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絵葉書 [日々の暮らし]

美術展に出かけるのが好きで、ときどき足を運んでいます。
先日向かったのは上野の国立西洋美術館。
数年前に世界文化遺産になりましたよね。
ル・コルビュジエの美しい建物の前には、様々な彫刻が
並んでいます。入口に入る前から、すでに芸術的空気を味わえる
空間です。

その日の私のお目当ては「ゴシック写本の小宇宙」でした。
中世のころ、修道士たちが聖書を書き写したもので、
装飾文字が色とりどりに描かれています。
もともと手書きが好きであるため、こうした展示は魅了されます。

企画展は1月26日(日)までで、私が出かけたのはその前日。
ちょうど「ハプスブルク展」も26日まででしたので、
それでは両方の展示を見ようと思って向かいました。

が!!

到着するやすでに長蛇の列。ハプスブルクの方は入場券を
買うだけでもかなり時間がかかりそうです。そちらは諦めました。
一方、入場整理にあたっていたスタッフさんが「今日は常設展が
無料です」と呼び掛けています。何と西洋美術館は
第2・第4土曜日が無料だったのですね。知りませんでした。

「とにかくこの混雑はこたえるなあ。写本も見たいけれど、
まあ常設展だけでも観られれば良しとしよう」と入館。
その時点で私は写本の方も有料だと思っていたのです。

常設展は見ごたえがありました。ゴッホが晩年、精神病棟に
入院していた際、病院の敷地内に咲くバラを描いています。
その作品もありました。スコットランドを描いたフィールディングの
「ターベット、スコットランド」も美しく、
ドランの「ジャン・ルノワール夫人」もうっとりするような
作品でした。

ちなみに美術展へ出かけた際、私はショップで絵葉書を買い求めるように
しています。ただし、購入のちょっとしたルールも自分に設けています。
それは「1枚だけ買うこと」です。明治大学・齋藤孝教授が
美術展で絵葉書を1枚のみ買っておられる様子を著作で読み、
触発されたのです。本来であればどれも欲しいのですが、あえて
絞り込むところに意義があるのですね。

この日私が購入したのはナティエの「マリー=アンリエット 
ベルトロ・ド・プレヌフ夫人の肖像」という1枚。青と白の
ドレスに身を包み、穏やかに笑みを浮かべる美しい女性が
描かれています。

http://collection.nmwa.go.jp/P.1979-0002.html

素晴らしい作品の数々をじかに鑑賞でき、しあわせな土曜日でした。
幸い「写本」も実は常設展の一部となっており、こちらも堪能。
これについては2月4日アップの「通訳者のひよこたちへ」に
寄稿しております。よろしければぜひ。
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ショップカード [日々の暮らし]

最近は会社であれレストランであれホールであれ、
インターネットで検索すると「アクセス」という表記があります。
ここをクリックすれば、その場所までの道順や地図が
表示されますよね。

ただ、ここ数年増えてきているなあと感じるのが、
「グーグルマップ」での表示。精巧なグーグルマップで
その場所がピンポイントで表されています。

これはこれで便利ではあります。具体的な距離感もわかりますし、
拡大・縮小することで今いる場所からそれこそルートを
表示することも可能です。

しかしその一方で私にとっては情報量が多すぎるなあと
感じることもあります。以前であれば大幅な略地図が
アクセスマップとして使われていました。その目的地に
行くまでの目印のみが示されており、その方がわかりやすいからです。
たとえば「あ、ここにデパートがあるのね。その裏かな」
という具合です。グーグルマップでももちろん表示は
されるのですが、色々な店名などが出てしまい、むしろ
どれがマークすべきポイントか私などこんがらがって
しまいます。

その点、ショップカードは気に入っています。
こちらは略地図表記だからです。
先日出かけた銀座のスペインバルのショップカードは
美しい赤がポイントでした。スペインと言えば赤のイメージ。
それを表しているのでしょう。

裏面をめくると系列6店舗が銀座地区に点在していることが
わかります。こちらも略地図なのでスッキリしているのが良いですねえ。

というわけで、ますますショップカード集めに
ハマりそうです。いただいたカードはいずれも書籍の
しおり代わりにしています。
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折るのはナゼ? [日々の暮らし]

日経新聞の毎週土曜日別刷りで連載されている
「マナーのツボ」。マナーデザイナーの岩下宣子さんが
様々なトピックをわかりやすく解説しておられます。
1月25日付では箸袋について書かれていました。
その中で興味深い文章に出会いました。

