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ツバメ [日々の暮らし]

6月ぐらいまではどんどん日照時間が延びていきます。
目覚ましをかけなくても自然と目が覚め、近所をお散歩する。
コロナが始まってから、このささやかなルーティンが
いかに自分に気力を与えてくれているか、しみじみと感じます。

朝は色々な鳥も目覚めています。スズメの可愛い鳴き声もあれば、
威圧感たっぷりのカラスの鳴き声も聞こえてきます。
数週間前には、とある店舗の軒下をせわしなく出入りする鳥を発見。
ツバメでした。

ツバメには思い出があります。

確か幼稚園時代のクラスがツバメ組だったこと。

そして小学校4年生で転入したイギリスの学校で、
"Swallows and Amazons"という本を友達が読んでいたことです。

この書籍は日本でも「ツバメ号とアマゾン号」として和訳されています。
翻訳者は神宮輝夫さん。岩波少年文庫から出ています。
初めて日本で出版されたのは1958年だそうです。

まだ英語がわからず、クラスの中でも孤立していた私は、
クラスメートが熱心に読んでいたこの洋書の分厚さに圧倒されました。
ただでさえアルファベットもろくに読めない私にとって、
その子が手にしていたハードカバーは別世界でした。
彼女は休み時間になると、その本を取り出しては
夢中になって読んでいたのです。

日本の単行本は活字も大きくイラストもたくさん。
一方、彼女が読んでいた本は文字も小さくて大人が読むような装丁でした。
彼女が私よりも遥か先を歩んでいるような気がしました。

当時、他の本で人気があったのは、

"Black Beauty"(「黒馬物語」)、
"Watership Down"(「ウォーターシップ・ダウンのウサギたち」)、
"The Famous Five"(「五人と一匹」シリーズ)

などでした。いずれも私には手が出ませんでした。

「黒馬物語」に関して思い出すのは、クラスメートの一人が
家で馬を飼っていたこと。他にも大豪邸に住んでいる子がいるなど、
私にとっては刺激の多い小学校の現地校でした。
もっとも、大多数の子は普通の家の子だったのですが、
何分、田舎だったため、女の子を持つ地元のご家庭にとっては
その女子校が一番通いやすかったのでしょう。

そしてその学校も少子化のあおりを受け、2008年に別の学校に
吸収されました。私が慣れ親しんだ校名は無くなりました。、
Navy blueと言われる、イギリス海軍の制服から来た濃紺色のプレートに書かれた校名は、
新たな校名になり、銘板もそのカラーになったのです。

朝のウォーキングでツバメを見て、昔の書名を思い出し、
子ども時代を頭の中に再現できたのは、私にとって幸せでした。

記憶のかなたに追いやられてしまったとしても、こうして
何かのきっかけでまた自分の所に来てくれるのでしょうね。

そのことが嬉しかったです。
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