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思い出がよみがえるとき [日々の暮らし]

友人と話をしていたときのこと。人事異動でしばらく
Tという街に通勤していたと聞かせてくれました。

その街は私にとって本当に懐かしい場所です。
と言いますのも、中2でイギリスから帰国した当初を思い出すからです。

帰国直後、私は家の隣にあるマンモス公立中学校に
編入しました。ところがその学校が帰国子女を受け入れたのは
私が初めてでした。先生方も対処法がわからずじまいだったのです。
しかも当時は学校が荒れていた時代。学年を超えて
全校生徒がわざわざ私のことを教室まで見に来ました。
「なんかさあ、ウチの学校にガイジンが入ったらしいよ」と言いながら。

私はその学校に適応できず、1週間通っただけでギブアップしました。
幸い学区外に帰国子女受け入れ校があることを知り、
そちらに通うことにしたのです。
その中学校があったのがTという街でした。
1時間以上かけての遠距離通学が始まりました。

その学校は校長先生を始め先生方が素晴らしく、私は
のびのびと学校生活を楽しむようになりました。
友人もたくさんでき、毎日が充実していきました。

ところが中3になるのを前に転居が決まってしまったのです。
父の仕事の都合でした。結局、Tの街まで通ったのは
わずか半年です。けれども私にとってはたくさんの思い出の詰まった
ものとなり、あの時期が今の自分を支えてくれているとも思っています。

以後、私はTの街へ行く機会がないまま、現在に至っているのですが、
友人がその街の名前を口にしてくれたおかげで、
楽しかった14歳の頃があざやかによみがえりました。
おそらくあの会話がなければ、記憶の奥底にしまわれたまま
だったと思います。

ひょんなきっかけで、しばし幸せな時間に浸れたのでした。
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