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ビートたけしさんの言葉 [日々の暮らし]

イギリスで留学していた時、寮の近くに独立系の
映画館がありました。名作やドキュメンタリーを取り上げており、
人気でしたね。当時は小津安二郎監督や黒沢明監督が
改めて注目されており、私もその時初めて「東京物語」と
「生きる」を鑑賞したのでした。

日本学を専攻していた寮の友達に「好きな監督は?」と
尋ねるとTakeshi Kitanoとの答えが返ってきました。
そう、ビートたけしさんです。

私にとってはお笑いのイメージが強かったのですが、
友人にとっては映画監督という認識でしたね。
たけしさんの作品を観て日本への興味が募り、日本学を
大学で学ぼうと思ったと教えてくれました。

さて、そのビートたけしさんに関する記事が日経新聞に
先日出ていました。小説を発行したという話題です。
意識したのは又吉直樹さん。又吉さんが直木賞を
取ったのだから、自分にも小説の才能があることを
示したいと奮起したそうです。

私がその記事で注目したのは、小説のことよりも
むしろデジタルに対するたけしさんの考えでした。
次のように述べています:

「デジタルは嫌い。俺も仕方なく持っているが、
スマートフォンは世界中の人に手錠をかけるようなものだと
思っている」

実は私がいまだにデジタル機器にもろ手を上げて
賛成できないのは、たけしさん同様の考えがあるから
なのですね。もちろん長所は理解しています。けれども
常にどこかと、誰かとつながり続けているのは
息苦しく思えてしまうのです。

便利さと不便さへの感覚は人それぞれです。
だからこそ、「皆がそうしているから」という思いではなく、
「自分はどうしたいか、どういうスタンスを取りたいか」
をじっくり考えることが、生きる上で必要だと
感じています。

(「文化往来 ビートたけし新刊、きっかけは又吉の活躍」
日本経済新聞 2017年10月2日月曜日朝刊)
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