私はなります。
掲示板を見れば、海外留学の話題やその他のトピックなどが
あり、刺激を受けます。

図書館へ足を踏み入れれば、たくさんの本が目の前に
並んでいます。一生かかっても読むことはできないでしょう
けれども、背表紙を見ているだけでも、ワクワクしてきます。

まだ20代前半の若い学生たちが、昨年1年間、リモートで
がんばったことは、本当に素晴らしいと思います。私が
もし学生の立場だったら、もしかしたら挫折していたかも
しれません。それでもなお、若い人たちが頑張って
進級してくれた。ゆえにこうして新年度、一堂に会して
授業をすることができるのですよね。

学生たちからたくさんの元気をいただきました。
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新しいことば [仕事]


ことばを生業にしているため、新しいことばに魅了
されます。かつてそうした新語を「仕入れる」格好の場は、
月一度通っていたヘアサロンでした。コロナの前は
ファッション雑誌を読むことができたのですよね。
少し古いですが、「美魔女」「ヘビロテ」「コスパ」を始め、
「悪目立ちしない」「とろみスカート」「抜け感」など、
私としては「こういう表現が今はあるのね!」と発見ばかりでした。

一方、最近注目しているのは、「まるっと」「サクサク」
「ほぼほぼ」です。これらも今や立派に市民権(?)を
得ていますよね。

調べたところ、「まるっと」は「まるごと」から来ている
そうですが、この言葉への好き嫌いは分かれているようです。
私自身は「まるっと」は使わないのですが、何となく
それこそ丸々した柔らかいイメージなので、特に
嫌悪感はありません。

「サクサク」はコンピュータの動作が迅速に動く様子を
表す際に使われますよね。昔であればビスケットを食べる際の
擬音語でしたが、今はすっかりデジタルの世界で主流と
なっています。

「ほぼほぼ」もよく耳にしますが、こちらはNHK放送文化研究所によると
「ほぼ」を強調した表現だそうです。ただ、カジュアルゆえ
「ニュースなどでは使わない方が良い」とあります。

https://www.nhk.or.jp/bunken/research/kotoba/20181101_4.html

私は特に違和感を抱かなかったため、実は現場で使って
しまったことがあるのですが、その後、放送の世界における
「ほぼほぼ」の位置づけを知り、今後は使うのを控えようと
思ったのでした。

ことばは生き物。新しい語にしかめっ面をするよりも、
楽しみたいと思います。
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おまじない? [仕事]


通訳の仕事というのは、毎回請け負う案件の内容が異なります。
放送通訳であればニュースですが、会議通訳の場合は
「今日はIT通訳」「明日は医学会議」「来週は教育関連」
という具合に、様々なテーマに接するのですよね。
よって、その都度猛勉強をすることになります。

私の場合、得意分野は日ごろから接している世界のニュース
です。アメリカ大統領選挙は定期的にやってきますし、
事故や災害、内戦などのニュースも、悲しいことですが
頻繁に報道されます。経済やスポーツ、芸能関連の話題も
飛び込んできます。

一方、国際会議のように「一つのテーマを踏み込んで扱う」
という場合は、表面的な勉強だけでは太刀打ちできません。
聴衆も専門家が多いですので、いい加減な訳出を
すればすぐにバレてしまうのですよね。よって、予習も
手を抜くことはできないのです。

業務の依頼を受けた際、自分にとって関心の高い分野であれば、
予習にも力が入ります。勉強への意欲も高く、すぐにでも
取り掛かれるのですね。一方、「難易度が高そう」「自分の
苦手分野」という場合、なかなかギアが入りません。
「早く予習をせねば」と思いつつ、時間ばかり経過してしまい、
直前になって焦るというのは、避けたいシナリオでもあります。

デビュー当初はエンジンがかからず、ギリギリまで
後回しにしてしまい、当日苦い経験をして激しく後悔、
ということをしていました。そこから得た教訓、それは
「とにもかくにも早く取り掛かる」というものでした。

具体的には、

*いきなりウィキペディアを見ても情報が大量であれば、
子ども向け百科事典やサイトにあたってみる

*初心者向け動画があれば、それを視聴する

*「自分はこの分野の門外漢。だからこそ学んでいる」と言い聞かせる

このようにしています。

特に難易度が高い場合、「どうして私はこんな基礎的な
こともわからないのだろう」「お受けして本当に良かったのかしら」
という具合に、自分イジメになりかねないのですよね。
このようなことにグダグダとエネルギーを費やすぐらいなら
さっさと白旗を掲げて基礎から勉強するしかありません。

