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小泉信三「読書論」より(その3) [日々の暮らし]

理想的な読書環境として、小泉氏は「大きな机」と
「大きな部屋」を挙げています。部屋が大きければ、
読書の途中で考え事をしつつ、歩き回ることによって
思考を深められるからというのがその理由です。

一方、机に関しては次のように記しています:

「真に一物を留めぬ机、しかも相当に大きな机に
向かうことは、不思議に心を落ちつかせるものである。
町の物音のしない朝の間の書斎で、塵を払った机に向かえば、
文字の意味は吸い込むように胸に入り、
筆を執れば、いくらでも思想が湧いてくるような
気のするときがある。」(p114)

私も大学図書館内の研究個室をよく利用します。
その机は大きいのですが、私の場合、必要なもの以外は一切置かず、
インターネットとの接続も断って読書をすることが
あります。雑念を払いながら読書に集中できるので助かっています。

一方、小泉氏は、何か思いついたら横着せず、すぐにメモを取ることも
大切だと書いています。「あとで」としてしまうと、
あっという間に忘れてしまいますので、メモ用紙と筆記用具は
必須です。

こうしたヒントも今の時代、大いに参考になります。
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