SSブログ

踏みはずす [英語]

先日のこと。とあるビルの階段を下りている際、
踏み外してしまいました。あの瞬間というのは
本当にヒヤリとしますよね。

「え?あれ?あれ?もう一段あったはずでしょ?
何故?なんなの?この膝のわけのわからない感触は?」

という具合。もちろん、コンマ数秒の間にこうした思いを抱きつつ、

「マズイ、このままでは地べたに転んでしまう!
早く立て直さなければ」

と考え、身体は必死にもがいているわけです。

幸いこの日は倒れることもなく、手のひらをつくこともなく、
足と体のバランスだけで立て直すことができました。
ふー。

「最近ヨガで体幹を鍛えるようになったおかげかな?」

「まだまだ実年齢よりはバランス力があるかも」

などと驕りの気持ちとニヒヒという表情が台頭したのですが、
こういうスタンスがやがてしっぺ返しとなりそうです(反省)。

さて、「踏み外す、って英語で何というのかな?」と
思い立ち、早速調べてみました。和英辞典です。

私は辞書の例文を味わうのが好きなのですが、
研究者「新和英大辞典 第5版」の最初の例文はコチラ:

「崖(がけ)を踏みはずして海中に落ちる
lose one's footing on a cliff and fall into the sea」

・・・と、何とまあ、オソロシイ文章でした。
「踏み外す」がlose one's footingであることが
分かったのは良いのですが、いきなりこんなコワイ文章だなんて。

さらに例文を見ると、「はしご段を踏み外す」
「正道を踏み外す」「足を踏みはずして岩場から転落した」
「一歩踏みはずせばまさに命がないところだった」
と続いています。

うーん、個人的には「階段を踏み外す」も入れてほしかったです。
さらにリクエストするならば、心身へのダメージが
少ないレベルから並べて、「海中に落ちる」「岩場から転落した」など、
命にかかわるようなものは、せめて最後に出してほしいです。

ええ、もちろん、辞書というのは、使用頻度の高い語義や
例文から掲載するのはわかっているのですが。
コメント(0) 

辞書から派生して楽しむ [英語]

仕事柄、「ことば」そのものへの興味が尽きません。
たとえば指導先や街中で英語の書かれているTシャツなどを
着ている人を見かけると、「一体何があそこには書かれているのかしら?」と
読解したくなります。先日は大学生の持っていたファイルに
"Joyful Monster"という文字が書かれて可愛いイラストも
あったのですが、そこで思ったのは、

「joyfulとhappyってどう違うのかな?」

「monsterって語源は何?ラテン語?」

などなど。そこで早速joyfulを調べてみました。
ランダムハウス英和大辞典には次のように類語が
紹介されていました:

gay 心も軽く、生き生きと活発なさま
jolly 上機嫌であけっぴろげに浮かれはしゃいでいるさま
joyful うれしさで気分が高揚しているさま
merry しばしばgayと同義だが、gayよりにぎやかに
浮かれているという意味合いが強い

ということだそうです。そう言えば、学生の頃、時々
通りがかる道沿いに「ジョイフル」という名の付くアパートが
ありましたっけ。

一方、monsterは「怪物、化け物」のことですが、
辞書には「centaur, dragon, sphinx, griffinなどの
伝説的動物」と出ています。ここで気になったのがgriffinという語。
これはギリシャ神話に出てくる「グリフィン」という、
ライオンの胴体にワシの頭と翼をもつ怪獣です。

・・・と今度は、「あれ?CNNのキャスターでDrew Griffinって
いたわよね。このグリフィンと同じスペルだったとは!」
と新たな発見に嬉しくなりました。英語圏の名字も
興味深いです。一方、CNNにはDana Bashという女性キャスターが
いますが、bashは「乱打する」という意味です。
そう言えば、CNNでたまにゲストで登場されるプリンストン大学教授に
Anne-Marie Slaughterという先生がおられるのですが、
slaughterは辞書で調べると、かなり「えぇっ?」という
意味の単語です(気になる方は引いてみて下さいね)。

あらら、またもや話がどんどん展開してしまいましたね。
でもこうして調べたことが蓄積となり、いつかどこかで
通訳現場において役に立つのだと信じています。
コメント(0) 

Oh come on! [英語]


日常生活において、自分の行動があまりにも
ピント外れだったり、思いがけない顛末になったりして
苦笑いしたくなることがあります。私はこれを
「お財布忘れたサザエさん」にちなんで「サザエさん」現象と
呼んでいます。

