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電話の受け答え [英語]

先日、海外送金方法について調べるため、
代理店数社に問い合わせの電話をしました。
ネットで色々と調べたものの、まだ不明点がいくつかあったからです。

電話というのは、コミュニケーションを生業としている私にとって
実は興味深い手段です。と言いますのも、顔が見えない分、
相手がどのような反応を示すかによって印象が大きく異なるからです。

まずはA社。
呼び出し音数回にしてすぐにスタッフが出てくれました。
「〇〇社〇〇支店、担当△△です」と朗らかな声です。
こちらの状況を説明すると、「取り扱っております」との答え。
営業時間を尋ねると、きちんと説明してくれました。
そして電話を切る際には「お待ちしております」と明るいあいさつでした。

B社の方は落ち着いた受け答え。平日と休日の営業時間が
異なることも説明してくれました。

一方のC社。
こちらの状況を説明し、「取り扱っていらっしゃいますか?」と
尋ねると一言、

「扱っておりません」

だけでした。電話を切る時もこちらが「ありがとうございました」と
述べたものの、無言でした。

うーん・・・。

若いころの私であれば「何あれ?どーしてあんな受け答え?」
とキリキリしたはずですが、年を重ねて、しかも意思疎通に興味のある
私からしてみると、分析するのがむしろ楽しくなってきます。

「昼食時間直前でお腹が空いていたのかしら?」
「同じような問い合わせが続いていて、うんざりしていたとか?」
「上司に叱られた後だった?あるいは部下を注意した後だった?」

などなど、ついあれこれ想像してしまいます。

もちろん、「取り扱っているか否か」を尋ねた私にしてみれば、
事実情報としてイエスかノーかを知ることができれば十分なはずです。
けれども、その答え方ひとつでいくらでも印象は変わるのですよね。

「申し訳ございませんが、取り扱っておりません」
「あいにく扱っていないのですが・・・」
など、お詫びの言葉を冒頭に付けたり、文末を濁すことで
いくらでも和らぐのが日本語の特徴です。

ちなみに英語でも「ノー」と言う際に色々と気を遣うようですね。
カスタマーサービスに関連した面白いサイトを見つけました。

https://blog.hubspot.com/customer-success/customer-service-phrases-avoid

イラスト付きで分かりやすくなっています。
先ほどのblunt answerがきっかけで、こうして楽しいサイトが
見つけられたのですから、私にとっては万事オーライです!
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コラム更新のお知らせ [各種連載]

「通訳者のひよこたちへ」第345回がアップされました。
タイトルは『どうせ現実逃避をするなら』、書籍紹介では
"An Illustrated History of Japan"(Shigeo NIshimura,
Tuttle Publishing, 2005)を取り上げております。

http://www.hicareer.jp/inter/hiyoko/345.html

「放送通訳者直伝!すぐ使える英語表現」
第174回はThat's another cup of teaというフレーズです。

http://www.hicareer.jp/english/housou/174.html

どうぞよろしくお願いいたします。
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気持ちを感じとること [仕事]

紙新聞を読んでいて幸せに感じる瞬間があります。
それは、思いがけないタイミングで珠玉の言葉に出会えることです。
先日もそうでした。私が感動したのは以下のことばです。

「お客様が口にした『言葉』に答えただけでは、
コンシェルジュの仕事にはなりません。
何を求めていらっしゃるのか、気持ちを感じとり、
読み解いて、それに応えてこそ、本当のコミュニケーション。
それがあって初めてもっとも適した解決法も提供できます。
それには、相手に喜んでもらいたい、そのために相手の
真の望みを知りたい、と本気で興味、関心を持つことです。」

こう語るのは日本のコンシェルジュの草分け、阿部佳さんです。

これは通訳業にも当てはまります。
話し手が何を伝えようとしているのかを思いながら通訳しなければ、
単なる機械的な訳に終わってしまうからです。

通訳の現場では、臨機応変さも求められます。
「一字一句訳すよりも、簡潔にまとめて訳してほしい」
という要望を受けることもあります。
「通訳学校では全訳するよう指導された」と言って
お客様のリクエストにこたえられないようでは、
プロとしてやっていくことはできないのです。

相手が何を考えているか。
どのようなことを求めているのか。

「気持ちを感じとる」ことの大切さを、この文章から私は
改めて考えさせられたのでした。

(「言葉の裏にある気持ちを読み解く」阿部佳、
日本経済新聞2018年3月11日朝刊)
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The Chicago Manual of Style [英語]

ロンドンの大学院で学んでいたころ、論文の書き方指導の際、
注意点として言われたことがありました。それは
参考文献をしっかり書くということです。具体的には
著者名、書名、出版社名と出版年を必ず明記するというものでした。
以来、書籍を紹介する際はこの4項目を書く習慣ができましたね。

