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植物名が歴史の扉を開けてくれた [日々の暮らし]

先日、とあるマンションの前を歩いていたところ、
色々な植物が植えられていることに気づきました。
花や木にラベルが付けられていたのですね。私は
そうした表示を見るのが好きで、その時も注目しながら
歩き続けました。

たくさんの木の中の一つにあったラベルが「シマトネリコ」です。
一瞬、「しま」「とり」「ねこ」と読めてしまったのですが、
シマト「ネ」リコです。漢字で表記すると、「島土禰利古」「島梣」だそうです。

インターネットで調べたところ、「シマ」は沖縄諸島を指します。
シマトネリコは琉球諸島から台湾、インドなどにかけて
分布しているためこの名前のようです。
トネリコ(梣)とはモクセイ科の落葉高木です。木へんに「岑(みね)」
という漢字です。

一方、学名Fraxinus griffithiiのgriffithiiは、インド植物の
研究をしていたW.グリフィスという学者名からとったとあります。
さらに調べてみるとグリフィスとはWilliam Griffith (1810-1845)の
ことで、イギリス出身の医師・植物学者と出ていました。
生まれはサリー州Petersham近くのHam Commonという村です。
地図で調べてみると、ロンドン南西部リッチモンドパークの
端の方に位置していました。

グリフィスはロンドン中心部で外科医の弟子入りをし、
ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ(夏目漱石が留学した大学)で
医学を修めたそうです。その後、マドラス、ビルマなどで医師として暮らし、
マラッカにて病気で亡くなっています。年齢を計算すると若干35歳です。

19世紀当時のインドと言えば、イギリスが植民地支配を
していたころですよね。当時は「イギリス領インド帝国」と
呼ばれていました。そして歴史は流れ、第二次世界大戦へと至り、
3月下旬に公開される映画「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから
世界を救った男」でもインドの話が出てきます。
そう考えてみると、歴史がつながっていることを改めて感じます。

たまたま見かけた植木が世界へ歴史へと目を向けさせてくれたのでした。
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