箸袋を折ったり結んだりすることは私自身、日頃から
心がけています。しかし、おしぼりや砂糖の袋も
結んだり折ったりすることが大事なのだそうです。
なるほど~。

「折る」と言えば、以前ヘアサロンに行ったとき、
面白いことに気づきました。お隣の女性が、ヘアサロンで
出されたアメの包み紙を細く折って結んでいたのです。

包装紙を折り結ぶという光景。これが初めてでは
ありませんでした。他の場所でも見かけたのですね
(みなさんも気になるようでしたら探してみてください)。

細長く折って結ぶケースもあれば、小さな正方形になるように
折りたたんであるのも見たことがあります。さらに
小さな鶴が折られていたことも。

うーん、このように無意識に折る、というのは、
やはり折り紙文化から来ているのでしょうか?
何となく手持無沙汰で無意識に折ってしまうとか?
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NHK「世界へ発信!ニュースで英語術」掲載のお知らせ [掲載]

2020年1月28日放送分の翻訳・解説を担当いたしました。
タイトルは「トランプ大統領弾劾裁判 審理開始」です。

https://www.nhk.or.jp/snsenglish/news/n200128.html

どうぞよろしくお願いいたします。

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「通訳者のひよこたちへ」更新のお知らせ [掲載]

「通訳者のひよこたちへ」第429回がアップされました。
タイトルは『向上のために必要なことは?』、
書籍紹介では「近江商人の哲学『たねや』に学ぶ商いの基本」
(山本昌仁著、講談社現代新書、2018年)を取り上げました。

https://www.hicareer.jp/inter/hiyoko/16970.html

お時間がございましたらご一読いただければ幸いです。
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価値観の推移 [日々の暮らし]

日経新聞には「経済教室」というページがあります。
現代の世の中が抱える経済関連の話題を専門家が
わかりやすく解説しており、私も通訳という仕事柄、
いつも参考にしています。

1月21日火曜日の「やさしい経済学」というコラムには、
「結婚のメリットとデメリット」というタイトルが出ていました。
解説者は東北大学准教授・若林緑先生です。
結婚を経済学の観点からとらえると、「結婚し世帯を
構成することには何らかのメリット」があるとのこと。
たとえば「子どもや愛情」がその一例だそうです。
また、仕事や家事、育児などで夫婦が分担をすることで
生活水準の向上に結び付くとあります。さらに
収入があることで、どちらかが病気になっても、
共働きであれば互いに所得をカバーできるとのことです。

しかし、昨今の結婚率が低くなっている理由として、
若林先生は以下を挙げています:

*自由な時間やプライバシーの低下
*わずらわしい人間関係

つまり、婚姻率が下がっているのは、こうしたデメリットの方が
メリットより大きく感じられるからだそうです。

先日読んだホリエモンの本にも、結婚について興味深い
洞察が書かれていました。価値観は人それぞれであり、
賛否両論はあることでしょう。

けれども時代の流れで価値観は変わっていきます。
もはや従来の考え方「だけ」では進まない社会に
なっているのだろうなあと感じます。
ヘンリー王子夫妻の在り方しかりです。

(日本経済新聞2020年1月21日火曜日朝刊)
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water関連 [日々の暮らし]

以前はスポーツニュースの通訳が大の苦手でした。
今も胸を張って得意と言えるわけではないのですが、
昔のような「できれば逃げ出したい!」というぐらいの
ニガテ意識は無くなっています。通訳業というのは
経験がすべてだなあとしみじみ思います。

スポーツニュースが楽しいと思えてきたのはごく最近です。
特に大きな分岐点となったのが、今年初めに携わった
テニス関連の仕事でした。優勝選手のインタビューです。

通訳の仕事では、エージェントが仕事の依頼をこちらにしてきた時点で
自分のスケジュールとにらめっこすることになります。
日程的にお引き受けできるのであれば、もちろん喜んで
お受けします。ただ、私の場合、たとえ得意分野であれ、
お受けした段階でいつも緊張します。
ましてや未知の分野や難易度の高いテーマになると
内心「私がお受けして良いのだろうか?もっと適任者が
いるのでは?」と弱気になります。

けれどもエージェントは仕事の割り振りのプロです。
それぞれの通訳者の実力や強みなどを把握してくださっており、
そこから判断して誰にどの仕事をアサインするか
決めてくださっているのですよね。ですので、
エージェントが自分に連絡をして下さったということは、
こちらを信頼した上でのことでしょう。であれば
なおのこと、勇気を持ってお引き受けしたいと思います。

さて、先程「大きな分岐点」と書きましたが、実は
CNN World Sportの番組内で、この英語表現を初めて
耳にしました。英語では a watershed moment in
someone's lifeと言います。watershedとは「分水地点」のこと。
water(水)とshed(分岐点)が組み合わさった単語です。