たとえば最近の例では、「卵が無くなったから買って
帰らなきゃ」とコンビニに立ち寄るも、なぜか新作スイーツに
惹かれてしまい、しかも複数の種類があったため、
棚の前でしばし熟考。食べたいほうをようやく選んで
喜び勇んでレジで会計して帰宅。冷蔵庫を開けるや
卵が壊滅状態であることを目の当たりにして、「あ、卵!!」と
叫びたくなるような状態。これぞまさに「サザエさん」です。

一方、昨日のこと。電話を掛ける用事がありました。
「そうだ!スピーカーホンにすればメモをとりながら
会話ができるわよね」と我ながら名案(?)を思い立ち、
相手の番号を入力。ところが何を思ったのか、
そのまま電話を持ち上げて耳にぴったり当てるや、
爆音で呼び出し音が聞こえてきたのです。思わず
電話を落としそうになりました。

それはそうですよね。スピーカー音量が大きいわけですから。

というわけで、またまたサザエさんになってしまいました。

で、「何やってんだか~」と独り言を唱えるも、

「あ、『何やってんだか!』の、あの雰囲気を出すのに
最適な英訳は何かしら?」

と今度は通訳者マインドに。早速検索したところ、
こちらのページがヒットしました:

https://eikaiwa.dmm.com/uknow/questions/35368/

私としては"Oh come on!"が一番しっくりきます。

最後にもう一つ。上記サイトに「ドジ」という語が出て
いますよね。今度は「ドジ」の語源が気になり、またまた検索。
「どじ」には以下のような諸説があるそうです:

*「鈍遅(鈍くて遅れをとる)」
*「とちる(物事をやりそこなう」
*「どじくじ(はっきりしないさま」

なるほど~。ちなみにイギリス英語では「ドジ」を
bloomerと言います。BBCではかつて番組内のNG集を
放映していました。たとえばこちら:

https://www.youtube.com/watch?v=CyupOtzfJg8

ユーモアの国、イギリスです。
コメント(0) 

ガッツポーズ [英語]


先日、朝のお散歩中にふと目に入ってきたポスターが
ありました。一つ目は選挙ポスター。二つ目は塾のポスターです。

いずれも共通点がありました。
それは「ガッツポーズ」です。

実はこのガッツポーズは和製英語なのですよね。
英語ではraise one's fist in triumphあるいは
pump one's fist in the airなどと言います。
短い表現ではvictory poseやfist pumpなどがあります。

ではなぜガッツポーズという表現が出てきたのでしょうか?
調べたところ諸説あるようですが、1974年にプロボクサーの
ガッツ石松氏が両手を上げて勝利の喜びを表したことから、
というものが濃厚のようです。

なお、gutは「内臓、はらわた」のことですが、口語表現として
a man of guts(勇気ある人)などもあります。
一方、「直感」はgut feelingと言います。

先のポスターに話を戻すと、「ガッツポーズ」を描いた広告は
結構ありますよね。人は写真に撮られる際にはVサインが多いですが、
巷ではガッツポーズの広告の方が多い気がします。ちなみに
無料イラスト素材の「いらすとや」でもガッツポーズの絵が沢山ありました。
コメント(0) 

暑い?辛い? [英語]

同時通訳現場で困るのが、「同じ単語でも複数の意味があるもの」
です。たとえばhotという単語。「暑い」と「辛い」の
両方がありますよね。そのようなときは、前後の文脈で
判断して訳出するのが一番です。お天気の話題なのか、
グルメのトピックなのか、全体を鳥瞰図的に把握した上で
瞬時に訳語をひねり出すことになります。

この「推測」は「全然聞いたことが無い単語」にも
応用できます。最近私が遭遇したのはconspicuousということば。
「目立つ、よく見える」という意味です。個人的には
stand outとかapparentの方が馴染みがあるのですが、
なぜか放送通訳現場では結構出てくるのですよね。
その都度、辞書を引いてはノートに書き込みをするのですが、
なかなか覚えられません。私にとってのニガテ単語ですので、
出てくるたびに推測モードです。ちなみにようやく最近になってkidney=腎臓が
出てくるようになりました。ものすごくニガテ単語でした・・・。

ところで冒頭のhot。

「辛い」で思い出したのが、先日、夕食で作った
スパゲッティ・ペペロンチーノでした。
スーパーで頂いてきた月刊の無料レシピ冊子に出ていたものです。
レンコンやゴボウ、そしてエビを炒めてパスタと
あえるシンプルなものでした。

手順は、まず油を炒めてにんにくと唐辛子を加える、
というもの。程よい量の唐辛子(鷹の爪を小さく自分で
カットしたもの)を入れ、その後に食材を入れて炒めました。

・・・が!!

