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新しい一歩のため [日々の暮らし]


日経新聞文化欄にピアニストの舘野泉さんが出ていました。
現在85歳の舘野さんは、65歳の時に脳溢血に見舞われ、
以来、左手だけで演奏活動を続けておられます。
12月5日の文章は「音楽は不要不急ではない」という
タイトルでした。

ピアニストの命とも言える自らの手が不自由になっても、
舘野さんは「失意の日々を過ごしたという記憶はない」と
回想しておられます。その一方で、以下のように考えて
いらしたのだそうです。

「ただ、自分はいつか必ずピアノを弾くことに戻っていくという
確信があって時を過ごしていた。何もしていなかった
その月日こそ大事な時間だった。40年続いてきた
演奏生活を大切に思いながら、新しく踏み出す一歩を
用意していたのだ。」

私はこのことばにとても励まされました。と言いますのも、
人間というのは何か困難にぶつかってしまうと、
失望したり先が見えなくなって自棄になったりして
しまいますよね。でも舘野さんはそうした感情に身を置かず、
静かに過去を大切に思い出しつつ、エネルギーを蓄積して
次に向けて備えておられたのです。

たとえ今、トンネルの向こうが見えず、自分の行動力の失速を
不甲斐なくなったとしても、それは失敗ではないのでしょう。

むしろ「次への一歩の用意」と私もとらえたいと思います。
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