先日出かけたロンドンでも色々なところで本の紹介を
目にしたのですが、やはり出版年まで書かれていたものが
多かったように思います。

出版年が出ていると便利です。たとえばその情報が古いのか新しいのか
わかりますし、図書館での検索もしやすくなります。
日本でも普及してくれたらなあと思います。

ところで論文執筆の際、参考にしたのはThe Chicago Manual of Style
という本です。これは研究論文執筆者にとってはバイブル的存在で、
論文の書き方が総括的にまとめられた一冊です。
すでに17刷と何度も版を重ねています。最新版は2017年発行です。



The Chicago Manual of Style

The Chicago Manual of Style

  • 作者: University of Chicago Press
  • 出版社/メーカー: Univ of Chicago Pr
  • 発売日: 2017/09/05
  • メディア: ハードカバー



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連載アップのお知らせ [各種連載]

「放送通訳緒世界」第3回『トラブル発生!どうする?(機材編)』が
アップされました。
http://www.japan-interpreters.org/news/broadcast-shibahara3/

どうぞよろしくお願いいたします。
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元々なかったのだから [日々の暮らし]

先日ロンドンを訪れた際、日本との違いを色々と感じました。
その一例として「無料のものをもらうか否か」が挙げられます。

日本でもイギリスでも、街中を歩いていると色々と配っている人を
見かけます。配るものは日本の場合、ポケットティッシュやサンプル品、
チラシなどです。ロンドンも同様で、チラシや冊子のようなものを
配っていました。

日本の場合、そうした無料品を受け取る人が比較的いるように
見受けられるのですが、イギリスの場合、"Where's the catch?"と
どうも人々は思うようなのですね。何か裏があるのではないか、
買わされるのではないかという警戒心です。ゆえにあまり
積極的に受け取る人がいないと感じました。

毎回ポケットティッシュをいただいていれば、それこそ
わざわざお金を払ってまでティッシュボックスを買う必要すら
ないのではというぐらい、無料でもらえる機会が多いというのが
日本です。

ところで無料品といえば銀行や郵便局をはじめ、
何かと取引先から「お礼」という
形で頂き物をすることがありますよね。キッチングッズしかり、
筆記具やノートなど同様です。そのようなものはたとえ
自分の好みでなくても「せっかくいただいたのだから」という
思いが出てしまい、とっておくというケースが多いと思います。
ただ、あまり趣味でもないものを「もったいない」という
思い「だけ」でとっておいても、今一つ使用時の喜びが
大幅に高まるとも思えません。

私の場合、「本当に必要か?」とまずは自問自答し、
答えがノーである場合、「もともと手元になかったのだから」と
言い聞かせてチャリティ団体に寄付しています。
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nium単語から語源調べへ [英語]

先日のブログでtitaniumやuranium、aluminiumなどについて
書きました。

私は電子辞書の「ワイルドカード検索」機能が好きで、よく
使っています。これは不明な単語を調べる際、わかっているスペルだけ
入れると候補が出てくるという機能です。
「niumで終わる単語は他に何がある?」と思った時、
この機能を使えばすぐにわかるのですね。早速使ってみたところ、
achenium(痩果)からzonal geranium(ゼラニウム)まで
大量に出てきました。

さて、そのgeraniumですが語源を調べたところ、
geranos=craneとありました。「鶴?」と思い、不思議に
思ってさらに調べると、ゼラニウムの実の形が鶴のくちばしに
似ているため、このような名前になったのだそうです。
確かにグーグルで「ゼラニウム 実」で画像検索をかけると
そっくりでした!

こうなると他の花の由来も気になります。

tulip: tulbend。トルコ語で「ターバン」。形と色がにているため
rose: ラテン語のrosa(バラ)
cymbidium: ギリシャ語のkumbe(cup)

kumbeがcupというのも、言語の近さを感じます。
私にとって「語源調べ」というのは本当に楽しい作業で、
特にラテン語やギリシャ語など英語の語源となっていることばは
いつか本格的に習いたいと思います。昨年夏にアテネ・フランセで
ラテン語の入門講座を履修したのですが、また機会があれば
本格的に学びたいですね。
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出先での辞書引き [英語]

スマートフォンのない生活をおくっている分、英語学習のきっかけに
なるものを自分なりに探したいと思いながら日々を送っています。
電車の中の吊り広告やトレインチャンネルに出てくるニュースなども
すべてきっかけとなります。

先日のこと。花粉症対策として新しいマスクが発売されたという
広告がありました。その中に出てきたのが「チタン」という単語です。
私はカタカナを目にするたびについチャンスと思ってしまいます。
というのも、たいていは英語など外国語がそのままカタカナになっているからです。

