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パナソニック汐留美術館 [日々の暮らし]

大学や通訳学校の授業がないときは、とりたてて授業準備もないため、
放送通訳のシフト後も少しのんびりできます。そこで月曜・早朝シフトの後、
美術館へ行こうと考えました。
ところが調べてみると、月曜日というのは日本の場合
美術館がお休みなのですよね。

うーん、せっかく行こうと思っているのに、どこか
開館場所はないかしらと探したところ、ありました!
新橋から徒歩圏で行けるパナソニック汐留美術館です。
「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢展」が開催されていました。

もともと私は昔から建築やデザインに興味があるため、
こちらはまさにぴったりのテーマでした。
メインに取り上げられていたのは、ドイツから日本に亡命した
近代建築家ブルーノ・タウト(1880-1938)。
ナチスを逃れての亡命でした。

タウトは桂離宮に美を見出し、生涯に渡って日本びいきでした。
この展示会ではタウトの作品を始め、タウトが影響を及ぼした
他の芸術家についても知ることができます。
ライト事務所で働いていたアントニン・レーモンド(帝国ホテル建設)、
タウトの助手を務めた剣持勇、タウトの講義をノートに残した
詩人の立原道造などについても理解を深めることができました。

中でも印象的だったのが、高崎市の実業家・井上房一郎(いのうえふさいちろう)
です。タウトを日本に招き、工芸品のデザインを依頼しています。
井上は群馬交響楽団の設立者でもあります。

もう一つ私の心に残ったのは、レーモンド氏の夫人ノエミの
ことばでした:

Do away with what you do not need and
let the things be simple and beautiful.

素晴らしい美意識だと思います。生きていく上で美を求め続ける
大切さを感じました。

剣持勇のラタンチェアーもシンプルで美しいもので、見ごたえのある
実物が展示されていました。Wikipediaを読むと、ヤクルトの容器も
剣持の作品だったのですね。ただ、残念ながら本人は1971年に
自死されています。機会があれば剣持に関するリサーチも進めたいと思います。

汐留美術館の隣には旧新橋停車場もあります。
少し歩けば銀座も。古き時代と現在の美を堪能できた一日でした。

https://panasonic.co.jp/ls/museum/

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