ご縁のこと

以前読んだ本に興味深い記述がありました。
「ご縁」についてです。

日本では「せっかくのご縁だから大切にしましょう」
とよく言われますよね。たとえ苦手なタイプの人で
あっても、これもご縁。だから自分が多少
我慢することになっても、その関係を大切にした方が良い
という解釈です。

けれどもこれとは少し異なる解釈が紹介されていたのです。

それは、

「本当に自分のことを大切にしてくれる人との
ご縁をこそ大事にしていき、より深い思いやりを
お互いに育むべきである」

という内容でした。

つまり、

「自分がいくら努力しても相手が自分をないがしろに
してくるような関係性であるならば、そんなご縁に
執着しなくても良い」

というとらえ方です。なぜなら、「せっかくのご縁だもの。
相手が理不尽であっても私が我慢すれば良いのよね。
私が頑張れば大丈夫」ということを延々と続けて
しまうと、自分自身が疲労困憊し、自分で自分の心を
大切にできなくなるからです。

そして、「自分を大切にできなくなった自分」というのは、
「心から応援してくれている大切な人」のことが
見えなくなってしまうのだそうです。

なるほど、と思いました。

日本では「頑張ること、努力すること」が「美徳」
とされます。いえ、日本だけではなく、これは
人間が生きる上で世界のどの場所においても
大事な価値観となっていることでしょう。

けれども、それが行き過ぎて自分が疲労困憊して
しまうと、目の前にある本当に大切な人や
大事な幸せを見過ごすことになりかねません。

「ご縁」について考えさせられた文章に
感謝しています。