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掲載誌のお知らせ [各種連載]


NHKテレビ&ラジオNHKニュースで英会話 2017年11月号 [雑誌] (NHKテキスト)

NHKテレビ&ラジオNHKニュースで英会話 2017年11月号 [雑誌] (NHKテキスト)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2017/10/18
  • メディア: 雑誌



掲載のお知らせ
「NHKニュースで英会話」2017年11月号が
発売になりました。今月号では私のエッセイがp122に
掲載されております。ご興味がありましたら
ご一読いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします!
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小泉信三「読書論」より(その4) [日々の暮らし]

小泉信三は25歳から29歳までヨーロッパで学んだそうです。
時代は第一次世界大戦の最中。ケンブリッジで春学期の勉強を終えて
ロンドンに出向き、大英博物館内の図書館に日参し、
読書をしたと記しています。今のBritish Libraryは
キングス・クロスに移転していますが、昔は大英博物館内の
ドームの下が図書館だったのですよね。ちなみに現在、
そのドームの真下はカフェやギャラリー、ショップなどに
なっています。

当時はのどかな時代でしたので、その日のうちに本を
読み終えることができなければ、そのまま机の上に置いた状態で
退館できたそうです。小泉はそうして「資本論」という大著を
読み終えています。

「とにかく私は大英博物館の所蔵本を借りだして毎日読んだ。
それを当時どの位まで理解し得たかは疑問であるが、
ともかくも怠らず読んだ。」(p152)と綴っています。

ところで小泉はロンドン滞在中、市内中心部のRussell Squareから
少し北に行ったTavistock Squareの下宿で暮らしていたそうです。
昔、この界隈は裕福な商人の家があったそうで、それは
サッカレーの「虚栄の市」に出ていると小泉は記しています。
しかし、小泉が暮らしていた1910年代は「怪しげな女たちの
住む一地区となり、その辺に住んでいると、人に吹聴できるような
場所ではなかったらしい」(p150)とも記しています。私が
大学院時代に暮らしていた寮はまさにこの地域にあったのですが、
今から100年ほど前に小泉たち日本人留学生がここで
暮らしていたのだと思うと、感慨深いものがありますね。

小泉はロンドンの日々の暮らしについても記述しています。
朝食後は歩いて大英博物館へ。読書室でお昼まで本を読み、
下宿に帰り、昼食をとってからまた大英博物館で読書。
閉館時間まで過ごしたとあります。一方、夜になると夏の間は
Langham Placeに当時あったQueen's Hallまで行き、
指揮者ヘンリー・ウッドのプロムナード・コンサートに
出かけたことも記しています。これは今の夏の風物詩、プロムスの
前身です。Queen's Hallは第2次世界大戦中の1941年5月、
ロンドン大空襲で爆撃され、破壊しました。今、同じ場所には
St. George's Hotelが建っています。ご興味のある方は
こちらをどうぞ:

http://www.westendatwar.org.uk/page_id__111_path__0p2p.aspx
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