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NHK「世界へ発信!英語術」掲載 [掲載]

11月22日木曜日放送分の翻訳・解説を担当いたしました。
「”こうのとり”のカプセル回収」というニュースです。
お時間がございましたらご一読いただければ幸いです。

https://www.nhk.or.jp/snsenglish/news/n181122.html

どうぞよろしくお願いいたします!
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熱しやすくて冷めやすい [日々の暮らし]

通訳の世界で仕事をしていると、業務を通じて華やかな世界を
垣間見ることがあります。たとえば高額商品を扱う商談、
視察先で見学する豪華な施設、ファッション関連の仕事などは
そのごく一部です。

こうした世界が世の中にはあるのだと気づかされるだけで、
自分の価値観も大いに変わります。今までは自分の
半径数メートル以内で収まっていたことが、実は
それだけではないのだと考えを新たにするのですよね。
「こんなに地味な日々を送っていたけれど、
実はこれほどきらびやかな世界があったとは!」という
衝撃です。私自身、仕事を通じてそのような美しさや
華やかさに触れることができ、開眼したことがありました。

それらがあこがれとなり、「もしかしたら自分も頑張れば
そのような世界に仲間入りできるかしら?」などと
錯覚することも、生きていればあります。私も
そうした思いにとらわれたことが少なくありません。
ずっと日々、必死に生きてきたけれど、それだけが
人生ではないのではないか?こうした美しい世界の
仲間入りをしてもバチはあたらないのではという思いです。

そのように思うと、それをめざしてあれこれと動くようになります。
たとえば、美しい時計の存在を知り、欲しいと思うように
なったとしましょう。今現在使っている時計も好きなのですが、
そうした新しい世界を知ってしまうと、手持ちのものが
色あせて見えてしまいます。少し節約して貯金すれば、
買えるかもしれないと思うようになるのです。

時計だけではありません。車や家、宝飾品、洋服など、
色々とありますよね。

私の場合、こうして一時期、わーっと情熱を傾けて
そのことばかりを考えるようになります。いつか
手に入れたいなあと思い続けます。

ところが不思議なもので、何かひょんなきっかけで
サーっとその情熱が冷める日がやってきます。
あそこまでワーワー騒いでいたのに、ぴたっと
熱が冷めてしまう。周りにも公言していたのに、一体なぜと
周囲も思うことでしょう。

要は熱しやすくて冷めやすい性格なのだと思います。
周りからは「まったくもー、さんざん騒いでいて
何、この冷め具合は?」と突っ込まれそうです。
けれども当の本人は、何か大きな理由があるわけでもなく、
冷めてしまうと冷めてしまう、それだけなのです。
つくづく我ながら「難しい性格」だなあと思います。

ただこの習性も、私の場合、通訳業を続ける上では
有益なのかもしれません。何しろ通訳の仕事というのは、
一つの業務で一つのテーマをあてがわれます。
つまり、通訳本番までそのこと「だけ」に
情熱を傾けねばならないのですから。
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潔くあきらめる [仕事]

セミナーで質疑応答時間になった際、「通訳者か翻訳者、
どちらになるべきか迷っています」というお尋ねを受けることが
あります。「英語は好きだしそれを仕事にしていきたい。でも
どちらが自分に向いているのかわからない」というお悩みです。

この2つの選択肢を前に迷ったことは、私自身、経験が
あります。20代のころでした。通訳業務も好きなのですが、
その場で瞬間的に訳語が出てこず、悔しい思いをしたときに
この問いが頭の中に浮かぶのです。「翻訳であれば
じっくりと訳語を練れたのに」という無念さです。

運よく当時、通訳業務以外に翻訳の仕事を頼まれたことが
ありました。映像翻訳です。ドキュメンタリーの原稿を作成し、
読み合わせもしてナレーターが読みやすいよう、
尺合わせもして耳から聞いてわかりやすい語も練るという、
非常にやりがいのある仕事でした。じっくり調べ物も
できます。また、当時は子どもたちが小さかったので、
保育園に預けている間に集中して自宅作業を進め、
お迎えに行っていました。ワーク・ライフ・バランスが
とれる仕事でした。

けれどもしばらくすると私は行き詰まりを感じてしまいました。
これは自分の体の構造上の問題(?)だとも思うのですが、
どうも「家の中で一日中じっと作業をしていること」が
性に合わないと思えてきたのですね。歩いて駅まで出かける、
電車に乗る、街を行きかう人を眺める。そういった
何気ないことが、私自身の心に大きな影響と刺激を与えていると
改めて感じたのです。

映像翻訳も好きな作業でした。自宅で仕事ができるというのも
大きな魅力です。けれどもその時の私は、「とにかく外にまた
出たい!」という思いがどんどん募っていきました。
その結果、少しずつ外の通訳業務を増やし、自宅作業を
減らしていったのです。

あの時私は自分の価値観や能力を客観的にとらえ、
自宅作業は自分に向いていないと結論付けました。
その結果、翻訳に関しては「潔くあきらめる」という選択をしました。
それは今でも間違っていなかったと思っています。