チタンはtitaniumです。もともとは巨人のタイタン(titan)から来た
単語です。ここから私の妄想(?)は広がるのですが、巨人とくれば
野球チーム、あるいはマーラーの交響曲第一番「巨人」なども
頭の中に出てきます。そしてマーラーからワーグナーへと大好きな
クラシック音楽へと考えは飛びます。

再びtitaniumに思考を戻せば、今度は「niumという語はほかに何が
あるかしら?」と考え始めます。uraniumもそうですし、
aluminiumなどもありますよね。こうして出てきた単語を
一つ一つ電子辞書で引き、英和辞典の語義を読んだり
英英辞典の英語による説明を眺めたり、例文検索で
文章を探したりという感じで遊んでいきます。

私の場合、勉強というよりも「まずは楽しく」が大前提です。
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やらないことへの言い訳 [日々の暮らし]

「どうしても気乗りせず、やりたくない」ということは
誰にでもあると思います。人間ですので、そのときの体調や心境、
多忙さやそれこそ天候などによって影響を受けるのでしょう。
私も「今日は快調!」という日もあれば、腰が重いときも
あります。大事なのは何事にも前向きに取り組めるよう、
まずは心身を整えることなのでしょうね。

私の場合、気持ちが乗らないときというのは、
全力で「やらないための言い訳」を考えてしまいます。
自分が好きな作業であればそれほどでもないのですが、
未知の分野であったり元々苦手な作業の場合、
言い訳づくりが甚だしくなります。

たとえば、仕事上、読まなければいけない本であることは
わかっていても、何となく食指が動かないときなど、
ネット上のコメントをつい覗いてしまいます。
「ほら、やっぱりこの本は難しいって他の人も言っている」
という具合に、自分と同一意見を探し出しては安心し、
ますます「読まないための言い訳づくり」に励んでしまうのです。

我ながら稚拙な対処法だなあと呆れてしまうのですが、
苦手なことに対して人間というのはあらゆる知恵を絞って
逃避をするのでしょう。

けれども、このようなアプローチではいつまでたっても
前に進めないどころか、気持ちはますます後ろ向きになってしまいます。
そして作業に取り組まないまま日々だけが過ぎ去り、
最後になって慌ててしまい、効率も落ち、クオリティも下がる
という結果になってしまうのです。

ガス抜きということであれば、こうした逃避もありだとは思います。
けれども自分で「期限」を設けなければ、苦しむのは
自分なのですよね。時間を制限してその時点になったら、
あとはどのようにしてプラスの視点を持つかということになります。

・・・もっとも、そもそもネガティブアプローチを
ネット経由でおこなうこと自体が問題なのであって、ポジティブな観点を
探し求めれば、落ち込んでいる気持ちも引き上げてもらえそうです。

まずはプラス思考が大事だと感じます。
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ブリティッシュ・ベイクオフ再び [日々の暮らし]

2週間ほど国外にいたため、2回連続で「ブリティッシュ・ベイクオフ」を
見そびれてしまいました。その間に脱落した人が二人おり、
5日のDlifeで放送された際は準決勝になっていたのですね。
女性4名でのチャレンジとなりました。

今回脱落したのはベッカ。ウェールズ出身の彼女らしく、
これまでもウェールズのレシピや素材が使われており、
興味深く見ていました。頑張っていたのに惜しかったですねー。

この番組を見ていて感じるのは、それぞれの挑戦者の個性が
コメントにも表れているという点です。焼き上げるお菓子にも
もちろん特徴があるのですが、むしろ私が注目するのは
各自の発言なのです。

たとえばキンバリーは、自己肯定感が強いタイプ。
思い通りにいかない出来栄えでも笑顔。
厳しいコメントをジャッジからもらっても「次は頑張る」
というとらえ方です。いつもニコニコ笑顔の彼女です。
ちなみに彼女は自分のHPも持っており、先日応援メッセージを
お送りしたところ、お返事を下さいました。うれしかったですねえ。

デザイン性豊かなフランシスは、淡々としたタイプ。
ジャッジのコメントはそのまま受け入れると同時に、
デザインすること自体をこよなく愛している印象です。

唯一の大学生ルビーは慎重派と言うか、自分についつい
ダメ出ししてしまうタイプのようです。まだジャッジの二人が
何も言っていないのに謝ったり、うまくできなかった言い訳を
口にしたりしてしまいます。

今回惜しくもさよならとなってしまったベッカは、
どちらかと言えばプライドが高いタイプだと思います。
特にポールの厳しいジャッジに対しては内心つい反発してしまう
という感じがしました。現にイギリスの新聞の過去記事を調べて
みたところ、「ポールは必要以上に自分には厳しかった」と
恨み節(?)です。

今までリアリティ番組は見たことがなかったのですが、
この番組を通じて焼き菓子の魅力はもちろんのこと、
人間観察もできたことを興味深く思っています。
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