いざ完成して食べたら辛いのなんの・・・。
しかも子どもはワクチンの副反応・発熱からようやく
平常に戻った、いわば病み上がり状態。一方の私は
数日前から続く「複数の口内炎」に見舞われている
というタイミングでした。

一体どうしてそのようなときに限って
ヒーヒー状態になるものを作ったのやら。

おいしかったですけどね(悪あがき中)。
コメント(0) 

breakthrough [英語]


新型コロナウイルスの話題が続いていると、
普通のコトバも感染症関連かと思えてきますよね。
先日、電車内でトレインチャンネルの画面を観ていた際、
とある県の移住促進CMからそう感じました。

と言いますのも、そのPR動画には「移住をすることで
仕事でのブレイクスルーが思い浮かぶかも」といった
ことが字幕で出ていたのです。

breakthroughとは本来「突破、難問の解決」といった
意味があります。著名な経営コンサルタントが創設した
オンライン大学大学院にもこの言葉が使われていますよね。

辞書を引いてみると、breakthroughには「輝かしい発見」
「進歩」という、プラスの意味合いが強い語義が出てきます。
でもコロナではワクチン接種済みでも感染することを
「ブレイクスルー」と言います。よって、私個人としては、
この単語が残念ながらネガティブなニュアンスを有するように
なった気がするのですね。それゆえでしょう。「移住」と
「ブレイクスルー」がかみ合わないように一瞬思えて
しまったのです。

その一方で、「おうち時間」「巣ごもり」「ステイホーム」などからは
ポジティブな雰囲気が醸し出されています。
たとえ外に出られなくても、家の中で充実した時間を
過ごすべく、様々なグッズやサービスもお目見えしているのです。
食事のデリバリーやオンライン・レッスンなどは
その一例です。

「巣ごもり」はそうした活動につながる単語ですが、では
「引きこもり」はどうでしょうか?
同じ「こもり」という単語が使われていますよね。
他にも「こだわり」という言葉はプラス・マイナス両方のニュアンスです。

ちなみに英語でも、

anniversary: 記念日、年忌日
contribute: 貢献する、原因となる
deserve: (賞賛あるいは罰を)受けるに値する

などがあります。

あ~~、おもしろい!!
コメント(0) 

オンラインイベントのお知らせ [英語]

このたび「第一ゼミグループ英語教育オンラインイベント」にて
お話をさせていただくこととなりました。

https://www.event-form.jp/event/21908/daiichisemi

2021年9月23日木曜日午前です。
対象は小学5年生から高校2年生の生徒と保護者様で、
放送通訳者としてお勧めする英語学習法や私自身の
体験談を盛り込む予定です。

宜しくお願い申し上げます。
コメント(0) 

【追悼】遠山豊子先生 [英語]

日ごろ私が指導している通訳スクールよりメールが届き、
同校顧問を務められた通訳者の遠山豊子先生がお亡くなりに
なられたことを知りました。

遠山先生との思い出はたくさんあります。

かつて同スクールで受講生として学んでいたころのこと。
何とか頑張って同時通訳科に進級したのですが、
周囲は優秀な方々ばかり。当時は二人一組で先生が
教鞭をとっておられ、確か週2回のクラスだったと
記憶しています。

あの時代の「学校」というのは、義務教育であれ外部スクールであれ
今とは全く違う指導方法がとられていました。
スパルタ的な厳しい授業だったのです。
今でこそ「褒めて伸ばす」が称えられていますが、
当時はめったなことでは褒められないばかりか、
人格否定も当たり前でした。でも、当時は「そういうもの」
だったのですね。時代の流れとともに人の価値観は
変わってくるのです。

私が在籍したそのクラス。
遠山先生ももう一人の先生も厳しかったのですが、
私自身は「通訳になりたい」という強い思いがありました。
ですので、厳しさはさほど気にならなかったのですね。

特に遠山先生はユーモアを交えた叱咤激励が
素晴らしかったのです。私の訳出にかなり
辛辣なコメントを仰っても、ついクスリと笑いたく
なるような言葉が添えられていました。
「ん?ここで私、笑って良いのかな?でも
先生は本気で注意してくださってるし」
という場面が何度もあったのですね。

一方、スクール・ライブラリーから先生の講演会の
カセットテープ(←時代ですねえ)を借りたこともあります。
通訳者になるための心得についてでした。
その中で、通訳現場にどのような装いで行くかについて
先生は以下のように述べておられたのです:

「通訳現場には全財産の宝石をジャラジャラと
身につけて行かないこと!」

先生の言い回しがとにかくおかしくて、一人
カセットデッキの前で大爆笑してしまいました。

その後90年代に私はロンドンのBBCで働いていたのですが、
偶然にも先生がバース大学の短期集中講座で講師を
務められており、久しぶりにお目にかかることが
できました。すっかりご無沙汰していたにも関わらず、
覚えていてくださり、感激したことを懐かしく思い出しています。