自分には向いていない。
自分が想像していたこととは、やはり異なる。

そうした気づきが心の中で出てきたのであれば、
ズルズルと「現状」に引っ張られるよりも、
それを良い意味で「捨てて」次に進む勇気も必要だと思うのです。
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褒めて育てること [仕事]

私が子どものころというのは、教育の世界は今と大いに異なりました。
今のように「褒めて伸ばす」というものからは程遠かったのです。
先生は常に怖い存在。子どもたちは叱られないようにと
緊張していました。

確かに、これはこれで「けじめ」があったのかもしれません。
けれども時代によって価値観は変わります。
昔のやり方だけを押し付けたとしても、もはや後進が付いてこない
次代となっているのです。

これは教育現場に限りません。クラシックの世界でも同様だそうです。
そのようなことを指揮者のパーヴォ・ヤルヴィさんが述べていました。
以下、日経新聞のインタビューから印象的だった箇所を
ご紹介します。

「(首席指揮者は楽団員たちと)時間をかけてお互いを理解し、
信頼関係を築いていきます。信頼関係の構築に
近道はありません」

「(人間関係の築き方というのは)日々の仕事の中で、
失敗を積み重ね、試行錯誤しながら身につけていくしかないのです」

「指揮者が威圧的な態度だと、奏者のモチベーションは
上がりません。モチベーションが上がらなければ、
演奏にも響く。相手を脅して言うことを聞かせようとするのは、
非常に非生産的なやり方です。」

かつて私は若かったころ、通訳者デビューを果たすべく
スクールに通っていました。当時の指導はスパルタ方式。
講師も非常にオソロシイ存在でした。ヤルヴィ氏が言う
威圧的な態度は当たり前だったのです。けれども私はこれに
疑問を感じ、結局退学しました。伸びるはずの能力が
強権的な雰囲気のクラスでは発揮できないと感じたからです。

今、振り返ってみて思うこと。それはあの時の自分は
あの時点で最善の選択をしたのだ、ということです。
なぜならクラスの中で鬱々と過ごすのではなく、
自力でエージェントにダメモトでアプローチし始めることとなり、
それがデビューにつながっていったからです。

そう考えると、私に「動き出すパワー」を与えてくださったのは、
他でもない「威圧的な講師」だったのかもしれません。
途中経過が何にせよ、終わりよければすべて良しということになります。

ちなみにヤルヴィ氏の師匠は、あのバーンスタイン。
若きヤルヴィ氏の指揮を見るやバーンスタインは
"Great! Sensational! Fantastic!"と褒めちぎり、持ち上げたそうです。
そしてその後に改善個所を厳しく注文してきたとのこと。
褒められた後なので素直に聞き入れたとヤルヴィ氏は述懐しています。

(「私のリーダー論㊤」NHK交響楽団パーヴォ・ヤルヴィ首席指揮者
日本経済新聞2018年11月1日木曜日夕刊)
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JACI(日本会議通訳者協会)掲載 [掲載]

連載中の「柴原早苗の通訳ライフハックス!」を更新しました。
今月は第4回「体調管理」というタイトルです。

https://www.japan-interpreters.org/news/lifehack-shibahara4/

どうぞよろしくお願いいたします!
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「通訳者のひよこたちへ」更新のお知らせ [掲載]

「通訳者のひよこたちへ」第373回がアップされました。
タイトルは『異なる視点を持つ』、書籍紹介コーナーでは
「池上彰のニュースに登場する世界の環境問題(10)エネルギー」
(アンジェラ・ロイストン原著、池上彰監修、さ・え・ら書房、2011年)を
取り上げました。

https://www.hicareer.jp/inter/hiyoko/14083.html

お時間がございましたらご一読いただければ幸いです。
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ヘリコプター体験搭乗 [日々の暮らし]

今年度に防衛モニターを務めていることもあり、
色々なイベントの招待をいただいています。
昨日はヘリコプター体験搭乗イベントに参加しました。

生まれて初めてヘリコプターに乗ったのは、
子どもたちがまだ小さいときでした。よって、今回は2回目です。
当時はなるべく多くのことを我が子に体験させたく、
乳幼児の頃からあちこちへ出かけていました。
その時に参加したのは民間会社が主催する20分ツアーだったのですが、
乗り物大好きな子どもたちは大喜びでしたね。
一方の私は、実は高度恐怖症なのですが、子どもたちの喜ぶ顔に
恐怖も吹き飛び、大いに楽しみました。

ちなみにその数か月後には、熱気球搭乗も体験。
こちらはヘリと異なり窓も囲いもありませんので、
私など膝がガクガクでした。でも、やはり子どもたちが
大喜びでしたので、参加して本当に良かったと今では思っています。

そして今回の自衛隊ヘリ体験搭乗。

乗せていただいたのはUH-1Jという富士重工製のヘリでした。
安全講習を事前に受けるのですが、その後には
隊員さんたちへの質疑応答時間もあり、色々と
貴重なお話が伺えました。

搭乗時間は20分ほどでしたが、今回は大宮駅からさいたま新都心、
与野のあたりまでをグルっと一周しました。
朝の時点では曇天だったのですが、ちょうど私たちが
乗ったときは秋晴れとなり、本当によく景色が見えました。
地元を空から眺めてみて、とても嬉しかったですね。