ところで「水」と言えば、またまた先日ソラミミ状態に。
スポーツクラブのレッスンでインストラクターが説明の際
「リズム取り」と言ったのを、なぜか私は

「水太り」

と聞き間違えたのでした。ヤレヤレ。でもこのまま
引き下がるのも何となく悔しいので「水太り」を英語で
調べたところ、flabbyという語が出てきました!
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「優しいガンコ」

月数回シフトで入るCBS Evening News。この番組は
TBS Newsというチャンネルで放映されています。
テレビ局は地下鉄千代田線の赤坂駅の真上にあります。

この通訳業務で私が密かに楽しみにしていることがあります。
それはテレビ局近くのカフェでの朝食です。

実は私は昔からパンが好きなのですが、中でも
「厚切りトースト」に目がありません。
せっかくの早朝シフトですので、あえて少し早めに
自宅を出発し、局入りする前に厚切りトーストの
美味しいカフェで朝食を味わうことを自分への
モチベーションとして実施しているのです。

TBS近くにはいくつかカフェがあり、色々と試して
きたのですが、最近気に入っている所のトーストは
少し小ぶりで食べやすいサイズです。満腹になりすぎて
しまうと頭がボーっとして同時通訳がしづらくなるため、
私にはちょうど良いサイズです。

さて、そのカフェのお隣には某私鉄系列のビジネスホテルが
あります。私は幼いころ、その私鉄沿線に暮らしていました。
7歳の時にアムステルダムへ引っ越す前のことです。
よって、その鉄道には特別の思い入れがあります。

先日のこと。カフェに入店する前にホテルロビーに立ち寄った
ところ、その私鉄の広報誌が置かれていました。
鉄道名を見るやますます懐かしくなり、一部いただくことに。
パラパラとめくってみると、実に内容豊富なPR誌です。

その号で特に印象的だったのは、絵本作家シゲタサヤカさんの
インタビューでした。シゲタさんは料理や食べ物を
テーマに描き続けておられる方です。

絵の特徴は「眼が白目であること」。そう、目の中の瞳が
塗られておらず、〇だけなのですね。

シゲタさんは、編集者とかつてやりとりしたエピソードを
語っています。それによると、やはり編集サイドから
すれば目は黒目の方が良いとのこと。それを指摘されて
いったんは打ち合わせから自宅へ戻ったものの、
やはりご自分にとっての白目は自分の作風であることから、
あえて修正をしなかったと述べています。
そのことについて編集者はこう述べたそうです:

「シゲタさんは優しいガンコですね」

穏やかなシゲタさんではあるものの、
変えないところは変えないというシゲタさんのポリシーを
さしての一言でした。

「優しいガンコ」

これはそう簡単にはできないかもしれません。
ついつい周りと妥協して我慢してしまったりということが
人間にはあるからです。

けれども、私自身、どうしても譲れない部分については
「優しいガンコ」でも良いのだろうなあと
感じた次第です。

(「相鉄瓦版」第265号、2020年1月、
相鉄ホールディングス発行)
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聞き間違え [日々の暮らし]

通訳者という仕事柄、あるいはもともと「活字」好きゆえなのか、
視覚的に入ってくることばにとても魅了されます。
街中で見かける英語などもついつい読んでしまい、
誤植や機械翻訳とおぼしきフシギな英訳など、
しげしげと眺めてしまいますね。職業病です。

一方、耳から入ってくることばにも注目しています。
先日、関西へ出かけた際に乗車したのが近鉄。
車内アナウンスに耳を傾けたところ、
終点を伝えるアナウンスは、

「この電車は次までです。」

という表現でした。私が日ごろ関東圏で乗る電車の場合、

「この電車は当駅止まりです。」

というフレーズをよく耳にします。ですので、

「次までです」

は新鮮に聞こえました。

ところで、耳から入ってくることばというのは、
ときどきトンチンカンな聞き間違いをしてしまうことが
私の場合はあります。

先日のこと。都内のデパートの特設会場では某地方の
物産展が開かれていました。たまたま通りがかった際、
私の耳に入ってきたのは、

「ポンコツと鶏ガラのオリジナルスープ」

という表現でした。

ええっ?ポンコツ?自動車?

と一瞬耳を疑いましたが、ハイ、その通りです。
「豚骨」でした。

思わず自分の勘違いに笑ってしまいました。
ああ、ことばってホントに面白い!!
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「すぐ使える英語表現」更新のお知らせ [掲載]

第216回は barnstorm を使ったフレーズです。

https://www.hicareer.jp/inter/housou/16941.html

どうぞよろしくお願いいたします。

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