多くの受講生から慕われた先生でした。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。
コメント(0) 

指揮? [英語]


通訳者を目指していたころ、「日常生活の中でも
訓練はできる」と考え、色々と試行錯誤していました。
たとえば、店名や自販機の商品名を日英・英日に変換するのも
その一つです。コンビニの「家族商店」、カフェの「星金」、
自動車の「一般自動車」、携帯の「柔らか銀行」、
缶コーヒーの「上司」、という具合です。
結構私にとっては楽しい作業で、訳しながら一人吹き出して
しまうこともありました。

そうした習慣が今でも続いているのでしょう。
食品パッケージの原材料名もつい読み解きたくなりますし
(これは訳出ではなく、純粋に好奇心)、
お客様相談室のフリーダイヤルのごろ合わせを
究明したくなります。先日、とあるパン・メーカーの
番号が0120-084-835と書かれており、
「ん?これは『おはよう、パ〇コ』のはず」と
確信しました。「3=スリー」から来ているのでしょう
(と言いつつ、正解は確認していませんが)。

というわけで、目から入って来る情報についつい
惹かれてしまうのですね。

先日、とある美術館へ出かけた際、持ち物の
チェックがありました。いわゆる「手荷物検査」です。

で、そこに書かれていた英語表示が、

"Bag Inspections are Conducting"


だったのです。確か日本語表示は「手荷物検査実施中」でした。

うーん、conductを使いたいのはわかります。でもここで
どうしてもその単語を用いたいのであれば、

"Bag Inspections are being Conducted"

とすべきでしょう。"... are conducting"の場合、
私の頭の中に描かれたのは・・・

「数々のデザイン、そして大中小のサイズのバッグが
サントリー・ホールのような立派な舞台にあがっており、
そこでバッグちゃんたちが一斉に指揮棒を振っている」

という光景なのですね。conductは「指揮をする」ことでも
あるのです。

なお、「手荷物検査」は"Bag Check In Progress"と言います。
でもこうして文字にしなくても、ピクトグラムで十分
通じます。試しにsecurity bag searchで画像検索を
してみてください。とても分かりやすい絵が出てきます。
せっかくこの間の東京五輪でピクトグラムが注目されましたので、
日本も中途半端な英語表示より、図示表示がもっと
洗練されたらと思います。
コメント(0) 

発音 [英語]


英語の指導をしていてよく尋ねられるのが、「どのように
すればネイティブのような発音になれるか?」です。
確かに発音が良ければ相手に伝わりやすくなりますし、
かっこよく聞こえれば自分でも嬉しくなりますよね。

日本の英語教育や英語事情を振り返ってみると、
色々な価値観があったように思います。
それこそ戦後のNHKラジオ英語講座など、レベル的に見れば
ものすごく難易度が高かったのですね。
文語表現が多く、そもそも日本語で知識や教養がなければ
太刀打ちできない内容でした。

その後、日本は高度経済成長の時代を迎え、
80年代には「国際」ということばが
人気になりました。バブル期には英会話学校がどんどん
増えていき、ネイティブの先生(しかもなぜか英米系)が
いる、というのがセールスポイントでもあったのです。

また、幼いうちから英語になじませれば、子どもの発音も
良くなる、ということから、早期教育に関心が集まった
こともありました。現に最近は、オールイングリッシュの
幼稚園や保育園が色々な所にあります。

日本人の英語発音でよく言われるのが、LとRが出来ない、
THの発音が下手、という点です。これらをマスターすれば、
よりネイティブ風にはなりますよね。

「でも・・・」

と、その一方で私は思うのです。英語教育がそうした
発音「だけ」を重視するものであっては、むしろこれからの
国際社会を生き延びるのは却って難しいとさえ思います。

と言いますのも、最近私は様々な国籍の方が複数参加される
ウェビナーの通訳をする機会があるのですが、共通言語が
英語という中、どの方もそれぞれのお国訛りの英語なのです。
よって、通訳準備は、セミナー内容の専門知識を学んでおくのは
もちろんのこと、それぞれの国の方がお話される英語の
特徴をつかんでおかなければなりません。それをしておかないと、
当日、同時通訳は困難を極めてしまいます。

通訳者にとってありがたいのは、「たとえお国訛り英語でも
構わないから、とにかくハッキリと大きい声で話して下さる
話者」です。つまり、裏を返せば、私達日本人も、
発音の正しさだけを重視するのではなく、相手に伝えるための
声の大きさやトーンにむしろ着目すべきだと思うのですね。

未来の世代は、多文化他民族共生の日本で生きていきます。
様々な「英語」を聞き取れるようにすることが、実は
喫緊の課題であると私は考えています。
コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。