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冊子から広がる世界 [日々の暮らし]

過日、「通訳者のひよこたちへ」というコラムで
滋賀県・近江八幡市にある和菓子の老舗「たねや」について
書きました。

私は偶然、この和菓子店のバームクーヘンと出会い、
その企業哲学に魅了され、以来、注目しています。
年明けの実家帰省や恩師へのお土産に、池袋の
デパートに出店しているたねやさんの店舗クラブハリエで
品物を買い求めました。

そのとき、カウンターの上に置かれた商品カタログと
広報誌に目が行きました。いずれも立派なカラー・カタログです。
私はフリーペーパーやスイーツ・和菓子のカタログが
大好きで、機会があればよくいただいています。
今回もスタッフさんに尋ねたところ、無料とのことなので
ありがたく頂戴しました。

その広報誌のタイトルは「ラ コリーナ」です。
たねやさんが近江八幡市で展開しているプロジェクトと
同様の名前です。

本誌2019年Vol.14の特集は「いのちといのち」。
地元の障がい者施設「山なみ工房」が取り上げられていました。
カラー写真が豊富で、利用者の絵画作品などが写し出されています。
企業広報誌と知らなければ、立派なムックのような体裁です。

印象的だったのは巻末にあった英文の概要でした。
本誌の特徴および今号の特集について2ページにわたって
記載されています。

非常にわかりやすい英文でした。
おそらく英語ネイティブの、しかも文学を専門とする方が
書かれたのではと思わせる名文でした。
奥付を見ると、"Translation: Diego Martina"との名前があります。

調べたところ、マルティーナ・ディエゴさんはイタリアのご出身。
日本文学に魅了され、日本語で詩も書いておられます。
2018年には「元カノのキスの化け物」(アートダイジェスト)を
上梓なさっていました。

「ラ コリーナ」の英文がここまで美しいとなると、ディエゴさんの
書く文章はどの言語であれ、ことばの美を体現されているのではと
私は想像しています。

ぜひこの詩集も手に取ってみたいです。

広報誌がきっかけとなり、新たな世界が広がりました。

(「ラ コリーナ」2019年Vol.14 たねやグループ発行)
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