日ごろは地上からの景色しか目に入らない中、
こうして遥か遠方まで見てみると、本当に美しいなあと
感じました。本来であれば一般市民は自衛隊ヘリには
搭乗する機会も滅多にありません。ですので、それだけに
大いに堪能したイベントでした。

UH-1Jについてはコチラ:

http://www.mod.go.jp/gsdf/neae/6d/equipment/uh1.html
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NHK「世界へ発信!英語術」掲載 [掲載]

11月19日月曜日放送分の翻訳・解説を担当いたしました。
「シリア国立博物館 6年ぶりに開館」というニュースです。
お時間がございましたらご一読いただければ幸いです。

https://www.nhk.or.jp/snsenglish/news/n181119.html

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レーシングドライバー・佐藤琢磨選手のことば [日々の暮らし]

CNNではスポーツニュースもたくさん出てきます。
私にとっては以前、大の苦手分野でしたが、
そうも言ってばかりはいられません。
ひたすら勉強して知識を身に付ける。
失敗してもあきらめず、次への再発防止を考える。
嫌いと言わず、できるだけ好きになるよう意識を向ける。
こうしたことを通じて、少しずつ少しずつ
スポーツニュースに慣れてきたように感じています。

中でも頻繁に話題になるのがF1を始めとする
モータースポーツです。数か月前には、日本で行われた
レースの話題が取り上げられました。名前が挙がっていたのが
佐藤琢磨選手です。

佐藤選手の活躍は色々なところで取り上げられています。
プロフィールを読むと、モータースポーツを始めたのは20歳のとき。
しかもF1への登竜門であるF3に挑戦すべく、単身で
イギリスへ渡った経歴の持ち主です。

レーサーになるための秘訣として、佐藤選手は
インタビューでこのように応じています。

「負けず嫌いですよね、基本的に。
それはすべてのことに対してではなくて自分の好きなもの
だけですけど。それが僕にとっては自動車レースで、
極めたいという気持ちがすごく強かった。
失敗もたくさんあるし、自分が劣っている部分もいっぱい
見えてくるんです。そこがまず面白くないですよね。
だからそこを何とかしてやろうと思い続けることが、
モチベーションにつながったのかな、と思います。」

さらに、「継続すること」については以下のように語っています。

「人間、誰でも好きなことが一つや二つは必ずあると
思うんです。そこに真正面から向き合って、動いていくことじゃ
ないでしょうか。人に言われるんじゃなくて、自分自身の
内から出てくる力がきっとあると思う。」

日常生活において「負けず嫌いさ」を前面に出してしまうと、
軋轢が生じてしまいますよね。けれどもそのエネルギーを
内なる自分に向け、実際に行動につなげていく。

その積み重ねが大事なのだと思います。

(「勝負の瞬間 世界で戦う突破力」
BS朝日『勝負の瞬間』編、角川マーケティング、2011年)
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恐るべし、検索ワールド [仕事]

放送通訳をしていると、色々なニュースが出てきます。
戦争、伝染病、事件、事故、政治、スポーツ、経済など
挙げればエンドレスに続きそうです。私自身の
得意分野もあれば、出てくるたびに冷汗をかきながら
同時通訳するテーマもあります。毎回、その都度勉強です。
どのようなニュースであれ、画面をしっかりと見ながら、
登場するレポーターやゲストなどの口の動きや表情などを
読み取りつつ、ひたすら通訳を続けます。

とは言え、「どーしても画面を真正面から見られない」ニュースも
あります。私の場合、「爬虫類が出てくるニュース」です。
特にヘビが大の苦手です。先日も中国からの話題で、
とある銀行のスタッフミーティング中、天井から
大蛇が振ってきたというびっくり仰天ニュースがありましたねえ。
しかもCNNの編集サイドが面白いと思ったのか、何度も
再生しては流し、しかも次の時間帯でも取り上げていました。
その都度、なるべくヘビを見ないように通訳したのでした。ふー。

一方、比較的直視できるのが紛争地帯からのニュースです。
伝染病や飢餓などの話題もそうなのですが、真正面から見つつ、
必死に通訳をしています。記者たちが命がけで撮影した話題ですので、
何としてもそれをきちんとした日本語にしたいという思いが
あるからなのかもしれません。負傷者やご遺体、血だらけの光景なども
目に焼き付けるようにしています。こうしたニュースが少しでも減る、
そんな世界を願っています。

ちなみに映画館に出かけた際、色々な予告が流れますよね。
そちらの血だらけ映像は全くもって直視できません。
おどろおどろしいBGMが流れ始めれば大体の内容が想像できますので、
「あ、サスペンスの予告かな?」と思うや、目をつむってしまいます。
それぐらい苦手です。

放送通訳現場ではちゃんと見られるのに、なぜ人工的に作られた
映画では見られないのか、我ながらフシギです。

ところで先日、授業準備でワニのことを調べました。
するとその翌日からネットの広告画面には「爬虫類センター」などが
出てくるではありませんか。苦手だというのに・・・。

恐るべし、「自立学習・検索ワールド」!
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