SSブログ

「咳をしても一人」 [仕事]

幼少期にいたイギリスの学校では「自分で考えて行動しなさい」と
よく先生から言われました。一方、日本に中2で帰国した際、
普通の授業でも「班になって皆で協力」という方法を体験し、
皆で行動することが新鮮に映ったものでした。

イギリスの場合、グループ活動こそ授業内でありましたが、たいていは
先生が「グループになって」の一言でその場で適当に
集まります。もっとも私の場合、英語が全然話せず、
どうしても厄介者状態になって常時あぶれていたのですが、
その話はいずれまた。

というわけで、中学以降の私は班や集団行動に対しては
「仲良しと一緒に作業ができる」という楽しさを感じていた半面、
窮屈さを時折感じることも少なくありませんでした。

会社に入ってからも仲の良いスタッフとの食事会には
喜んで出かけるのですが、ただでさえの遠距離通勤、
お義理の飲み会は苦痛でした。まだ下っ端ですので
断るわけにもいかず、くたくたになって帰宅し、また翌朝には
ラッシュにもまれての出勤が辛かったですね。
フリー通訳者になったのも、「人混み&ラッシュが大の苦手」
という要素が大きいと思っています。

フリー通訳の場合、現場に行けばチームやペアなどで協力しますが、
それ以外は基本的に一人です。家で仕事の準備をしているときは、
尾崎放哉の「咳をしても一人」のような感じですね。
私の場合、それに慣れるにしたがって自分なりの楽しみの見つけ方も
増えてきたように思っています。

「美術館やコンサートへ行く」「一人散歩をしながら空の雲を
眺めたり考え事をしたりして過ごす」などは、
私にとって孤独と正反対にあります。物理的には一人なのですが、
非常に豊かな時間になるのです。そのようにして充電をして、
また翌日の早朝・放送通訳シフトに備える。

そんな毎日を送っています。
コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。