というわけで、最近は「私は超初心者です」と認めた上で、

「へええええ、おもしろい!!」

「うわっ、そうなんだ!知らなかった!!」

「こんなに楽しい世界があったなんて!この案件を
受けなければ知りえなかったわよね~」

と、「あえて言葉にして」います。おまじないなのかも
しれませんが、自分で声に出して自分の耳からそれを聞くと、
何だか嬉しくなってきます。
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祝・ご卒業 [仕事]


今日は私が出講している大学の卒業式です。
教え始めてから数年が経ちますが、毎年
たくさんの良き学生さんたちに恵まれ、私自身、
多くの気づきや学びを頂いてきました。

若い人たちの感性、素直さ、学びへの純粋な心、
他者への思いやりなど、本当に本当に誰もが
素晴らしい学生さんでした。

私の授業は選択科目で、2年次から受講することが
できます。「サークルの先輩から紹介されて
履修することにしました」ときっかけを披露し、
その後、卒業まで毎学期参加してくださった学生さんも
います。

履修当初は緊張していた学生さんが、年を経るごとに
どんどん前向きになり、下級生の模範となり、
授業を引っ張ってもくれました。

今年度はコロナ禍での学びとなり、就職活動も教育実習も
本当に大変だったと思います。それでも課題をこなし、
ZOOMの画面越しに発表をしたり、グループワークで
積極的に発言したりと、離れていても学生さんたちの笑顔に
私の方が大いに支えられた一年間でした。

私自身にとっても、今年は前例のないチャレンジングな年でした。
この大学で指導をしていなかったら、学生さんたちとの交流がなかったら、
かなり心が折れていたと思います。

みなさん、本当にありがとうございました。

どうか社会に出られても体に気をつけて、ますますの
ご活躍を願っています。ずっと応援しています。
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とにかく優先順位で [仕事]

春というのは何かと慌ただしいですよね。日本の場合、
新年度が始まるのは4月ですので、3月は総決算の時期です。
幸い大学は授業が1月に終わりますので、成績作業や
次年度のシラバス準備などは2月までに終えることが
できました。3月はむしろ「4月以降の準備期間」となります。

一方、物事重なるときというのは重なるもので、
比較的余裕があるときもあれば、一気に物事が
押し寄せることもあります。ちなみに郵便ポストに
一通も入っていない日もあれば、事務処理や請求書関連の
ものが一気に投函されていたりということもあります。
「少しずつ送ってくれれば、一気対応で慌ただしく
ならずに済むのになあ」と思うこともあるのですよね。

何にしましても大事なのは優先順位をつけるということでしょう。
たとえば私の場合、フリーで仕事をしているため、
出社する日もまちまちです。よって、手帳を見て
きちんと仕事スケジュールを把握することが最優先です。
確認ミスで仕事に穴を空けてしまえば信用はがた落ちです。

一方、締め切りのある原稿も信用問題につながりますので、
そちらもプライオリティが高くなります。
「締め切り・日時指定」が一番大事なのですよね。

一方、期限が数週間後などであれば、今、すぐ今日に
やらなくても大丈夫ということになります。ただ、
忘れては大変なことになりますので、それを行う日を
まずはしっかり決めて、実行しなければなりません。
特に役所関連手続き(確定申告など)は期限が
決まっていますので、守る必要があります。

4月になれば授業が始まります。授業準備も
早め早めで取り掛かりたいと思っています。
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前提はどちら? [仕事]


先日、国内の某ラジオ番組を聞いていて興味深いことに気づかされました。
ゲストへの質問についてです。

その番組では、キャスターの方とゲストがやりとりをしていました。
10分ほどの長さです。

内容は昨今のコロナに関して心理学的見地からゲストに説明して頂く、
というものだったのですが、キャスターが質問をしたり
反応をしたりする際、キャスター自身があたかも
その内容について全く知らない、というような雰囲気が
出ていたのです。

ちなみにそこで取り上げられていたキーワードは、
日本語でもよく知られている心理学用語でした。
おそらく中学生ぐらいでも知っていると思われます。
でもあえてキャスターが初めて聞くかのような相槌や
反応を見せていたのが、私には少し不思議に感じられたのです。

と言いますのも、そのキャスターの方は大ベテランの方であり、
多様な知識を有していることで知られています。
でも、おそらく視聴者目線に立って「初めて聞きました」という
雰囲気をあえて醸し出すのが、日本の質疑応答なのかな、と私は思ったのです。

一方、普段放送通訳で入るCNNのニュースなどでは、
キャスター自身がゲストに対してどんどん専門的かつ
突っ込んだ質問をしていきます。視聴者がわからないことを
鋭く聞き出し、矛盾があればさらに追及する、という
感じです。つまり、キャスターは「専門知識も知っている」という
前提で質問をしています。

おそらくマスコミの在り方の違いが国によってある、ということでしょう。
でも、改めて意識して質問方法の違いを見てみると、
色々と見えてくるものがあるように思えました。
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